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116. 出発

「マホちゃん……王家の権力争い程醜いものは無いんですよ」


 マナの言う通り王家内での権力争いは必ずと言っていい程、泥沼化している。


 現状のラインブルー王国自体では、権力争いが起こる可能性が無いとは断言できない……むしろ、権力争いが起こる可能性が高い。

 けど、このこと自体はしっかりと示さないと国民に改革を約束した手前にそこはしっかりしないといけない。


「でも、私で権力争いなんて起きますか??」

「確かに、王位に興味を示さずレンくんを支えるという立ち位置のマホちゃんが権力争いに絡むことは無いと思いますが、権力争いの流れ弾を喰らう可能性は非常に高いです」

「流れ弾ですか??」

「続きは、当事者でもあるレンくんに聞こうか」


(このまま最後まで、説明しきってくれても良かったけど、流石にそこは自分の口で言わないといけないか)


 マナとマホは、レンに向かって視線を送っている。


「マナの言う通り、マホが王位に興味を示さず僕に協力するって、立ち位置を維持をするなら権力争いに直接的に関わることは無いよ」

「じゃぁ、マナちゃんが言ってる流れ弾ってなに?」

「それはね、僕とシオンとの権力争いは起こる可能性が高いから、その争いの流れ弾を受ける可能性が高いんだよ。マホが僕の仕事を手伝うということは、仮に僕とシオンで権力争いが起こった際に、マホは僕側に付いているってことになる」


 マホは、そこまで言うとレンの言いたい事を理解したようで、マホ自身が解釈した内容をレンに伝える。


「なるほど……仮に、レンお兄様とシオンお兄様の間で権力争いは起こる可能性はあって……もし、権力争いが起こった際に、私はレンお兄様側として置いておきたいのでレンお兄様主導で、護衛も付けると??」


(凄いなぁ~そこまで理解しているのか……もしも、僕に何かあった時にはマホに後を頼みたい所)


「ごめんね、マホ。巻き込む形になって……」

「大丈夫です!レンお兄様。王家に産まれた人間として仕方のない運命だと思っています。それに私は、レンお兄様の事は、兄としても政治家としても尊敬していますし信頼しています」

「あれ?信用はされてないんだ!」

「レンお兄様が言ったんじゃないですか!信頼しても信用するなって!」

「確かに!」











 明後日になり、オレジアナ公国に出発する日になった。


 レンが身支度を整えた頃に、マナが部屋にやって来て挨拶を交わしてレンの部屋を出てマホの部屋に向かうと既に、サユリがマホの身支度を手伝っていたようだ。


 ちなみに、コノハはメンバー全員の出発準備を指揮している。


 そして、初めて国外に出るマホの準備はエリザが気を効かせてくれて、サユリを派遣してくれている。


 コン♪コン♪コン♪


 部屋の扉をノックして中からの返事を確認した後に、入ると既にマホは身支度を済ませていたようでサユリと共に、レンの到着を待っていたようだ。


「マホ!準備バッチリやん!」

「はい!レンお兄様のサポートが出来るように頑張りたいと思います!」


 今からそんなに気合を入れていて大丈夫かと思う程に気合が入っている。


(これは、馬車に乗って移動中に寝落ちするパターンだな)


 レンは心の中でそう思い、マナ・マホと共に部屋を出て王城の広間に向かう。


 そこには既に今回の移動で使う馬車が用意されていた。今回の馬車は、おおきな式典出席級に近いので二頭の馬で引っ張り六人が入れる馬車が二台用意されている。


「わぁ~~お!今回は、凄いねぇ~~マナ!」

「そりゃ、オレジアナ公国との正式な国交正常化という大きな出来事に向かう訳ですから他国の目もありますし、結構豪華になりますよ。ある意味、国家としての力を示すことになりますからね」

「なぁ~~今回は行くことでこれだけの準備が必要なんだから、迎える場合の準備には心が思いやられるよ……」

「しかも、今回はきゅ・う・に、決まりましたからね!」


 マナは、『急に』を非常に強く協調して発言した。


「わかってる!この本門に尽力してくれた人には適正なお給与支払うよ!働きには正当な賃金を支払わないとね!」

「レンくんのその言葉には、額面通りに受け取るなら皆、歓喜の声上げると思うけど、裏を見たら怖いね」

「そう見える?でもさぁ~マナのお給与もっと上げても良いと思うんだけど?今も、お給与から六十%以上孤児院に寄付してるでしょ?」

「別に私のお給与は上げなくてもいいよ。私は、レンくんの隣で働けるだけで十分やりがいあるから!」


 レンとマナが、二人の世界に入りかけていたが、マホに現実世界に戻された頃にトクヤがサユリに耳を引っ張って連れて来られていた。

 一応、現国王なのだから妻のメイドに耳を引っ張られるという何ともいたたまれない状態にレンはマホの目をそっと手で隠した。


「父上!自身の娘も居るんですからしっかりしてください!」


 トクヤは、レンの隣にマホが居ることに驚いている。


「おっおい……何で、シオンではなくマホが同行するんだ??」

「あなたのせいで、時間が大分押してるので中で話しましょう」


 レンたちは、馬車に乗るとオレジアナ公国に向けて出発した。


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