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143. 波乱

 マナとスズカが恋バナを繰り広げていた中で、肩身の狭い思いをしていた。自分自身が対象となっている恋バナを聞かされている身としては、いたたまれ無くなっていた。

 逃げ出したくても、逃げ出せない。マナと手を繋いでいたため逃げ出せなかった。


 レンは、そろそろ恋バナを終わらせて本題に移りたいと思い、強制的に脱線している話を線路に戻そうとした。


「……恋バナに華を咲かせているとこ、申し訳ないんだけどさぁ~~」

「……レンのアホ」

「……レンくんの鈍感……バカ……」


 案の定だった。強制的に恋バナを終了させたからか、二人から抗議の声が向けられるが、レンは無視を決め込もうとする。


(でも、マナさんやい。恋バナ止められた抗議で、鈍感は場違いではないのかな??)











 女性陣二人からの非難の声を無視しながら、話題を本題に戻した。


「……それで、スズカさんやい。レイノス様は、二人のバカ息子をどうするつもりなん?」


 レンは、遠慮なくレイノスの子どもに対してバカ息子と発した。マナの事を傷つけた人間に対して遠慮は、全くする気がないようだ。


「今回のことに対して、かなり激怒してるなぁ~~……前々から、二人の女遊びの悪い噂が絶えなくて厳重注意してたんやけど……まさか、他国からの訪問者の女性にまで手を出そうとするとは、思えへんかったわ……ホンマにごめんな?マナ……」

「大丈夫♪レンくんのかっこいい所みれたから……まぁ、良しとしよう!」


 事情の説明の最後に、マナに対して謝罪をしていた。本当に、気遣いが出来るいい子だ。にしてもだ、マナが少し上から目線だったのでツッコミを入れる。通常運転の所、申し訳ないんだけどね。


 レンは、マナと手を繋いでいないもう片方の手で軽くチョップをした。


「イタッ!」

「マナさん、上から目線過ぎ!」

「うぅ……少し調子に乗りました。ごめんなさい」


(素直に謝るマナ……可愛い!!)


 何て、心の中で惚気るが、話を本題中の本題に戻す。


「レイノスの怒りは、どの位?」

「二人は、今、拘束されていて、必死に父上に弁明してるんやけど、過去の愚行のせいもあってか、父上は、許すつもりないみたいやね二人が、反省しない限り……国家反逆罪を適用して死罪にするつもりみたい」

「わぁ~~お、めっちゃ、キレてんじゃん!」


 レイノスのキレ具合に、レンは苦笑いを浮かべた。スズカとの計画以上のことがここでも起こっているからだ。まぁ、レンとスズカが立てた計画から逸脱していないので手を加える必要は無いだろう。

 二人が、死罪になろうが、レンとしては、知ったことじゃない。二人の日頃の行いが招いた災いだ。仮に、二人がレンに謝って来たとしても許すつもりは無い。ていうか、僕に謝れても困るんだけどな……当事者は、レンじゃなくてマナなんだけどな。


「……これで、二人は、権力争いから脱落かな?」

「せやな。死罪は間逃れても、他国の女性に手を出そうとした……二人の前科的に、余罪もあるだろうし……どの道、最悪死罪、命を間逃れても追放が妥当ちゃうかな?」


 そうなれば、スズカが、レイノスの後継者になることになるだろう。レイノスには、側室は居ない。一夫多妻制の公国では、かなり珍しい。

 

「てことはさぁ……実質的に、レイノスの後継者はスズカってことだねぇ~~政敵となる兄二人が、去ることが確実になったもんなぁ~~」

「せやなぁ~~やっと、無駄な権力争いしていた兄二人を政界から追放出来て、公国の民のための政治が出来る……まずは、兄二人に虐げられた民への謝罪からや」


 レンは、スズカと交流を持って行くに連れて、スズカが一番政治に関して強い関心を持っていることが解った。優秀なハットリ家の調査でも「決め込んでいる」という評価をしてしまう程、思惑を隠すことに長けていた。











 しかし、その政治信念は、レンと同じだった。


 国民のための政治をしたい。自分の家族が国民を蔑ろにした政治をしていることが許せなかった。何とかしたくても継承権が壁になって出来なかった。


 レイノスに対しても怒っていた。息子二人が泥沼の権力争いを繰り広げている上に、派手な女遊びで被害にあっている女性が国内にいることが解っていても注意だけで済ませていたことに怒っていた。


 継承権の違いで、直ぐに、改革に動き出せたレンと継承権が壁になって動きたくても動けないスズカ。レンの王国内での活躍をセバス伝いで耳にしていたスズカは、レンに会ってみたいと強く思った。

 そんな、状況下でレンがお忍びでミカン城にやって来た。


「レンが、ミカン城に商人と身分を偽って来てくれたことが、うちに向かって風が吹いた瞬間やったよ」











 王国の国内の改革に集中するために、内政に集中したいレン。継承権が邪魔をして動きが取れなかったスズカに取って王国という大陸内でナンバーワンを争う王国が味方に付いてくれることは、継承権争いに波乱を呼ぶことが出来る。






 こうして、利害の一致した二人は、協力関係を結びとある計画を立てて実行にうつすことになった。


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