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109. 監視人

16:00頃 107. レンとシオン と 18:30頃 108. 判断材料 投稿しています。


まだ、読んでいない方はそちらからどうぞ!!

「しかし、レンお兄様。その投資して育てた人材に王族が滅ぼされたりしたらどうするんですか!」


 シオンが言ってきたのは、レンが危惧していた所だ。ここだけ、素早く反応するシオンにレンは少し呆れている。

 シオンは、知らないが俺たち一家は、ラインブルー王国の王家の直系の血筋の王族ではないのだけどね。そのことが国民にバレれば、王位剥奪の蛮族というレッテルが張られてしまうだろう。

 これまで王国が行っていた政策に関しては、ラインブルー家が必死にそのことを国民に知られたくなかったということが政権を握って年数が経過するにつれて顕著になっていた。


 しかし、ラインブルー家が王国の政権を握った理由には正当性はあるが、それを証明するだけの情報がない。











 レンはこのことはまだ、シオンに話すべきではないと判断した。


「確かにね。国民を教育して知識を身に付ければ、王家の存在意義は薄れていくだろうね」

「だったら何故、国民を育てるんですか!」


 ここで、政治家ではなく王政を敷いている国の王族としては重要なことをレンはシオンに問い掛ける。


「シオンさぁ~~口開けば、『王族の存続』『王族の存続』『王族の存続』って繰り返すよね??……何で??」


 レンの問い掛けに、シオンは答えられずに黙り込む。


 そりゃ、答えられないだろう。理由なんてないんだろう。一時期だが貴族学校に通っていたシオンは、そこで自身に都合の良い事を言ってくる貴族のご子息連中に言われた事を鵜呑みにしたからだろう。


 一向に、口を開かないシオンに、痺れを切らしたレンは質問の仕方を変えて畳みかける。


「ねぇ、シオン。ここからの質問には『はい』か『いいえ』で答えて」

「わかりました」


 ここから、レンの怒涛の質問攻めが始まる。


「シオンは、王国の存続は必要だと思う?」

「はい」

「王族の存続は必要だと思う?」

「はい」


 ここまでは、シオンの政策の考えならスラスラと『はい』と答えることをレンは予想していた。


 続いて、レンはシオンなら答えにくいであろう質問を投げかける。


「王家が存続するためなら、国民の命がいくら失おうと構わない?」

「いいえ」

「王族の命は、国民の命より重い?」

「……」


 シオンは答えられずに、黙り込んでしまった。


「ねぇ、シオン。『はい』か『いいえ』で答えてよ」

「……」


 シオンは、『はい』か『いいえ』という簡単な二択の答えに詰まっている。


 それは、そうだろう。











 ここまでレンの質問に対するシオンの回答を聞いていたエリザは、最後の質問をレンがシオンにしたとき「これは、シオンは答えられない」っと感じ取っていたが、実際そうなった。


 レンの一つ目と二つ目の質問の王国の存続と王家の存続の質問に『はい』と答えた。そして三つ目の質問で王家存続のためなら国民の命は無駄になっても構わないかという質問に『いいえ』と答えた。

 その時点で、四つ目の質問である王族の命は国民より重いという質問に『いいえ』と答えたら、先の二つの質問に矛盾してしまって一貫性がなくなるのだ。


 王国と王家の存続が大事と言うことは、実質的に王家の命が国民の命より重いと主張していると囚われてもおかしくないのだ。

 それに、レンは身分差別を嫌い王族は身分差別的発言をした際には、容赦なく罰した実績があるレンを目の前にしたら答えられなくなるのは、当然だ。






 流石に、シオンが可愛そうに思いエリザは助け船を出してあげることにした。


「レン!……そこまでにしてやってくれ」

「……わかりました」


 レンは、エリザからの要請を受諾しシオンへの問い掛けを辞めた。それを確認したエリザはレンがシオンにしたと同じ質問をレンに行った。


「レン。……王国の存続は必要だと思う?」

「いいえ」

「王族の存続は必要だと思う?」

「いいえ」

「王家が存続するためなら、国民の命がいくら失おうと構わない?」

「いいえ」

「国民の命は王族の命より重い?」

「はい」


 最後は、エリザの意地悪も入っていたがレンは引っ掛かること無く答えた。


「母上……最後の質問は意地悪ですよ。まぁ、国民は国家の宝ですからね。たかが、王族の命より重いのは当然ですよ」

「あはは!引っ掛かってくれれば面白かったけど……流石だね」

「政治家たるもの相手の発言はしっかり聞かないと、国家にとって不利益が起こりますからね」


 レンとエリザの駆け引きに呑まれかけていたシオンに対してエリザは「レンの答えに対して質問はあるか?」と聞いて来たので、シオンはレンに質問を投げかける。


「レンお兄様は、王家の存続はどうでもいいと」

「うん。どうでもいいね。王家の存続のための政策する気なんてさらさら無いし」

「それは、なぜですか?」

「王家存続のための政策で国民は食えるの?楽しく生活できるの?安全に暮らせるの?」

「では、教育改革をする理由も……」

「そうだよ!国民全てが、知識を身に付ければ国家は発展して国民の生活レベルは向上して豊かになる。そして、これまで不正を行ってきた貴族連中は、不正を出来なくなる」






 ラインブルー王国内で、長年貴族が不正を行っていたが国民は、何も出来なかった。それは、国民に知識が無いからだ。

 国民が知識を身に付ければ、国家の運営は安定することが予想される。


「国民は、王国の王族・貴族に対する最大の監視人になるのさ!!」


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執筆が捗り、今日は3話投稿出来ました!


また、執筆が捗った際には出来たらいいなぁと思っています!(^^)!

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