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134. 妹の感じた物

 レンとスズカによる旧帝国の領土分割の交渉が終わり、マホは、応接間をレンとマナと共に、後にして控室に移動している。

 控室では、午後からある王国と公国の国交正常化の式典の準備をレン・マナ・マホの三人で行う事になっている。


 準備と言っても服を式典仕様に着替えたりお化粧をしたりと言った所だ。


 コノハは、朝と同じようにレンとマナを同じお部屋で着替えることになっている。レンも最初は抵抗していたが諦めた様子だ。

 





 先程までは、レンとスズカの二人の大臣による旧グリアナ帝国の領土分割の話し合いをレンの隣で見学していた。

 

 マホが感じたことは、二人の空気感が凄かったということだ。


 レンから事前に、「どこに焦点を置いているか」を注目して見るように言われたが、スズカが交渉を動かした辺りから一気に空気が動きに動いたのでどこに焦点を当てていたのかがわからなくなってしまったのだ。

 

 レン・マナ・マホの三人は、控室に入る。


 控室には、三人分の着替えが用意されていてレンとマナはご丁寧に隣同士に置いてあった。コノハは、今朝、レンに怒られたばかりなのに懲りてないなぁと思う。


「コノハのやろう~~。マナと隣同士で着替えるの??下着見ちゃうじゃん……」

「私は、レンくんに下着見られても平気だよ??」

「マナは、無警戒すぎる……」

「無警戒じゃないもん。レンくん以外に見せたくもないもん」


 本当にレンくんは、鈍感過ぎる。


 マナが、こんなにも好意を示しているのに、全く反応を示さない。ある意味、マナが可愛そうだよ!だとマホは、心の中で思う。


 三人は着替えを開始する。


 マホには、サユリがお手伝いに駆けつけて手伝って着替えを終える。着替えを終えてレンとマナの方を見る。結局、近くで一緒に着替えたようだった。


 何か、二人ともよそよそしい。


 恐らく、レンは必死にマナの着替えを見ないように必死に視線を逸らしたのだろう。一方のマナは、鈍感なレンに必死にアピールしようとしたのかやり切った表情になっていた。


 マホは、この後に、レンに怒られるであろうコノハのことが心配になっていた。


(本当に、レンお兄様は、ここまでマナ姉さんがアピールしてるのに……これで、気が付かなかったら妹パンチをお見舞いするよ!!)










 本当に、レンは、政治の舞台とプライベートでは人格が変わる。


 プライベートでは、本当にマホを始めとする家族を大事にする。ただ、政治家としての視点では家族を能力で判断するが、プライベートでは仲良くしようとする。

 ただ、トクヤはレンの政治家としての雰囲気、シオンは政治家としての方針の違いで、ここ最近レンと距離を取っとているが、レンは二人の動向を気にしている。


 マホは、レンといい関係性を築けていて、レンから政治家としての英才教育を受けている。マホは、レンに対して対立しようなんて考えは無く、レンの政治改革に対して協力していこうと考えている。


 エリザとは、裁判以降は少し距離を取っていたが、最近になって過ごしている別邸にお話に行く事もあるようだ。


 マホは、先ほどのスズカとの交渉で政治の世界の怖さを知った。そこで、他国の政治家と対等以上に渡り歩いているレンに尊敬の念を送っていた。

 

「レンお兄様。先ほどのスズカ様との交渉なんですけど……」

「ん?……何か、疑問に感じることあった?」

「はい。移動中の馬車内では、シノバンから王国側の農業地帯の一部は公国側に譲る方針を示しましたが、最初に公国側に提案したのは、シノバンを基準にしての半分こでした」

「やっぱり、疑問に思うよぇ~~」


 レンは、マホからの質問に面白そうにしている。マホの成長を喜ぶ姿は、家族想いだということが染み渡る。


「交渉は、思い通りに進むこと自体稀だからねぇ~~。落としどころを予め想定しておいて、最初は大きめに条件を提示する。それで、相手側が了承してくれればラッキー。了承してくれなければ、予め想定していた落としどころに持って行けるかが、勝負になる」


 もうすっかり、恒例行事となっているレンの言う事を必死にメモするマホの姿。必死に、レンの改革の力になろうと努力していることが伝わってくる。


「もしかしてですけど……最初に、最初は相手が難色を示す条件を提示して、相手が予想通りに難色を示したらこっちから譲歩して相手に貸しを作る戦術ですか?」

「おっ!よく出来ましたぁ~~!そうだよ、その戦術! まぁ、譲歩しても公国が少しゴネたから軍事力を出さざる得なかったのは少し残念だったね」

「あれでしたっけ……要求するなら見返りを提示しろって!」

「せいか~~い!!」


 レンは、マホの頭を力強く撫でる。


 パシン♪


 すると、マナがハリセンでレンの頭を叩いた。


「レンくん。この後に、式典が控えているんです。力強く撫でてせっかく綺麗にセットした髪が乱れているじゃないですか!!」

「ごめん!ごめん!って。サユリさぁ~~ん。マホの髪の毛もう一回セットしてあげてくれる?」

「うふふ!かしこまりました」


 遠目で、やり取りを見ていたサユリはニコニコ笑顔でレンが、乱したマホの髪の毛を直し始めたのだった。


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