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110. 王家の存在意義

「国民は、王国の王族・貴族に対する最大の監視人になるのさ!!」


 シオンは、レンの言った国民は王族・貴族に対する監視人の意味について理解出来ていない様子だった。


「シオン。多分だけどさぁ……君の周りにいる貴族の子息達は僕の教育改革は愚策だとシオンの耳にいれているんじゃないかな??」

「……そう言われました」

「何で、貴族連中は貴族・王族以外の国民に教育受けさせることを嫌がるのかな??」


 レンの質問に対してシオンは理由が解らないと言った表情だ。シオンの表情を見たレンは心の中で、「理由が解らない意見を信じるなよ」と、心の中で強く思った。

 










 そこから沈黙の時間が幾分か経過していたが、その状態を見かねたエリザが理由を語る。


「そりゃ~~自分のやっている不正がバレる可能性が高まるからね……それにもう一つ理由はあるなレン??」


 エリザが理由を言った。


 エリザの言った理由は、レンの思っていた通りだった。なおかつもう一つ大きな理由があることも察している様子だ。

 レンはエリザの血を濃くひいていて、シオンはトクヤの血を濃くひいていると言った言葉が似合う。


「流石ですね、そうですよ。もう一つの大事な理由があります。これを防ぐには教育が非常に大事になります」

「レンお兄様……それは何故ですか??」

「内戦の泥沼化を防ぐため」


 レンの中で『戦争』は起こらないことが一番だが、国民の生命に危機的状況が迫っていると感じた際には必要になると考えている。

 この前の、旧グリアナ帝国との戦争も、密偵(スパイ)の一件もあり王国内で内戦を起こそうと策略していたことを察したため、事前に手を打ったのだ。


 特に、起こしてはいけない戦争は『内戦』だとレンは考えている。


 内戦は、国内にて国民同士で戦争するので国土は荒廃するし、数多くの国民の命が失われて国力は大幅に低下する。

 それに、内戦の怖い所は内戦後に控えているのだ。


 内戦が均衡化したり、内戦後、国内は荒廃してしまったらどうしても他国にの支援を受けないといけなくなる。そうなれば、ラインブルー王国としての独立は保てなくなってしまう。

 一度、荒廃して他国の支援を受けてしまえば、独立は保っていても実質的には、支援を受けた国の傀儡国家と国際社会から見られる可能性が高くなる。


「教育と内戦……どんな関係があるのですか??」

「これはねぇ~~」


 レンが答えようとしたが、まだレンより政治の力はあると示したいと思ったエリザはレンに変わってシオンに説明しだした。


「シオン……レンは、教育を行うことで国民にどんな役割を期待していると言った??」

「王族・貴族の不正の監視役です」

「だよな。国民が知識を付けて政治を行う王族・貴族が不正をしているとわかったらどうなるかな?」

「怒ります」


 政治家(貴族・王族)が不正をすれば、国民は怒り責任を取るよう求めて来るのは当然の出来事だ。そのことに関しては、まだ優しい方だとレンは考える。

 本当に怖いのは、無知の国民が政治家(貴族・王族)にキレた時だ。


「そしたら、反乱がおきた地域を治めていた領主は能力が無いことが発覚するだろ?そして、能力が無い領主は反乱を鎮圧出来ない……そもそも有能な領主は、反乱が起きるような統治はしない」

「あの、母上理解できません。教育してもしなくても反乱が起こるなら意味が……」


 ここで、エリザが国民の反乱の怖さがどれほどなのかと告げる。


「教育をしっかり行い国民の道徳心を育てていれば、デモ段階で対応することも可能だが教育を行わず政治家(貴族・王族)の不正が行く所まで行ってお腹が空いた国民が反乱を起こしたらそれはデモじゃなくて、武力での反乱……しかも、バックにはどこかしらの国が居る……そうなれば、国家としての機能は完全に崩壊する」


 エリザはレンが言いたかったことをそっくりそのままシオンに言った。


 その様子に、レンはエリザがシオンに何か伝えたがっているのを感じ取った。そして、レンは王家の存在意義についてシオンに伝える。


「僕はね、王家の存在意義は国民に必要とされているかどうかだと思う。だからこそ、王家が国民に必要とされ続けるためには国民のための政治をし続ける必要がある」


 レンもシオンに伝えたい事を伝えて、続いて警告を発した。


「シオン。今回君は、自分の周りの人間が進言してきたことの理由を解らずに反対していたよな??それは、自分自身の首を絞めることになるから、自分で理解出来ない進言は信じるな……もし、それ信じて愚行を行ったら……僕は一切の容赦せずに処分するからね??」


 レンからの警告に、シオンは腰を抜かして恐怖の顔を浮かべながら別邸から逃げるように出て行った。











 シオンが別邸から出た後に、レンはエリザと話し出した。


「……母上。もし、シオンが愚行を行った場合は問答無用で処分しますので……覚悟はしておいた方がよろしいかと」

「仕方がないことだと思う。政治家たるもの身内には容赦したらダメだからね」


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