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114. 青い鳥

「ん?オレジアナ公国に正式に訪問する日程が決まった」


 レンは、コノハにそう告げると、マナに命じてメモ用紙を用意して返事をしたためる、


 開いたままの窓から口笛を吹いて、王国の伝書鳥を呼ぶ。オレジアナ公国は、黄色い鳥だった。ラインブルー王国は、国名にブルーという単語があるため、青い鳥が文書の伝書手段として使われている。


 レンは、メモ書きを足に付いている器具に入れて、オレジアナ公国に向けて離した。


「さぁ、父上を呼び出して準備させるかぁ~~コノハも手伝ってね??」


 コノハは、「ゆっくり出来るのは、まだ先か」と軽く愚痴を吐いて、仕事に取り掛かろうとしてくれた。











 レンは、トクヤの執務室に向かって三回ノックした後に返事を聞く前に入る。


「父上、入りま~す!」


 トクヤは、急に入って来たレンにビックリして読んでいた本を閉じた。


「なっなんだ!ノックをしたら返事を聞くまで、外で待ち……」

「はいは~い。うるさいうるさい~~!父上、明後日にはオレジアナ公国に向けて出発しますので今からコノハ監修の基、出国のための身辺の準備をして貰います」

「なっ!もう行くのか!?……そんなに早く」

「善は急げですよ……こういうことは、両国の気が変わらない内に調印を済ませるべきです……コノハ、後は任せた」

「了解!!」


 そういうと、レンはコノハに準備を任せてトクヤの執務室から出て次はサヨの基へ向かう。











 サヨは、法相を任されているので執務室を当てが割れている。


 コン♪コン♪コン♪


「サヨ~~!居ても居なくても入るぞ~~」


 トクヤの時と同様に、レンは部屋の主の返事を聞かずに入った。


「レン様は、相変わらずですねぇ~~。部屋の主の許可は取らないと!」

「あはは!さっき、父上にも言われたよ~~」

「所で、今回は何の用ですか?」


 レンは、先ほど急に決まったオレジアナ公国への正式な訪問に、トクヤを連れて行く事をサヨに伝えた。


「へぇ~~レン様が首相に就任後に、よく国外に行かれることが多かったですが、今回は陛下も連れて行かれるんですね」

「まぁ~~両国の国交が正式に正常化するからねぇ~~その条約の調印式には両国のトップが居ないと、相手国に失礼じゃん!」

「『平和条約』なら旧グリアナ帝国で調印したんじゃないですか?」

「それとは、別の条約を締結するために行くんだけどねぇ~~」

「へぇ~~それで、私に何をしろと??」


 ここで、レンはサヨにお願いしたいと思っていたことをサヨに伝える。


「今この場でさぁ『副首相』に、任命するからさぁ~~僕と父上が不在の間、国内の政治任せていい??」

「……レン様……そんな大事な事サラっと言わないでくださいよ!……っていうか私でいいんですか?」

「ん~~?サヨなら信頼して任せられると思ったからお願いしてんだけどなぁ~~?……少なからず、不正はしないでしょ??」

「そりゃ……不正したら一家物事取り潰されますからねぇ~~とある人物に!」

「おぉ~~なんだぁ~~誰かに向けての当てつけか??」

「さぁ?誰でしょうか??」


 レンにとって唯一と言ってもいい政界に居る同年代の同性ということもあって、サヨに対する信頼は厚い。サヨも、実家を出て政治の世界に入ったことかつレンが気さくに話しかけてくれるので、レンの事を信用している。

 まぁ、サヨを政治の政界に半ば強制的に導いた張本人は、レン自身なのだが、レンはそのことを忘れている可能性が高い。


「それでぇ~~お返事は??」

「……わかりました。そのお話お受けします。私が、国を乗っても文句言わないでくださいよ?」

「取れるもんなら、取ってみろ!」


 レンは、いたずら心を持ちながらサヨに笑いかける。


「ハハッ……レン様に楯突いたって、私には勝ち目有りませんよ。レン様に喧嘩売ろうなんて考えるのは、自意識過剰な馬鹿だけですよ」

「サヨくん……君も中々言うねぇ~~じゃ!よろしくねぇ~~」






 レンはそう言って、サヨの執務室から出てマホの部屋に向かった。


 コン♪コン♪コン♪


「はぁ~~い?」


 マホは、ノックに反応した。今度はレンは用件を伝えて、部屋に入る。今回は執務室ではなくプライベートルームであるので、相手の了承をしっかり得て入室する。


「マホ、久しぶり!」

「レンお兄様!!」


 マホは、レンの顔を確認すると嬉しそうな表情を見せて近寄って来た。


「レンお兄様が、帝国と戦争していると聞いて心配でした」

「ハハハ……心配かけたね。ごめん!ごめん!」


 政治家として才覚は、母親であるエリザ譲りな所を垣間見せているマホもまだ十歳。戦争という単語を聞いて、レンの身の安全を心配してくれていたようだ。


「所で、レンお兄様。今日はどういったご用件で??」

「そうだねぇ~~マホの顔を久しぶりに見たいと思ったのと、マホに政治の世界のお勉強をさせたいと思ってその提案をしに来た」

「政治のお勉強なら、レンお兄様のお仕事を手伝ったりして勉強させて貰ってますけど?」

「今回は、実際に現場で見学して貰おうかと思ってね!俗に言う、校外学習という奴です!」


 レンの校外学習ということにマホは強い興味を抱いたようで、レンに食い気味に質問してくる。


「レンお兄様、校外学習というこは王国の外に出るんですか??」

「そう!明後日に、オレジアナ公国と正式な国交正常化に向けて、オレジアナ公国に出発することになったね~~それにマホも付いて来て欲しいのだよ!!」

「えっ!私がですか!?」



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