10.うつけの準備!
本日は,大広間の騒動の一件の沙汰を伝える日となった。今回の騒動の沙汰に,関しては現国王の父上並びに法相により,第一王子である僕に一任されている。
我が,王国は,罪人への沙汰は,王城内にある通信機を使い王国内に配信されることになっている。
「はぁ~~!」
大きな欠伸をした…今日のことを考えると,緊張してしまって寝れなかった…沙汰の内容は,決定しているが僕の一言で,人の運命が変わるとなると責任感は半端ない…
前世の日本では,裁判員裁判で一般人が,裁判に参加することがあるが,裁判員に選ばれた人たちは,同じ気持ちだったのかな?
コン♪コン♪
「レン様…マナ様が,お着きになりました…起きていますか?」
「コノハ…起きてるよ…マナを入れて~!!」
「かしこまりました…!」
部屋の扉が,開きマナが入ってくる。相変わらず可愛い猫耳だぁ!
「マナ~おはよう~!」
「おはよう!レンくん!随分,眠そうだね…」
「眠い…なので…とりゃ!」
「あわわ…レンくん??辞めてぇ~!!」
「ヤダ!」
僕は,マナの猫耳を触って遊ぶ。耳を触られたマナの反応は,大変可愛い!イタズラ心が,ざわめいた僕はマナの尻尾を触った。
「んぎぃ~~~!!」
マナは,言葉にならない悲鳴を上げた。尻尾を触った時の,マナの反応はやっぱり癒しになる!ただし…尻尾を触った後のマナは,お怒りモードになるのがちょっと…怖いけど…それもいい!
流石に,そろそろ辞めてあげないとマナが,機能不全になってしまう…
「はぁ~はぁ~…」
「大丈夫?マナ??」
「……レンくん~~??」
あっ!少し,やり過ぎたかな…
「耳は,人前じゃなければ大丈夫だけど…尻尾は!!」
「ごめん!ごめん!だって…マナが可愛いのが悪い!!」
「何それ…これからは,尻尾触る時は,許可取って!!急に触られるのは,心臓に悪い…」
「許可とればいいんだね??尻尾触った!」
「それは,事後報告…」
マナとのじゃれつきもあり,眠気は覚めた!ありがとう!マナ!
マナが,今日の流れを伝えてくれる。
「レンくん!今日は,お昼過ぎに沙汰を伝える裁判が行われる」
「うん…!リーナは?」
「リーナは,レンくんの命どおり国軍を率いて,オーティズ公爵家の屋敷に向かっていて,予定通り昼前には到着するそうです」
「リーナのことだから,寄り道すると思ってたけど…」
「レンくんの命だから,真面目に向かったんじゃないんですか…?」
「僕なら…父上の命令でも寄り道するけどなぁ~~笑」
「レンくんなら…やりかねないね…」
コン♪コン♪
「レン様…朝食の準備が出来ました…食堂までお越しください!」
「は~い!マナ,朝食食べた?」
「まだ,食べてない…」
「じゃ!一緒に朝食食べよう!」
「うん!」
僕は,マナと一緒に食堂に行き。マナと朝食を共にして,父上の執務室にマナと向かい仕事をする。
父上は,今日のことについて尋ねてきた。
「レン…二人の処遇決めたか…?」
「決まっています…父上!」
「そうか…王族としてするべきこと…するんだぞ!」
「かしこまりました…!父上も,覚悟決めておいてくださいね…!」
「何のことだ??」
「いずれすぐ…わかりますよ…」
僕は,父上にわからないように,笑みを浮かべて執務室を後にする。すると,リーヴァンがリーナ率いる国軍が,オーティズ公爵家の屋敷付近に到着したことを伝えてくれた。
「どこに,待機してるって?」
「予め,予定していた場所と…」
「了解…!合図をしたら…」
「わかりました…」
僕は,自室に戻り今後のスケジュールをマナと確認する。
今は,父上の見習いとして,働いている。
王国には,国に治めて貰う税は,二種類ある。一つ目は,お金をはらう税金。二つ目は,今回僕が担当することになった年貢だ。
もちろん,領土ごとに治める税率は変わってくる…農村地域は,年貢だけを収めて貰い,商業地域なら,お金を収めて貰ったり,地域ごとに変えていたりしている。
今回,父上から任された仕事は,それそれの,貴族が治める領地から国に治めてもらう年貢を定める仕事だ。
通年は,それぞれの領主である,貴族の報告により決定しているが,この王国の貴族連中には,不正が萬栄している…
今年,治めることが出来る年貢量を正しく報告している貴族家は,ほんの一部だろう…
今回,僕は公務として,リーナと手分けをして各貴族領へ訪問することにした。今は,マナと共に,父上に提出する書類の最終確認をしている。
「やっと終わった~~!」
「はい!後は,陛下に提出して了承頂くだけですね…!」
「そう!」
「でも…本当に,了承頂けますでしょうか…?」
「マナ!今の,父上の立場どうなってると思う?」
「う~ん?レンくんの秘書官任命の際に,王国法に違反して~あっ!結構,微妙な立ち位置だね…」
「そう!更に,この後のことで更に,僕の言い事を無下に出来なくなると思うよ!!」
マナと話していると,リーヴァンに呼ばれた。気づけば,二人の処罰を伝える時間になっていたようだ。僕とマナは,部屋を出て大広間に向かうのであった……




