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153. 羞恥心によるハリセン

 緊急の閣僚会議の際には、スズカの外務大臣就任だけでなく、ラインブルー王国との国交正常化を公国内でレイノスが閣僚たちに話した際には、スズカの外務大臣就任以上に反対意見が出た。

 しかし、レイノスは反対意見に関しては、跳ねのけた。王国同様、公国と王国の対立関係は、政府が重要視しているだけで、国民はどうでもいいのだ。


 なにせ、加工の技術に関しては、公国内には無く、帝国を経由して帝国産として加工品を輸入していたので加工品の値段が跳ね上がっていることは、周知の事実だった。


 レイノスが、そのことを話すと閣僚たちは黙り込んだ。レイノスは、ここ数年は、息子二人に政治に関しては任せていた。自身の後継者として育成するためだ。

 しかし、数年ぶりにレイノスが、表に出てきて政策を決定したのだ閣僚たちは、これ以上の反対意見は自身の首を絞めるだけなので了承した。






 ◇◇◇



「へぇー、公国内でもほぼ、王国と同じ流れやったんだねぇ~~」

「せやでぇ~~。まぁ、議題に提出者は父上やけどなぁ~~」


 一室で、レン・マナ・スズカの三人の話し合いは、続いている。レンとマナは、相変わらず手を繋ぎ続けている。


「それで……フルヤとモリヤはどうなりそうなの?」

「せやなぁ~~現状は、身柄や判決に関しての権限は父上が持ってるからねぇ~~私では、どうにも出来ないなぁ~~」

「でも、このまま大人しくする訳ないよな?そのために、リスクを負ってまで王国と組まないよな?」

「それは、レンとの婚約するためや」

「あぁ~~それは却下」

「何の躊躇いも無く拒否したね~~こんなにナイスプロポーションな女の子と婚約したら好き放題出来るよ?」


 そう言うと、スズカは豊かな胸を強調するような仕草を見せる。しかし、レンは無表情だ。マナと握っている手が痛いのだ。


「却下だ。それに、胸ならマナの方があるよ」


 レンの言ったことに、スズカは驚き、マナはフリーズしている。レンは、一瞬この空気に疑問を感じていたが、スズカの次の一言でレンもフリーズすることになる。


「……いやぁはやぁ~~二人はそういう関係にまで発展していたとは……」


 スズカの一言で、マナは激しく動揺した。この表情は見ていても可愛いが、今回は話のネタがネタだけに否定しないと、流石に不味い事になる。


 パシン♪♪♪


 マナは、羞恥心に身を任せてハリセンをレンに振り下ろした。レンは、自分じゃなくスズカにするべきだろうと思いながら悲鳴を上げた。


「いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁい~~~~~~」

「おぉ~~凄いの一発来たねぇ~~」


 スズカは、呑気に笑っている。しかし、このまま変な方向に話が逸れてしまえば、大事な部分を訂正できなくなる。


「えぇ~~と、スズカさん?僕とマナは、まだそういう関係になってないよ?」


 レンは、否定したが、スズカは、本当かぁ~~という表情を見せている。

 レンは、思った。あぁ~~そうか、自分が口を滑らせていたという事に気が付いた。そういう話をしてしまえば、勘違いされるのも理解出来る。


「あぁ~~、マナの胸のサイズを知っている理由は……うちのメイドのコノハの策略でマナと一緒に着替えてたんだよ……それで、その……見ちゃいまして……」


 レンは、少し噛みながらも事情を説明した。

 スズカは、マナに向かって、大胆なことしたねぇ~~とからかいの目線を送っている。マナは、目線の意図を理解したのだろう。頬を赤らめてハリセンを握った。

 今回のターゲットは、スズカだろうと判断したので油断した。しかし、その油断は、意味が無かった。


 パシン♪♪♪♪


 ハリセンは、レンの頭目掛けて振りかざした。油断しきって行ったレンは、まともにハリセンを受けてしまった。


「いっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」


 レンは、頭を摩りながらマナに抗議する。


「マナぁ~~今のは、僕じゃなくてスズカだろう?!」


 抗議に関してマナも頬を赤らめながらレンと向かい合った。


「……だって、レンくんが口を滑らせたのが悪い」

「じゃ、僕がスズカと婚約しても良かったんだ?」

「はぁ?」 


 マナの怒りの籠った「はぁ?」に、レンは怯んでしまう。しかし、今回はこの程度で怯んでしまうレンでは無い。


「あそこで、スズカのアピール断らないってことはそういうことになるということだと思うよ?」

「つッ……」


 想定外のレンの反撃にマナは、おどおどとしていた。普段ならレンは、反撃せずに直ぐに謝罪してくるので想定外だったようだ。


「それに……僕は、マナが着替えている間は、外に居る事を提案したんだよ?でも、一緒の部屋で着替える事を提案したのは、マナじゃんか? そりゃ、僕だって男だから同い年の女の子が傍で着替えてんだよ?チラッと見るのは仕方なくない??」


 レンの言った事は、正論だったのでマナは黙り込んだ。


 しかし、その二人を微笑ましく見ている人物が居た。スズカだ。


「あはは!二人は、既に熟年夫婦みたいやなぁ~~」

「マナ」

「レンくん。解ってます」


 マナは、ハリセンを構えた。今度は、レンではなくスズカにハリセンを振りかざしたのだった。



寒い((((;゜Д゜))))



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