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127. お休みなさい

 レンの悲鳴に近い声で、叩き起こされる形となってしまったマホは、現在の状況を把握することが、出来ずに居る。


「……あっあの。 何が、あったんですか? マナ姉さん?」


 恐る恐る、マホはマナに何があったかの説明を求めてた。


「あっ、おはよ! マホちゃん。ごめんね、起こしちゃったね」

「何が、あったんですか? レンお兄様と……喧嘩……では、無く……レンお兄様が何かしましたね」


(マホの状況把握力……凄すぎないか!!)


 レンは、こんな状況にも関わらず心の中で、マホを褒めたたえる。


 しかし、マホは追及の手を緩めるつもりは無いみたいだ。


「レンお兄様。 正直にお話して下さい。 マナ姉さんに何したんですか?」


 政治の世界では、凛々しいレンでも、可愛い妹のマホの追及の前には小さくなっている。


「えっ……えぇ~~と……」

「レンお兄様!ハッキリと答える!」

「はっはいぃ!!」


(レンくん。こんな一面もあるんだ。家族には、顔が上がらない。意外な一面見れた♪)


 マナは、初めて見るレンの一面を見れたことでレンにからかわれた事に対する怒りは既に、落ち着いていて、今は、レン兄妹のやり取りを高みの見物に勤しむ事としている。


「あっあの……マナの尻尾を触ったり……耳に息をフーって吹きかけたりしました……」


 レンは、正直に話した。


(うん!本当に、困ったよ!レンくん、容赦なくイタズラしてくるんだもん。マホちゃん、どんどん追及しちゃって!)


 マナが、思っていることとは、裏腹に、マホは、キョトンとしてしまった。


「……何で、尻尾触ったり耳に息を吹きかけたりしただけで、たんこぶ出来る位ハリセンで叩かれているんですか?」

「それはねぇ~~マナが、きょうぼう……」

「レ~ンく~ん~?」


 レンの発言の途中でマナは、レンの左肩を左手で掴み右手にハリセンを構えて目を細めて見つめる。


 しかし、レンはまたもや悪い笑顔で答える。


(これは、さっきのハリセンの仕返しが出来るかも~~ウフフ)


「マナ?」

「なっなに?」

「マホがさぁ、尻尾触ったり、耳に息を吹きかけりしたら何で怒ったのか気になっているみたいだから理由教えてあげてよ!」


(あっ、レンくんの表情。悪いレンくんになってる……しまった、一気に形勢逆転した。どうしよう……)


「マナ姉さん。 何でですか? 何で怒ったんですか?」


(ウグッ!どうしよう。何て答える?!尻尾が弱点だって言う?……ていうか、あのレンくんの表情)


 マナは、レンのニヤニヤ表情に、嫌な予感しか感じていない。


(そろそろ、何か喋らないと、レンくんに尻尾を触らせる口実を与えかねない……)


 マナは、天秤に掛ける。


 しかし、ふと考えて思った。自分の口で喋るのと、レンに尻尾を触られても、どの道を言っても自身の弱点をマホに知られる道しかないこと。


(どっちに、転んでも結末は一緒……なら!!)


「あっあのね……私、尻尾触られるの苦手なの……」

「……!!」


 マナは、自分自身の口で説明する道を選んだ。


 マホは、マナの言いたい事を一瞬で理解したようで、再びレンのことを睨んだ。


「レンお兄様~~何事かと思いましたが、レンお兄様がマナお姉さんにイ・タ・ズ・ラ、したんですかぁ~~??」


(あっヤバい……マホ。怒ってる。十歳とは、思えない。母上の血を色濃く受け継いでるな)

(怒ったら怖い所は、レンくんと似てる♪)


 レンとマナは、それぞれマホに抱いた感想を心の中で述べる。


 お互いに共通しているのは、マホは母親の血を色濃く受け継いでいるということ。一方、マナは、マホのことをレン経由で見ている節がある。


「レンお兄様!何、黄昏ているんですか……理由を!!」


 マホは、ベットをドン・ドンと叩いて、理由の説明をするように求めている。先ほどまで、爆睡していたとは思えない程元気になっている。


「えっと……そのぉ~~尻尾触った時のマナは、もの凄く可愛いんですよ。……遂、イタズラ心が湧きましてしてしまいました……」

「レンお兄様!そこに、正座!」

「はいっ!」


 レンは、床に正座した。


 そこから、マホによる可愛いお説教が、十分程続いたが、やはりまだ十歳。マホは、段々と睡魔に負けそうになっていた。

 マナは、そんなマホの様子えを見て、休むように促しマホは再び眠りに付いた。











「マナ。遂、魔が差しました。ごめんなさい」


 マホが、寝たことを確認して、レンはマナにイタズラで尻尾や耳の件を謝った。


「……いいよ。私も思い切り叩いてごめんね」


 マナも強く叩いてしまったことをレンに謝って、レンの頭をヨシヨシと撫でてあげる。






「マナ。もう時間も遅いし、お仕事切り上げて寝よ?」


 日付が変わるまで後、一時間と半分に差し掛かっている。


「そうだね。着替えて寝よっか!」

「じゃ、部屋の外に居るから……」

「えっ何で、外に行くの?」


 マナは、頭を傾けてい疑問を抱いている様子だった。


「マナ、就寝用の服に着替えるでしょ?だから、その間外に居ようかと……」

「別に、レンくんになら着替え見られてもダイジョブだよ?……むしろ、私が着替えてる間外で待たせるの申し訳ないし、一緒に着替えよ?」


 レンは、断ることが出来ず、何とかマナの下着を見ないようにしながら着替えを済まして自分のベットに入ってマナに挨拶をする。


「お休みなさい!」

「レンくん。お休み!」


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