18. うつけの馬車道!
馬車に乗って,移動している。
今現在,各貴族領を訪問している最中だ。リーナからの報告?いや,リーナに同行しているリーヴァンから報告を受けている。
どうやら,訪問先の貴族領の街を探検しまっくているみたいだ…
いや,誰か!誰でもいいから!リーナを止めろ!僕なんて,コノハが睨みを効かせて,公務以外で街に出ることを禁止されているのだぞ!!不公平だ!!
そして,マナはコノハに買収されていたみたいで…コノハ居ないときに街に,外出しようとしたらマナに止められたのだ…
「リーヴァン…そっちは,順調??」
「はい…!リーナ様が,街に出まくっていること以外は,順調です…」
「苦労してるんだな…」
「はい…出発予定時間ギリギリまで,街で遊ぶので…しっかり時間を守ってくれてはいるので,工程に遅れは出ていませんが…」
「いいなぁ~僕は,コノハと……後,マナが睨みを効かせいるお陰で,街に遊びに行けないんだよ…」
「コノハらしいですね…むしろ,レン様が,王都に遊びにいった時に,門限破りまくったのが要因じゃないですか?」
通信機越しのリーヴァンと同じ馬車内に乗っているコノハは,そうだ!そうだ!の表情をしている。
「レン様…あなたが,時間になっても王城に帰ってこないことで…どれだけ,私とリーヴァンが苦労していたと思いで??」
コノハの一言は,心にグサッと刺さる…
確かに,門限を破って王城に帰った際,父上か母上が僕の部屋で待っている…その際に,色々言われていたのかな??
「二人とも…申し訳ございません…これからは,門限やぶりは五回に一回にしようと思いますので…街に遊びに行かせてください…」
「レン様…五回に一回では無く毎回!門限通りに帰ってきてください!でないと…マナ様の尻尾触りますよ?」
「ええっ!」
マナが,驚いた顔をした。
「絶対ッッ!ダメ!!マナの尻尾触っていいのは,僕だけだ!エッヘン!!」
「いや,私の尻尾は誰の者でもないからね!?」
「あっ!いたーー!」
マナから,鋭いツッコミが飛んできた…でも,なんで,僕だけ??
「マナ…痛いよ泣…レンくん悲しい…泣」
「ウソ泣き…バレてますよ?」
「あっ!やっぱり!」
ここで,リーヴァンが…
「あの~レン様とマナ様の夫婦漫才見せられるなら…通信切っていいですか?」
リーヴァンまで,辛辣…僕の味方は居ないのかねぇ……
通信を終えたのと同時に,コノハが釘を刺してくる…
「それに,今回レン様の街への外出を制限しているのは,レン様が突然ぶっこんだ,あの事が原因じゃないですか…」
「うっ…言い返せません…」
「その,準備に私とマナがどれだけ…どれだけ…関係各所に根回ししたと思っているんですか!!」
「ありがとうね…君たちのお陰で,やりたいことが出来たよ~~ご褒美だよ!!」
「ふにゃ!!」
僕は,マナの耳を触った…本来なら尻尾を触り所だが……今,触ったら僕の腕一本確実に吹っ飛ぶと判断して耳にしておいた…
「レンくん…??それ,私へのご褒美じゃなくて…レンくん自身へのご褒美じゃない…??」
「あっバレた?!」
「バレバレ!」
マナとじゃれていると,コノハが尋ねてきた。
「はぁ~甘たるい…ほんと…マナ様は,能力があるのは認めます…レン様が,あそこまでして自身の第一秘書に任命するだけはあります」
「そうだね…マナは,能力あるし…癒し効果あるし…完璧な女の子だよ!」
「後半は,無視しますね…改めて,マナ様を任命した理由は,能力以外にもありますよね?」
「う~んとね…身分差別を無くすため…?」
「何で,疑問形??」
「まぁ~その内,わかるよ!」
マナを秘書官に任命した理由は,表向きに発表した理由以外に,もう一つある…しかし,今ここで,喋れば外部に漏れかねない…信頼しているコノハ相手でも時期が来るまで話せないなぁ~
でも…一つ確かなことは…僕が,マナの事を大事に思っていることは変わらない…マナは,全力で守っていこうと改めて,心に誓う。
「レン様!ココノエ子爵家の領地『ハクバ』に到着します」
「了解!」
馬車は,ココノエ子爵領の街『ハクバ』に入り,ココノエ子爵領の屋敷に入る。そこには,ココノエ子爵家の当主のドリス=ココノエと次期当主と言われている,アレン=ココノエとココノエ子爵家のメイド・執事が出迎えてくれた。
馬車から降りで,ドリスと握手を交わす。
「レン第一王子…本日は,遠路はるばるお越し頂きありがとうございます!」
「いや,こちらこそ!事前に予告していた日時よりも遅くなり申し訳ない!」
「いえいえ!事前に,通信で連絡頂いていたので準備には手間取りませんでした!さぁ,よろしければ夕食の準備が出来ています!是非!食堂へお越しください!」
「時間も時間だから,夕食ご馳走になろうかな…!」
「「かしこまりました!」」
ココノエ子爵家の執事の方に,荷物を預け…メイドに案内され食堂に案内される。
そこから,ココノエ子爵家の人との夕食をとり,その日は就寝した。




