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159.妹同士の再開

「本当は、国王になんてなりたくないけど……」


 このレンの一言は、本音なのか、建て前なのか……この場に居る全員、真意は解らなかった。しかし、直近でレンが言った、近々王位に就くことになる、という発言の意味は、王国でかなり大きい動きがあることが解る。


「レンくん。国王になりたくないってどういうこと?」


 マナは、本音か建て前かを確認してきた。第一秘書官としてでなく、大事な人であるレンの進退を確認したいと思いマナは確認した。


「そのままの意味」


 レンは、マナの質問に答えた。しかし、マナが聞きたいのは、その本質にある理由だ。


「違う。何で、国王になりたくないかってこと。国民のための政治をしているレンくんが、王国の国王にならないと誰が、王国の国王になるっていうの?」


 マナの問い掛けはごもっともだ。マホも遠目で、驚いた表情を見せている。レン派の人物にとって、レンが次期国王になることを信じていた。

 その張本人が、国王になる気が無いということは、予想外だ。一度、トクヤからの王位の譲位を拒否している時点で有り得る話なのだ。


「誰かなぁ~~。マホなんていいんじゃない? 政治家としての才能はあるし♪ それに、マナだって、政治家としての才能に、国王としての才能あるじゃん♪」


 まただ。レンが、マナと王位に絡めたことを発言するのは。これも、冗談なのか本気なのか……


「レンくん――また、そんな冗談を……」


 マナの発言には、少し……いや、かなりレンの心内を探っている。


「――――冗談だよ。父上に何かあったら一先ずは、僕が王位に就くよ」


 ん?一先ず?


 気になる言葉が、あったが取り敢えず話を進めるために、話題を進める。











 コン♪コン♪コン♪


 執務室の扉がノックされた。部屋主であるスズカが、入室の許可を出すと、リーナが部屋に入って来た。


「おぉ~~リーナ! 何か久しぶりな気がするけど……何処でサボってた?」


 レンは、リーナに問い掛ける。しかし、リーナは、レンに対して物凄い抗議の目線を送ってきた。


「レ、レン~?誰の命令のお陰様で、この短期間で、公国と王国を何往復もしないといけない羽目になったとでも??」

「リーナが散歩好きだからでは? この短期間で、王国と公国の両方の街を散歩出来たんだから~~良かったねぇ~~」

「マナ……ハリセン」


 パァァン♪♪ 


 マナが、リーナの命令を聞きハリセンを振り下ろした。


「いたぁぁぁぁい!何で、私??!!」


 ハリセンを振り下ろした先は、リーナ本人だった。レンをしばくと思っていたリーナは、自分がしばかれたことに驚きの表情を見せている。

 マナは、やり切ったといった表情をしている。


「ねぇ、何で私なの?何時もは、レンだよね?」

「レンくんの事は、余程の事が無い限りハリセンしないって決めたの。 レンくん頑張ってるから」

「……私が居ない間に、距離が縮んでる? もしかして一線……」


 パァァン♪♪


 最後にリーナが、言おうとした事を遮るように、再度、マナのハリセンが炸裂した。リーナは頭を摩りながらマナに謝る。


「……変な事、言いました。すみません……」

「……よろしい」


 マナが、リーナを許した瞬間を見届けて、レンはリーナの後ろでポカンと様子を伺っている二人の兄妹に声を掛ける。


「デリエスくん。メイちゃん。こっちおいで!」


 レンが呼んだのは、レンが断絶させたオーティズ公爵家の唯一の生き残りのデリエスとメイの二人だ。二人は、突然見知らぬ場所に連れて来られた事に戸惑いの表情を見せながらも、レンの目の前までやって来た。


「レン王子。お久しぶりでございます」

「王子様。お久しぶりです」


 先に、兄のデリエスがレンに挨拶をした。この前、十三歳になったばっかりだと言うが、大分しっかり者にこの短期間でなっている。

 孤児院でも真面目な働きぶりが、評価されているとマナから報告を受けていた。


 兄に続いて、挨拶をしたのは、妹のメイ。

 初めて会った時は、毒親の影響もあって、泣いていたが笑顔は、マナには負けるが、美人だ。孤児院の子どもとも歳が近い事もあり、友達感覚で接しているようだ。

 貴族時代は、同い年のマホと非常に仲が良かった。


 一瞬だが、レンとマホが冷戦状態に陥ったのは、オーティズ公爵家を断絶させたことが影響していた。たが、レンと共に孤児院に訪問した際に、密かに再開し、事情を聞きレンを許していたのだ。


「二人とも、久しぶりだね。孤児院での働きぶりは一杯聞いているよ~~マホは、メイちゃんと話したい事あるでしょ?話していいよ」


 レンにそう言われると、真っ先にマホは、メイの基に駆け寄った。再びの再開を喜ぶように、抱き合っている。


「うちの妹が、本当にお世話になってるねぇ~~デリエス」

「いぇ、メイの方こそ、分け隔てなく接してくれる王子兄妹に感謝しております」

「あぁ~~そうだ。やることやっとかないと……僕は、直ぐ忘れるからなぁ~~」


 レンは、仲良く話す二人に少し、心苦しいと思うが一瞬なのでメイを呼び、デリエスの隣に立たせる。マホは、不思議そうに二人の様子を覗き込んでいる。


「じゃ、少し、痛いけど我慢してね」


 レンは、二人の首元に付いている奴隷の証である首輪を、魔法を使って解除していく。魔法が発展していないこの世界ではあるが、奴隷の拘束に仕える魔術だけは軽く発展していることは少し歪だと感じてしまう。

 解除の際に、少しばかり痛みを伴ったのだろう二人は少し、表情を曇らせるが、直ぐに元の表情になった。


 奴隷の拘束を解除し、二人の首についていた首輪を回収する。


「二人とも……苦しくない?」


いよいよ11月もあと少し・・・・・・


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