161. 女子トーク
スズカの大公就任とデリエスとメイが、スズカの基で働くことが決定した。
流石に、そろそろ帰国しないとマズいので、レンたちは急いで帰国の準備を始める。帰国の準備は、サユリとコノハ親子が中心に進めて貰っている。
どんなに、どんなに遅い時間になっても構わないので本日中に帰国する予定だ。
ちなみに、トクヤは、散々公国でやらかしたこともあり、途中から公国に用意された部屋から一歩も出てこなかった。というか、レンが出さないようにサユリに命じていた。
レンとしてはこれ以上、やらかされたら困るので、完全にトクヤのことを無視してレン自身で公国との会談などで、両国間での決め事を決めてたりしていた。
レンは、スズカと話し合っていた。マナは、リーナと秘書官業務に移っていた。デリエスは、早速、セバスから秘書官の業務について教えを受けていた。メイも、参加しようとしていただ、レンとスズカが、マホと話せばいいと提案し、部屋にある椅子で隣り合って座り、楽しそうに話している。
元々、仲良かった二人なのだ。話したい事が、沢山あるのだろう。帰国までの時間が許す限り話せばいいと思う。
夕方頃に、王国への帰国の準備は完了した。夕食を食べることも提案されたが、丁重にお断りした。ならばと、お弁当を持たされた。
恐らくは、断られることを想定して、お弁当を作っていたのだろう。
サユリに命じて、トクヤは既に、移動用の馬車に乗せていた。トクヤは貴国出来ると解った瞬間に、大人しくそして素早く馬車に乗り込んだというのだから最後まで公国に失礼を働いた。レンは、平謝りを繰り返した……
トクヤが乗った馬車に、サユリとコノハとリーヴァンが乗り込んでいた。
レンは、スズカと握手をした。
「これから頑張ってな……新政権は、初めが感心だからねぇ~~」
「まだ、トップに立っていないレンに言われてもねぇ~~」
「あはは……まぁ、実質的なトップなんだけどもね……まぁ、近い将来、トップになると思うよ?」
「楽しみやなぁ~~次、会うときには国王かな?」
「さぁ、それはどうでしょ?」
スズカと手を離すとレンは、トクヤが乗った方とは別の馬車に乗り込んだ。この馬車には、レン・マナ・マホ・リーナの四人が乗り込み、マホとリーナの向かいに、レンとマナが座っている。
レンは、お見送りに出て来てくれている公国の人物に手を振る。マホもお見送りに来てくれてるメイに向かって強く手を振っている。
ミカン城を出て公国の街を走り、会談で決めた領土分割案で、王国側になった旧帝国領土に入る頃には、既に二十二時近くになっていた。
「ここが、王国領になるんでよね?お兄様?」
「そうだよ」
マホは、少し寂しそうだ。親友とも言えるメイと久しぶりに話せたと思ったら今度は、遠距離になったのだ。当然だろう。
「メイちゃんと別れて寂しい?」
「……うん」
やはり、寂しいようだ。
「じゃさぁ、頑張って政治の勉強しないといけないね。メイちゃんは、マホの秘書官になるために公国でお勉強するんだからマホも頑張らないとね」
「うん!!」
さっきよりも輝いているように見える。
「マホも頑張って、メイちゃんを秘書官に迎えられる器を身に付けないと行けないよ……メイちゃんが成長して王国に帰って来た時に、マホが成長してなかったら失望されるよ。人ってね無意識に人を過大評価しちゃうものだからね」
「うん!頑張る!」
「じゃぁ~~帰国後の補習も頑張ろうなぁ~~??」
「うぅ……レン鬼いちゃん。お手柔らかに……」
「何だろうかぁ~~可愛く言われてるはずなのに、おにいちゃんの所にかなり鋭い棘があったようなぁ~~?」
「レンお兄ちゃん。優しく勉強教えてください」
「よろしい」
レンとマホの仲睦まじい兄妹の会話をマナとリーナの二人の秘書官は、遠目に微笑ましく見ている。
「というか、マナちゃん。何か、楽しみなことでもあるん?」
リーナが、マナに質問していた。
確かに、誰でも解る程、帰国中のマナはソワソワしていた。すると、マホが無邪気にも真実を話した。
「マナ姉さんね……王国に帰ったらレンお兄様とデートする約束してるんだって!」
「ちょっと?!マホさん?」
レンは、慌ててマホを止めようとするが、時すでに遅し……マホの手によって外堀を埋められてしまった。マナはマホに対して親指を立ててグットポーズをしていた。
どうやら、二人はグルになっていたようだ。どおりで、マホがレンとマナがデートの約束していたこと知っている訳だ。しかも、二人で話していた日程までも把握している。確実にグルだ。
「へぇ~~マナちゃん。やっとやん!」
「うん!やっと!ずっと、のらりくらりかわされてたけど……推して押しまくってやっとデートの約束取り付けたんだから!!」
なにやら女の子二人が話している中、馬車の扉がノックされた。女子バナに華を咲かせる三人を他所に、窓の外に来た人物と会話する。
窓を叩いた人物は、馬車に上手い事しがみついていた。ハットリ家の人間だろう。顔に巻いている布を外して自己紹介した。以前に言った事をしっかりと実行しているようだった。
レンは、報告と手渡された手紙を読む。
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