ピーチスモークV2
0:ーーーピーチスモークV2ーーー
登場人物:
赤瀬:あかせ。高校生。ツッコミ。〇〇を兼役。
椎名:しいな。高校生。ぼけ。△△を兼役
伊村:いむら。高校生。ぼけ。□□を兼役
南:みなみ。高校生。ぼけ。安田を兼役
木戸:きど。高校生。ぼけ。◎◎を兼役。
:
赤瀬:「ピーチスモーク」
0:場面転換
赤瀬:「・・・ん・・・どこだここ・・・」
赤瀬:(N)「俺は赤瀬。どこにでも居るごくごく普通の高校生。
赤瀬:目が覚めるとそこは見知らぬ天井だった」
椎名:「やあ赤瀬、起きたかい」
伊村:「やっと起きたか赤瀬」
木戸:「よお赤瀬、おはよう」
南:「おっす赤瀬、元気か」
赤瀬:「きっ、君たちはっ!俺の同級生で友達の椎名と伊村と木戸と南!」
椎名:「しかしここはどこだろうね」
赤瀬:「なんだお前らも知らないのか」
木戸:「目が覚めたらここに居た」
南:「しかし真っ暗だな・・・」
赤瀬:「うーん。あ、なんか手紙がある」
伊村:「ちょ読んでみ」
赤瀬:「おけ。えーっと
赤瀬:「おはようございます、赤瀬さん、椎名さん、伊村さん、木戸さん、南さん」。」
木戸:「おはようございます」
南:「うっす」
赤瀬:「文字汚ぇな・・・えっと
赤瀬:「君たちは・・・」
赤瀬:・・・え?」
伊村:「ん?どうした赤瀬」
椎名:「早く続き読んでよ」
赤瀬:「・・・君たちはピーチスモークから降板される事が決定しました・・・だって」
0:全員驚く
南:「どういう事だ!」
木戸:「そもそも降板ってなんだ!」
伊村:「何だってこんなことに!」
赤瀬:「・・・理由は・・・俺たちがただの高校生だから・・・らしい」
椎名:「は?」
伊村:「そこがいいんだろわかってねぇなまじで」
赤瀬:「物語の主役はいつの時代も派手で個性的なキャラクタであり、あなた達はそれに属さない。
赤瀬:超能力も使えないし、劇的なドラマもない」
椎名:「うわぁ」
木戸:「ただの高校生にそんなこと期待されてもなぁ・・・」
南:「漫画じゃねぇんだぞって話だよな」
木戸:「それ」
赤瀬:「君たちの降板に当たって、特別な方々から卒業の花束をお渡しします・・・・・?」
木戸:「まじじゃん」
椎名:「特別な方々って誰だろう」
〇〇:「どうも、赤瀬役の〇〇(キャス名)です。」
南:「は!?」
赤瀬:「どういう事だ!」
△△:「えー、はい。椎名役の△△です」
赤瀬:「おいおい声一緒だな分かんなくなる」
椎名:「しかしまぁ・・・どうも不思議な感覚だね」
□□:「伊村役の□□です」
木戸:「伊村の分身まで出てきたぞ」
南:「どういうことだってばよ!」
◎◎:「木戸役の◎◎です」
赤瀬:「全員分あんのかこれ」
木戸:「おぉ、たしかに不思議な感覚だ」
椎名:「でしょ」
木戸:「おう」
安田:「どうも、安田です」
赤瀬:「誰だ!」
0:間
南:「俺!?余ってるメンツ的に俺の声当ててるやつこいつなの!?安田なの!?」
木戸:「はは(笑)」
南:「笑ってんなよ!」
伊村:「赤瀬以外がツッコミしてんの珍しいな」
椎名:「そうだねぇ」
赤瀬:「そういうこと言うな」
△△:「皆さん、今日までお疲れ様でした」
伊村:「花束渡してきてる!すごい押し付けてくるぞこいつら!」
〇〇:「お疲れ様です」
椎名:「くっ、意地でも降板させる気みたいだ」
◎◎:「ほら、受け取って」
赤瀬:「声だけだから混乱する!何がどうなってるんだ!」
安田:「お疲れ様っす」
木戸:「え・・・?あぁ、南の」
南:「だから誰だよ!俺の担当どこ行った!」
赤瀬:「一体・・・なにがどうなってるんだーーーーー!!!」
0:場面転換 教室
赤瀬:「ああああああっ!」
0:一同驚く
椎名:「びっ・・・くりしたぁ・・・なんだい赤瀬、急に叫んで」
伊村:「はは、悪い夢でも見てたか」
木戸:「昼休みだし好きにしてやれよ」
南:「だな」
0:間
赤瀬:「夢かよ!!!」
0:場面転換
椎名:「ピーチスモークはご覧のスポンサーの提供でお送りぽんぽんぽんぽーんっ!」
赤瀬:「おぉおぉやるなら真面目にやれ」
伊村:「ぺろぺろ〜んとお送りします」
赤瀬:「ぺろぺろ〜んとすんな!」
0:場面転換
椎名:「(欠伸)・・・眠い。どうして冬の朝ってこうも眠いんだ・・・ろっ!?」
0:椎名はつまづいて転ける
椎名:「っ・・・」
椎名:(N)「恥ずかし〜〜!朝っぱらからコケるの恥ずかし〜!特に何も無い所で転けるって言うのが最高に恥ずかし〜!」
伊村:「あ」
椎名:(N)「伊村・・・!まずい、手を差し伸べようと近づいてくる・・・!いい、いいよ来なくて!」
伊村:(N)「なぁんで思ってんだろうなぁ。馬鹿め、ひとりじゃ恥ずかしいだろ
伊村:強がん・・・なっ!?」
0:伊村は地面に足を取られて転ける
伊村:「っっ・・・!」
椎名:「・・・」
伊村:「・・・」
木戸:「お」
椎名:(N)「木戸〜!なんてタイミングで来るんだ君は!」
伊村:(N)「来るな!来なくていい!俺ら慣れてるから!こういうの慣れてるから!そのまま振り向かずに登校しろ!」
木戸:(N)「なぁんて思ってんだろうなぁ。馬鹿め、ちゃんと赤信号、みんなで渡れば怖くない。だ」
0:木戸はわざと足を滑らせる
椎名:(N)「木戸ーー!?」
伊村:(N)「どういう気の使い方だよ!」
木戸:(N)「やれやれ」
0:木戸は思ったより激しく転け、頭を強打する
木戸:「あがっ!」
椎名:「・・・」
伊村:「・・・」
木戸:「〜〜〜・・・ッ!」
南:「あ」
椎名:(N)「南ぃ!来んな!もうマジで来んな!頼む!」
伊村:(N)「木戸を見たら分かるだろ!みんなで転けてもひとりで転けても恥ずかしいんだよ!」
木戸:(N)「いたぁい!あたまいたぁい!救急車よんでねっ!よぼうねっ!いたぁあい!」
南:「・・・」
0:南はそのまま進行方向へ進む
椎名:(N)「よぉ〜しそれでいいんだ南!」
伊村:(N)「あとは何故か瀕死の木戸を助けて何食わぬ顔で登校する!必ず追いつく!」
木戸:(N)「そうだ、南。お前まで恥をかくことはない。俺のこの頭痛はお前が今後平穏に生きる糧にしろ」
0:南は何も無い所で普通に転ける
南:「っ・・・!」
椎名:(N)「なにやってんだ南〜〜!!」
伊村:(N)「馬鹿!」
木戸:(N)「愚図!」
南:「・・・」
赤瀬:「・・・お前らなにやってんの?」
0:間
南:「それは言っちゃいけねぇだろおまえ!!!!」
椎名:「だーから空気読めないんだよ君はァ!」
伊村:「ぼけ!かす!」
木戸:「しね!」
赤瀬:「なんでぇ!?」
0:場面転換
木戸:「ピーチスモークはご覧のスポンサーの提供で」
南:「あぁそれもう椎名と伊村がやったらしいぞ」
木戸:「あぁ、そうなの?」
南:「おう」
木戸:「・・・」
南:「・・・」
木戸:「ピーチスモークはご覧のスポンサーの提供でぅぉぉああ哀れみの〜瞳でぼくをみないで〜」
南:「お送りします。」
0:場面転換 校舎裏
椎名:「弁当箱の歌ってあるじゃん」
伊村:「あぁ、これっくらいのってやつな」
赤瀬:「懐かしいな」
椎名:「あれさぁ、どう思う?」
赤瀬:「え?」
伊村:「どうって・・・そりゃねぇだろ。」
赤瀬:「え?」
椎名:「だよねぇ。内容覚えてる?」
伊村:「おにぎり2つにごま塩かけた刻み生姜。人参さんにレンコンさん、さくらんぼさんとしいたけさん。最後に筋の通ったふき」
赤瀬:「よく覚えてんなお前」
椎名:「・・・はぁ・・・」
伊村:「・・・流石にねぇよなぁ。」
赤瀬:「まぁ確かにおかずとしてのレパートリーは終わってるけど」
椎名:「おにぎりと生姜はいいよ。最初ふたつだからさ」
伊村:「そうだな。流れ的にってやつだ」
赤瀬:「なにが?」
伊村:「なぁんで筋の通ったふきだけ呼び捨てなんだよ!」
椎名:「さんをつけろよデコ助野郎!」
赤瀬:「どこに怒ってんの!?」
0:場面転換
椎名:「ピーチ!」
赤瀬:「ス!」
南:「モーク!」
0:場面転換 河原
0:ファミチキを食べる木戸、漫画を読む南
木戸:「・・・ファミチキうめぇな」
南:「そうか」
木戸:「・・・野球部の吉田がさ」
南:「おう」
木戸:「隣のクラスのミカちゃんに振られたらしいよ」
南:「まじか」
木戸:「そんでさ」
南:「おう」
木戸:「振られた理由が坊主だからなんだって」
南:「やべぇな」
木戸:「やべぇよな」
南:「髪の毛あって良かった」
木戸:「別にあいつらも無いわけじゃねぇだろ」
南:「あぁ、そっか」
木戸:「うん」
南:「・・・」
木戸:「・・・」
0:河原の向こう側でキャッチボールをする赤瀬と椎名と伊村
木戸:「・・・」
南:「ところでさ」
木戸:「おう」
南:「アホの子って、良くね?」
木戸:「そりゃお前・・・アリだな」
南:「だろうが」
木戸:「でもアホの子より不憫な子の方が好きだね俺は」
南:(漫画を置く)「・・・それやべぇな」
木戸:「だろ」
南:「じゃあアレ、ご飯沢山食べる子は?」
木戸:「そりゃお前・・・」
南:「ほうほう」
木戸:「次、清楚な子」
南:「そりゃお前・・・」
木戸:「うんうん」
南:「次、病弱な子」
木戸:「そりゃお前・・・」
南:「はいはい」
木戸:「・・・えー、議論の結果」
南:「一番燃えるタイプの子は」
木戸:「意味の分からんボケに四六時中振り回されるツッコミ役だ」
南:「だな。くそアツい。」
0:河原の向こうで二人の会話を聞く三人
伊村:「おい、椎名」
椎名:「うん、伊村」
伊村:「あれは・・・」
赤瀬:「いや、いねぇだろ。そんな奴」
椎名:(同時に)「ぇぇぇ・・・」
伊村:(同時に)「ぇぇぇ・・・」
0:場面転換
赤瀬:「ピーチ!」
南:「・・・」
木戸:「・・・」
赤瀬:「続けよ!」
南:「・・・はぁ。」
木戸:「すもーく」
赤瀬:「やる気出せや!」
0:場面転換
0:赤瀬の家
椎名:「・・・暇だねぇ、赤瀬の家ってなんも無いし」
南:「暇だなぁ、赤瀬の家って何も無いし」
赤瀬:「帰れ」
伊村:「お前らなぁ」
椎名:「なんだい伊村、急に立ち上がって」
伊村:「いいか!花の高校生だ!なのになんでこんな家にたむろしてんだ!」
赤瀬:「こんな家って言うな」
南:「そうは言ってもよぉ」
椎名:「何か策でもあんの?」
伊村:「・・・」
赤瀬:「ねぇのかよ、座れよもう。」
伊村:「この状況を打破する方法はないが・・・ひとつ、ただならぬ情報を手に入れた」
南:「へぇ〜なになに」
椎名:「ただならぬって随分と大きく出たね」
伊村:「・・・木戸が、今、女とファミレスで飯食ってるらしい」
南:「・・・あ?」
椎名:「それは・・・やっちゃダメだね。」
赤瀬:「え?」
伊村:「あいつはぁ!俺たちを裏切った!俺はアイツのこと友達だと思ってた!でも違った!」
南:「やってくれたなどん百姓!」
赤瀬:「そんな怒る?」
椎名:「今すぐ行こう、そのファミレスに」
赤瀬:「え、まじで?」
伊村:「当たり前だ!行くぞカス共!」
赤瀬:「いや・・・やめとけって・・・」
0:場面転換 ファミレス
椎名:「という訳で着いたけど・・・」
伊村:「・・・いやがるな。木戸」
赤瀬:「そりゃ居るだろ。」
南:「伊村、もうあいつは木戸じゃない。裏切り者だ」
赤瀬:「そこまで言ってやんなよ」
木戸:「いやそれでさぁ〜!うんうん、え、まじで?ははっ!」
南:「「ははっ」じゃねぇんだよぼけ!」
伊村:「死に晒せ!」
赤瀬:「物騒だなぁこの人ら」
椎名:「くっ、こうしちゃいられない!」
伊村:「まて椎名!動くな!」
椎名:「え?」
木戸:「ん・・・?あ、すまん。ちょっとまってて」
赤瀬:「おいこっち来るぞ、どうすんだよお前ら」
南:「く、くぅ〜!逃げるしか!」
椎名:「ごめん!僕のせいで!」
伊村:「謝罪はあとだ!今は逃げるぞ!」
木戸:「おーお前ら、何してんだよこんな所で」
全員:「あ」
木戸:「あ、せっかくだしお前らも飯食ってこーぜ。どうせ昼飯まだだろ?」
伊村:「・・・あ、あはは、うん。いやでもほら、ちょっと、さ?なぁ南?」
南:「ん!んほぉおお!うん!そうそう、なぁ椎名?」
椎名:「わんわん!わんわん!」
赤瀬:「おぉおぉどうしたお前ら」
木戸:「ほら早く入れって、寒いだろ」
南:「あっ!ちょ待っ!」
木戸:「ってなわけで、こいつらが俺の同級生。こいつが赤瀬」
赤瀬:「あ、どうも」
木戸:「こっちが伊村」
伊村:「うっす・・・」
木戸:「こいつは椎名」
椎名:「ども・・・」
木戸:「んでこいつが南」
南:「・・・っす」
赤瀬:「敵意隠せよ」
木戸:「いやぁ〜そんでこいつらもほんと面白くてさぁ!そうそうこの前話してたうんぬんかんぬん」
伊村:「・・・」
赤瀬:「・・・」
椎名:「・・・」
南:「・・・」
伊村:(N)「なんなんだこいつはよぉおお!?」
椎名:(N)「ふざけんのも大概にしやがれ!」
南:(N)「そんなに彼女自慢したい!?なぁ!それで気持ちいいかよてめぇは!」
赤瀬:(N)「・・・待てお前ら」
伊村:(N)「あ?なんだよ」
赤瀬:(N)「木戸の彼女さん・・・すっげぇこっち睨んでね?」
伊村:(N)「へ?」
南:(N)「・・・うわぁ〜まじだ、すげぇ形相してる。鬼だ鬼。殺されそう」
椎名:(N)「なるほど・・・大好きな彼ピッピとの時間邪魔されて怒ってるってか・・・」
赤瀬:(N)「いやまじですげぇ睨んでるって、帰ろう?」
椎名:(N)「そ、そうしよっか」
木戸:「お?お前らどうしたんだよ」
南:「いやぁほら、そろそろ、な?あんまり、ほら、な?分かるだろ?」
木戸:「ん?あぁそうだデザート食おうぜ、ここのパフェ美味いんだ」
南:(N)「ぼけ木戸ぼけ〜〜!」
赤瀬:(N)「おい彼女さんまた激しく睨んでっぞ!やべぇって!」
伊村:「いや俺らあんま甘いもの得意じゃねぇし、なんなら嫌いだしまじで」
椎名:「そうそうそうそうそう、だからほら、ね?赤瀬も、ね?」
赤瀬:「そ、そうだな。うん。甘いもの嫌いだわ。」
木戸:「何言ってんだよ、椎名は一昨日一緒に隣町のスイーツ食いに行ったじゃん。」
伊村:(N)「椎名ああああ!?」
南:(N)「なにしてんだカス!椎名カス!」
椎名:(N)「すまん!」
木戸:「そういやあそこの店員さんまじで可愛かったよなぁ。」
赤瀬:(N)「何言ってんの木戸!?お前いま目の前に彼女居るじゃん!」
伊村:(N)「馬鹿なのかなぁ!?馬鹿なんだろうなぁ!」
南:(N)「完全にイカれてる!」
椎名:(N)「でも確かに可愛かった!」
南:(N)「よかったねカス!」
木戸:「でもわりぃ椎名、俺抜け駆けしてインスタ交換しちゃった」
伊村:(N)「おいおいおいおい」
南:(N)「まじかこいつ、やべぇなまじで、脳回路焼き切れたか」
椎名:(N)「正気の沙汰じゃない!彼女さんの眉間のシワがより一層深くなっていってるよ!」
赤瀬:「いや・・・ほら、木戸?そういう話さ、あんま彼女さんの前でするもんじゃあ・・・」
伊村:(N)「言ったァ!!英雄だ赤瀬!お前は俺らの英雄だよ!」
南:(N)「ちゅき!赤瀬たんちゅき!」
椎名:(N)「ありがてェかたじけねェ面目ねぇ!」
木戸:「・・・は?
木戸:あぁ、こいつ?」
木戸:「これ俺の妹だよ。目付き悪いっしょ。メガネ忘れてきたみたいでさ、ほとんど見えねぇみたいなんだよね(笑)」
0:間
一同:「このボケーーーー!」
木戸:「えっちょ、なんで殴るの!痛い!いたぁい!いたあああい!」
南:「ったくこのクソ野郎」
伊村:「死んで償え!」
椎名:「馬鹿!」
赤瀬:「カス!」
0:場面転換
木戸:「ピーチスモーク・・・」
0:場面転換
0:教室
南:「・・・いやぁ、暇だなぁ」
赤瀬:「・・・そうだな」
南:「一輪車乗るの異様に上手い女子って・・・居たよな。」
赤瀬:「あぁ、フラフープとかもそうだな」
南:「あやとりとか」
赤瀬:「はは、いたいた」
南:「久しぶりに乗りてぇなぁ、一輪車」
赤瀬:「あぁ、乗ってたんだ」
南:「この学校一輪車あったっけ」
赤瀬:「あるわけねぇだろ」
南:「・・・」
赤瀬:「いや、前に体育倉庫出みた気がするわ」
0:場面転換 グラウンド
南:「とういうわけで拝借したが、鍵かけとけよ体育委員」
赤瀬:「ボロいなぁ、この一輪車。てかなんで高校に一輪車あるんだよ」
南:「よっと」
0:南は一輪車に跨る
赤瀬:「おっ、早速か」
南:「見とけよ」
赤瀬:「うん」
南:「・・・」
赤瀬:「・・・」
南:「・・・」
赤瀬:「・・・」
0:南は真横に倒れる
南:「あぁっ」
赤瀬:「乗れねぇのかよ!」
南:「腕がにぶったか」
赤瀬:「そういう問題じゃねぇよ多分、馬鹿みたいに乗れてなかったもん」
椎名:「あれ、赤瀬に南じゃないか。」
南:「お、椎名か」
赤瀬:「・・・お前もか」
椎名:「・・・うん。」
南:「椎名、お前一輪車乗れる?」
椎名:「乗れないけど一輪車乗れる為のレッスンだけしてたよ」
赤瀬:「なんだそのレッスン、信憑性に欠けるな」
南:「俺を一人前のイチリニストにしてくれ」
赤瀬:「なんだそれ」
椎名:「わかった。じゃあ僕は南の体を支えてるから、赤瀬は後ろから押してあげて」
赤瀬:「三人がかりなんだ。まぁいいけど」
南:「よっ・・・と」
椎名:「行くよ」
赤瀬:「いくぞ」
南:「優しく頼む」
椎名:「うおおおおお」
赤瀬:「うおおおおお」
南:「でりゃああああ」
0:三人、転ける
椎名:「あぁっ」
赤瀬:「ああっ」
南:「んなあっ」
椎名:「もう一回だ!」
一同:「うおおおおお」
一同:「ああっ・・・」
赤瀬:「まだだ!」
一同:「うおおおおお」
一同:「ああっ・・・」
南:「ええいしゃらくせぇ!」
一同:「うおおおお」
一同:「ああっ・・・」
椎名:「馬鹿!」
一同:「うおおおお」
一同:「あぁっ・・・」
赤瀬:「カス!」
一同:「うおおおお」
一同:「あぁっ・・・」
南:「まだ立てる!」
一同:「うおおおお」
一同:「あぁっ・・・」
一同:「あぁっ・・・」
一同:「あぁっ・・・」
0:時間経過 十分後
赤瀬:「・・・いくぞ、南」
南:「・・・おう。」
椎名:「自分を信じて」
一同:「うおおおおおおおおっ!」
南:「・・・」
赤瀬:「み、みなみぃ!進んでる!ちゃんと進んでるぞ南!」
椎名:「凄い!やったね!」
南:「やった・・・俺やったよ母さん!」
赤瀬:「うおおっ!南!よくやった!」
椎名:「わっしょい!わっしょい!」
南:「はははっ、はははっ、はははっ」
椎名:「・・・まぁ、乗れたからなんだって話なんだけどね」
南:「まぁな」
赤瀬:「そういうこと言うな」
椎名:「・・・」
赤瀬:「・・・しかし・・・暇だなぁ」
南:「暇だな」
椎名:「暇だね・・・」
0:沈黙
南:「まさか今日が創立記念日で学校休みだとは」
椎名:「・・・」
赤瀬:「・・・帰るか」
0:場面転換
椎名:「ピーチ」
南:「スモー」
赤瀬:「ク」
0:場面転換
0:赤瀬の家
木戸:「・・・暇だなぁ」
伊村:「なんで創立記念日に登校してんだ赤瀬は・・・」
木戸:「赤瀬の母ちゃんに部屋上がってていいって言われたけど・・・」
伊村:「・・・暇だなぁ、赤瀬の家なんもねぇし」
木戸:「ねぇし」
伊村:「ねぇし」
木戸:「・・・」
伊村:「・・・肩凝った」
木戸:「その歳でか」
伊村:「おう」
木戸:「苦労するな」
伊村:「まぁな。」
木戸:「・・・」
伊村:「・・・ちょっと肩揉んでくれよ」
木戸:「しょうがねぇな。」
伊村:「宜しく」
木戸:「ほい。強さこんなもんでいい?」
伊村:「あー、もうちょい強めでもいいかも」
木戸:「おっけ」
伊村:「うおっ、いいねいいね、あ〜気持ちいい、お前結構上手いな」
木戸:「じいちゃんの肩よく揉んでたしなぁ」
伊村:「なるほど通りで・・・あ〜良い。良いね、もっと強く」
木戸:「おっけ」
伊村:「ああ〜いいね、もっと強くできる?」
木戸:「行けるけど・・・大丈夫か?結構強めだぞ」
伊村:「うおっ、大丈夫・・・!」
木戸:「おう・・・」
伊村:「うおおっ!ああっ!あああっ!気持ちいい!もっと!もっと強く!」
木戸:「え、まじで?」
伊村:「もっと!もっと!」
木戸:「わかった」
伊村:「ああああああああ!!」
木戸:「え、大丈夫?」
伊村:「だだだ大丈夫!!もっと!もっと強くていい!」
木戸:「まじで!?俺今かなり力入れてるよ!?本当に大丈夫!?」
伊村:「大丈夫!!もっと!木戸!もっと!」
木戸:「本当か伊村!?本当にいいのか!?ミシミシ言ってるぞお前の背中!」
伊村:「ああああああああっ!」
木戸:「怖い!怖いよ!もう俺これ以上力入れたくないよ!」
伊村:「あああっ!木戸おおっ!もっと!!もっとぉ!!」
木戸:「怖いよぉおお!!」
伊村:「ああああああっ!」
木戸:「もう辞めたいいいいっ!」
伊村:「あああああああっ!」
木戸:「俺、伊村を殺したくないよおおおお!」
伊村:「木戸ぉぉおおおおおお」
木戸:「伊村ああああああああ」
伊村:「木戸ぉぁぉおぁあぁあ」
木戸:「伊村ァァああああぁあ」
伊村:「ああああああああああっ!」
木戸:「うわああああああああんっ!」
0:帰宅した赤瀬が入ってくる
赤瀬:「お前ら人の家でなにやってんだ!」
伊村:「ボキッ」
木戸:「あ・・・」
赤瀬:「・・・ぇ」
木戸:「・・・・・・死んでる・・・」
赤瀬:「伊村ぁぁぁあああ!?」
0:場面転換
伊村:「ピーチ」
木戸:「スモーク」
0:場面転換
0:放課後、教室
木戸:(N)「恋愛ってあるじゃないですか。そう、誰しもした事があるであろう恋煩いだ。
木戸:かくいう俺も高校生なわけで、そういう話と無縁って訳じゃない。
木戸:昔、親戚の拓郎さんが言ってたんだ。
木戸:「恋愛は面倒臭い」
木戸:まだ幼かった俺には、その言葉の意味は分から無かった」
南:「・・・」
伊村:「いやそれでさぁ、吉田が犬に噛まれてよ」
木戸:「まじで?やべぇな」
伊村:「いやほんとマヌケだよなあいつ」
木戸:「はは」
伊村:「って南、聞いてるか?」
南:「んー・・・おう」
伊村:「・・・みなみ?」
木戸:「・・・シュレディンガーの猫とは?」
南:「流行ってるよな、主にティンダーで」
伊村:「聞いてねぇな」
木戸:「だな」
南:「・・・」
0:時間経過 河原でファミチキを食べる木戸と虚空を見つめる南
木戸:「・・・」
南:「・・・」
木戸:「ファミチキうめぇな」
南:「・・・流行ってるよな、主にファミマで」
木戸:「おぉ、合ってる」
南:「・・・なぁ木戸」
0:ファミチキを食べるのを辞める木戸
木戸:「・・・やっと話す気になったか」
南:「・・・」
木戸:「・・・」
南:「・・・」
木戸:「・・・」
木戸:「いやなんだよ」
南:「・・・パクパク」
木戸:「声出てねぇぞ」
南:「・・・」
0:時間経過
木戸:「好きな人が出来た・・・ねぇ」
南:「おう」
木戸:「やってんなぁお前」
赤瀬:「あれ、南に木戸じゃん。」
木戸:「おう赤瀬、バイト終わりか?」
赤瀬:「あぁ」
南:「お疲れ」
赤瀬:「ん?なんか真剣な話してた?」
木戸:「いや別になんもねぇよ」
南:「いいんだ木戸、赤瀬もよかったら聞いてくれ」
0:時間経過
赤瀬:「・・・隣のクラスの北川さんに・・・ねぇ」
木戸:「やってんなぁお前、北川さんか」
赤瀬:「あぁ、木戸は小学校一緒なんだっけ」
木戸:「うん」
南:「・・・」
赤瀬:「きっかけは?」
南:「・・・パクパク」
木戸:「声出てねぇぞ」
南:「・・・教科書貸してもらった」
木戸:「は?」
赤瀬:「おいおい南、いくら何でも・・・」
南:「いやちげぇんだよ。それだけじゃねぇの。・・・その・・・ふくも・・・だな」
赤瀬:「なんて?」
南:「体操服も貸してもらった」
赤瀬:「は!?」
木戸:「・・・」
南:「やばくねぇか・・・?いや俺もな?ダメ元だったよ、なんか貸してもらうっていうノリで始まった関係だったんだけどさ」
赤瀬:「おうおう」
南:「行き着く先が体操服って・・・お前そりゃあ・・・」
赤瀬:「あるだろ、脈。」
南:「だよな!?」
赤瀬:「絶対ある、俺が保証する。木戸もそう思うだろ?」
木戸:「ん・・・あぁ、うん。」
赤瀬:「だよな!?」
南:「まじかぁ・・・」
0:間
木戸:(N)「とてもじゃないが声に出しては言えない・・・
木戸:南・・・お前が貸してもらったその体操服、北川の兄ちゃんのやつなんだ。
木戸:ていうか体操服のサイズ感で気付けよ」
南:「しかもさぁ・・・」
赤瀬:「なんだなんだ」
南:「勉強教えてもらった」
赤瀬:「まさか・・・」
南:「放課後の教室で、二人っきりで」
赤瀬:「まじか〜〜!やばいな!」
南:「やべぇよな!?」
赤瀬:「やばいやばい!木戸もそう思うだろ?」
木戸:「あぁ・・・うん」
南:「ひゃ〜、照れるなぁ・・・」
赤瀬:「隅におけねぇなぁお前も」
南:「はは」
木戸:(N)「とてもじゃないが声に出しては言えない・・・
木戸:南、北川は極度の馬鹿で男女見境なく勉強の手助けをしてもらっているんだ」
南:「そんでさぁ・・・」
赤瀬:「え、なに?まだあんの?」
南:「・・・パクパク」
赤瀬:「いや声出てないって」
南:「コーダー・・・貸し・・・ったんだ」
赤瀬:「なんて?」
南:「リコーダー・・・貸してもらったんだ・・・」
赤瀬:「はぁ!?北川さんの!?」
南:「北川さんの」
木戸:(N)「北川の兄ちゃんのな。
木戸:だから気づけよ。同性でも嫌だわリコーダー貸すとか。そもそも結構な兄嫌いで有名だぞ北川は。嫌がらせの道具として使われてんだよお前は。
木戸:頼む、気付いてくれ。この事実を俺の口から言わせないでくれ」
赤瀬:「流石にちょっと気持ち悪いけど、え、なに?舐めたの?」
南:「・・・さきっちょだけ・・・」
木戸:(N)「舐めんな。」
赤瀬:「まぁしょうがない!男として何も言わん!」
木戸:(N)「なんでだ。なんで今日に限ってまともじゃねぇんだ赤瀬。」
南:「これは勘違いして仕方ねぇよな・・・?」
赤瀬:「仕方ねぇよ!ていうかそもそも勘違いじゃねぇって!リコーダー貸すとか実質告白だろ!」
南:「おま、やめろよ!きゃー!どうしよ、心拍数上がってきた」
木戸:「・・・」(立ち上がる)
赤瀬:「お、どうした木戸?」
木戸:「用事思い出した、先に帰るわ」
南:「おぉそっか、なんか呼び止めたみたいで悪いな」
木戸:「いや、うん。全然、気にしないでホント。気にすんなよ」
南:「そっか、じゃあな」
木戸:「おう。」
赤瀬:「また明日〜」
南:「また明日な」
木戸:「おう。」
0:時間経過
0:場面転換 ファミレス
木戸:「・・・チョコレートパフェと、ドリンクバー単品で・・・はい。」
木戸:(N)「来るあても無くファミレスに来てしまったが・・・俺はどうすればいい。
木戸:このままじゃ友達を一人見殺しにする事になる、指摘しても南が負う傷は計り知れん。
木戸:かと言って放置しても幼馴染の北川がビッチと成り下がる。今でもたまに話す仲だし、それは不本意の極みだ。」
木戸:「・・・あぁ、めんどくせ」
伊村:「おっ、木戸じゃねぇか」
椎名:「あ・・・やあ、木戸」
木戸:「おう、伊村に椎名じゃねぇか。奇遇だな」
伊村:「お前こそひとりでファミレスなんて珍しいな」
木戸:「おう、まぁちょっとな」
椎名:「よかったら一緒に食べていかない?」
伊村:「え、いいのか?椎名、お前が大事な話あるって言ったんだろ」
木戸:「?」
椎名:「いいんだ、木戸にも聞いていて欲しい」
0:時間経過
木戸:(N)「恋愛ってあるじゃないですか。そう、誰しもした事があるであろう恋煩いだ。」
伊村:「好きな人が出来た・・・ねぇ。」
椎名:「あはは、かたじけない」
木戸:(N)「かくいう俺も高校生なわけで、そういう話と無縁って訳じゃない。」
伊村:「で、誰?」
椎名:「あ、やっぱ聞く?」
伊村:「それ話に来たんだろ」
椎名:「うん・・・」
木戸:(N)「昔、親戚の拓郎さんが言ってたんだ。」
椎名:「隣のクラスの・・・」
伊村:「隣のクラスの・・・?」
椎名:「北川さん」
木戸:(N)「恋愛は面倒臭い」
0:間
伊村:「あ〜、お前もか」
椎名:「・・・え?それって・・・」
木戸:(N)「まだ幼かった俺には、その言葉の意味は分から無かった」
伊村:「・・・おれも・・・なんだよね・・・」
0:間
木戸:「ああああああああああああっ!」
伊村:「木戸!?どうした!?」
椎名:「なんでチョコレートパフェにタバスコをかけまくってるんだい!?」
伊村:「気でも触れたか!?」
木戸:「しね!お前らみんなしね!」
伊村:「なんで!?」
椎名:「木戸!?ちょっとどこ行くの!?」
木戸:「うわああああああああんっ!」
伊村:「木戸おお!?」
0:間
椎名:「・・・行っちゃった・・・」
伊村:「どうしたんだろう、あいつ」
椎名:「さぁ・・・思春期だし、色々あるんじゃない?」
0:場面転換 商店街を走り抜ける木戸
木戸:(N)「恋愛ってあるじゃないですか。
木戸:あれって凄く、面倒臭いですよね。
木戸:拓郎さん、俺・・・少し大人になったよ。」
南:(N)「その後木戸は、一週間学校を休んだ」
0:場面転換
赤瀬:「ピーチ!」
南:「ス!」
椎名:「モー!」
伊村:「ク!」
0:場面転換
南:「次回予告!」
赤瀬:「もういいって」
椎名:「可憐で優しい隣のクラスの北川さん」
伊村:「その人に恋するは南、椎名、伊村の三人。」
南:「複雑に絡み合う恋に行く末や如何に!」
木戸:「・・・赤瀬、生徒会長は言っていた。何かを捨てることが出来ないものに
木戸:何かを変えることは出来ないってな」
赤瀬:「あ・・・うん、そっか」
椎名:「次回!ピーチスモーク第47話!「PMとAMの使い所ってイマイチ困る」お楽しみに!」
赤瀬:「うーん、確かに!」