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16.うつけと兄妹!

 大きな波乱を呼んだ裁判の翌日。


 未だ,王城内でも,動揺を引きずっている。


 一番は,王妃である母上の身分が奴隷に落ちてしまったことだ…昨日までは,王妃様として接していた人が,今日からは,奴隷となったのだ。


 私の名前は,マホ=ラインブルー。十歳。レンお兄様の妹。


 昨日は,レンお兄様の秘書官任命式にて狼藉を行った者の裁判で,判決権はお兄様に預けられた。


 しかし,当日レンお兄様は,不正貴族と不正官僚を死罪。父上と母上にも,重い罰を与えた。


 私には,もう一人お兄様がいる。シオン=ラインブルーお兄様。レンお兄様の弟だ。


 シオンお兄様に呼び出された。シオンお兄様のお部屋に入り対峙する。


「シオンお兄様…何でしょうか?」

「マホ…レンお兄様のことどう思う??」


 呼び出された用件は,レンお兄様の一件だった。


「それは,昨日の裁判のことですか?」

「あぁ,そうだ!レンお兄様は,おかしい…秘書官に平民を起用したり…長年,王家に慕えてくれたオーティズ公爵を死罪…それに…母上の身分を奴隷にするなんて…なぜ,()()()()()()するんだ!!」


 シオンお兄様の気持ちもわかる…家族に対して厳しい裁きを行ったレンお兄様に動揺する気持ちもわからなくない…けど,あのレンお兄様だ。何か,理由があるに違いない…


「シオンお兄様が,動揺されるお気持ちも理解出来ます…私も,昨日のレンお兄様の様子はおかしいと思いました…」

「あぁ!そうだろう!もしや…レンお兄様…父上を殺して,王位を奪うつもりじゃないか??」


 いや,それは違うと思う。私の考えをシオンお兄様に伝える。


「シオンお兄様…レンお兄様は,()()()()()()とは思っていないと思います…」

「なぜ,そう思う!!」

「レンお兄様が,今直ぐにでも,王位を奪おうと思ったら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()はずです…!」

「それもそうだな…」

「それに,レンお兄様は,()()()()()()()()です…無理やり奪わずとも数年後には,王位はレンお兄様に移ります…レンお兄様自身…()()()()()()()()()()()()()()()()()んです…」

「……確かに,そうだな」


 シオンお兄様は,納得した表情をしていた。


「もしかしたらだけど…」

「なんだ?」

「レンお兄様は,小さい時からお忍びで,街に出掛けること多かったじゃない??」

「確かに…それで父上と母上に怒られてたな…」

「レンお兄様の裁判の後の演説を聞いていて思ったんだけど…私たちは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()じゃない??」

「そうだな…」

「でも,レンお兄様は,街に出ていた…もしかしたら,()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()があったんじゃないかな?」

「そんなはずがない…王家の教育係は,優秀で…」



「その,()()()()()()なんだよな~~!」



 突然,私とシオンお兄様以外の声が入ってくる…



「「レンお兄様!!」」



 声の主は,レンお兄様だった。



「レンお兄様…!入るならノックを!」

「シオン?ノックしたよ?でも,返事ないから入って来た…!」


 レンお兄様が,お部屋に入ってきてベットに腰かけた。シオンお兄様が,レンお兄様に質問をする。


「レンお兄様…何で,父上と母上にあんな罪を与えたんですか??」

()()()()()()()()()()()()()()

「でも!身内にあんな処分しなくても!」

「シオン!……それ以上言うと…君も処罰しないといけなくなるよ…?王族なんだから…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と思え…!」


 レンお兄様の声が,急に冷たくなった…その雰囲気に,シオンお兄様はたじろいでいる。


「マホ!法律が適応されるべき範囲は?」

「はい…王国法は,()()()()()()()()()()に適応されるべきだと記されています」

「よく勉強出来てるね!ヨシヨシ!」


 レンお兄様は,私の頭を撫でてくる。


「シオン…そういうことだ…不正をした貴族と官僚を死罪にしといて法を犯した父上と母上は,無罪放免には行かないでしょ?……ただ,本来なら父上と母上も死罪になるよ…ここ数十年…不正貴族・官僚を野放しにして国民たちに苦しい生活を強いたんだから…」

「そんな…」

「何とか…母上を政治の世界から遠ざけることかつ父上に監督責任を設けて,それを成し遂げられなかったら二人とも死罪とする…これでも,僕なりに()()()()()()()()()()裁きだよ…」


 シオンお兄様は,黙りこんでしまった。


「二人とも…成人したら政治の世界に入る身としてこれだけは,心に刻め……!」


 レンお兄様の言葉に,私たちは,覚悟を決めて聞く。


「法律は,()()()()()守らないといけない…特に,国民の模範となるべき王族が法律を破れば,たちまち()()()()()()()だ…王族は,この国の誰よりも法律や政治について勉強しないといけない…()()()()()()()()()()()()()()()…シオンは,後三年…マホは,後五年…しっかり勉強しろよ!」


 それだけ,言うとレンお兄様は,部屋を後にしていった。


 

 レンお兄様の昨日の決意表明は,王国だけでなく諸外国にも波紋を呼んでいたことに,私とシオンお兄様は,気づくのは,まだ先のことだった。



=============

初めて,感想頂きました!面白いと思って頂いて嬉しい限りです!(`・ω・´)!


これから,頑張っていけたらと思いますので,よろしくお願いします!


噓真 蓮都


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