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11.うつけの沙汰①!

「レンくん…いよいよだね…」

「父上の見習いになって,早速人を裁くはめになるとは…でも,この王国の人の裁き方()()()()気もするな…」

「おかしいの…?王国を導く,王家が,直接裁くのは,普通のことじゃないの…??」

「まぁ…詳しい話は,また今度話そうかぁ~!!」


 僕は,大広間に向かう廊下で,疑問に思っていたことをマナに話した。

 

しかし,僕が覚えていた違和感は,王国内では,普通のことだったようだ。これは,マナと徹底的に論争する必要がありそうだ。


大広間に着いた。


入口に立っている兵士は,僕たちの存在に気付くと入口を開けてくれる。


「レン第一王子入られます!」


 大広間に入る。大広間の真ん中の絨毯から見て左に,今回裁く対象である。マテオとオーティズ公爵が居る。マテオは,怯えた表情。オーティズ公爵は,余裕?な表情を見せている。


 オーティズ公爵の,表情を見るに,子ども二人が戸籍から外されても痛くも痒くもないと思っているのか…?自身は,罪に問われないとでも思っているのか…?二人を,オーティズ公爵から離したことは,()()だったと思った。


 絨毯を挟んで,右側には,他の貴族家が居る。通常は,王都に近い領土を治めている貴族家しか集まらないが、今回は,第一王子の僕が裁きを下すことになっていることもあるのか…はたまた,第一王子の裁量を見に来たのか,王都より外れた貴族家も訪れている。


 ちなみに,秘書官任命式に居た貴族家も居る。今回訪れることが出来ない,貴族家も領地で,通信機を使い傍聴している。


 僕は,玉座に向かって右側に座った。


「国王陛下と王妃様入られます!」


 父上と母上が,大広間に入り…玉座に父上。玉座の左側に,母上が座る。


ヒノカ宰相が,今回の議題について話し始める。


「今回は,秘書官任命式の場での一件に関しての裁判である…裁きは,陛下より第一王子のレン様に一任されております…陛下一言お願いします」

「本日は,我が息子…レンの門出を貶した両名に対しての裁判を行う…!裁きに関しては,我が息子レンに一任している…皆の者,心して聞くように!」

「「「ははっ!」」」


 父上の言葉に,貴族家の人たちは皆頭を下げる。


「では,レン王子…よろしくお願いします…」


 僕は,ヒノカ宰相の呼びかけに,立ち上がり椅子から立ち上がり玉座と大広間の間にある五段程度の階段に座った。


「ヒノカ宰相…()()()()()は,居ますか…?」

「はい…来ております…」

「じゃ,サヨ!僕の隣に来て!それに,リーヴァンも!」


 僕は,サヨとリーヴァンを隣に呼び寄せた。


「「なんでしょう?王子?」」

「サヨ…手筈は,わかっているな…?」

「はい…!」

「リーヴァン…リーナに合図を送れ…抜かりないようにと…」

「かしこまりました…」


 僕は,サヨとリーヴァンに指示を出し,本題に入る。


「では,裁きに入る前に,サヨ副宰相…説明お願いしますッ!」


 僕の号令で,サヨ副宰相が話し始める。


「今回,レン第一王子が()()()()()()()()あります…私が読み上げた順に,裁きをして頂きたいと思います…レン王子いいですね…??」

「それで,いいよ~よろしく~!!」


 サヨの進行で,裁判が進んでいく。


「まず一件目,兵士マテオが当時レン王子の招待客マナ=リグレットに斬りかかった件についてだ…マテオ移動せよ…」


 マテオが,大広間中央の絨毯の上に移動し頭を下げる。


「では,レン王子裁きをお願いします」


 僕は,階段から立ち上がり,裁きを告げようとする。


 今もオーティズ公爵は()()()()()()をしている。ん?誰かとアイコンタクトしているな…目線の先は…()()()()()()()か~なるほどねぇ…イーディス法相が上げてきたこの裁きの内容…さては,()()()()()()


 まぁ,僕はこの法律無視のイーディス法相が上げた判決文何て興味ないけどね…僕は,裁きを伝える。


「マテオ被告が,当時僕の招待客だったマナに斬りかかったことに関しては事実……だが,それは,当時彼の主人であったオーティズ公爵家からの命令で動いたもの…」


 イーディス法相が,僕に寄こしてきた判決文にはマテオは死罪となっていた。イーディス法相とオーティズ公爵は,僕の想定外の行動に,()()()()をしている…


 許さねぇよ…なんの罪の無い(ひと)たちを…己の私利私欲のために殺してきたこと…絶対に,許さない…


「そして…僕の秘書官リーナの調べでオーティズ公爵は,兵士の家族を()()()()()()()()ことが判明しました…つまり,マテオは自身の家族の命を盾に命令され致し方なく今回の愚業を行ってしまったということです…!」


 すると,オーティズ公爵は,声を荒げた!


「でたらめ言うな!そんな証拠どこにある!!」


 ここで,僕は昨日デリエスとメイと話したことについて二人に父親に()()()()()()()()()()()()()これは,話していいと言われたことを話す。


「昨日…あなたのお子さんであるデリエスとメイに会い話を聞きました…そこで,今回の人質の件が判明しました…」

「でっでっち上げだ!」

「ちなみに,今リーナが,お前の屋敷を家宅捜索している…いずれ証拠がでてくると思うぞ??」


 ここで,リーヴァンが大広間に入ってきてリーナからの通信が入ったことを伝える。


 その通信を大広間に写した。


「レン王子…オーティズ公爵家の屋敷に捜索に入った所…牢屋に女・子どもが()()()()()()()()()…写真で見せて頂いたマテオの妻子もいます…!」

「パパ!」「あなた…!」


 オーティズ公爵は,()()()()()をしている…


「決定的証拠が出てきましたね…この通り,今回のマテオ被告の愚業は大切な妻子を人質に取られていたが為の犯行…犯行責任はマテオ被告でなく,オーティズ公爵にある…よって,マテオ被告は…()()とする…!!」


 僕の判決に,オーティズ公爵とイーディス法相は,焦った表情をしている……


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