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悪役令嬢もの短篇集

貸し一つ、ですわよ殿下。

作者: ran.Dee

婚約破棄ですか?はい了解しました。

では、失礼いたします。

え、まだ何か?


嫉妬?まあ何をおっしゃっているのでしょう。

今まで何度も婚約解消を願い出ましたのに了承されなかったのは殿下ではありませんか。

恋心など最初からないですよ?

政略で結ばれた婚約ではないですか。

婚約者だから愛されて当然なんて随分おめでたいこと。


イジメ?わたくしが?

出来るわけないじゃありませんか。

淑女たるもの、あからさまな誹謗中傷や暴力などは最も嫌悪すべきものとして厳しく躾けられております。

貴族の令嬢が分かりやすいイジメなどすればあっという間に社交界から締め出されてしまいましてよ。

いかにも平民の発想ですわね。

どなたからの告発ですか?そこの方かしら?

男爵家の庶子の方だったかしら?

最近、認知されて養女になられたとか。

…なるほど、公爵家として調査が必要ですわね。

真偽を明らかにして差し上げますわ。


え、よろしいのですか?

いえいえ、わたくしはよろしくありませんのよ。

公爵家として貶められてそのままというわけにはいきません。

男爵家ごときに舐められてはいくら殿下に甘いお父さまでも流石に黙ってはいないでしょう。

我が公爵家とそちらの男爵家との問題です。

殿下のご意志など関係ありませんので干渉は不要です。

殿下のお立場では貴族家同士の紛争に関与したら廃嫡待ったなしですわよ。

いくら殿下でもそれくらいはご存じですよね?


やめてください、王族が臣下に頭を下げるものではありませんわ。

…もしかして共謀したのですか?

ああ、ハメられただけですか。

でも、薄々は気づいていたのでは?

…ダンマリですか。やっぱりそういうことですのね。


許せ?いえいえ、それは無理です。

陛下にもご報告すべき事案です。

そろそろ現実が見えてきましたか。

…無かったことにしたくても出来ない存在があるでしょう?

あ、随分簡単に切り捨てますのね…

まあいいでしょう。

しかし、婚約は解消していただきます。

わたくしが禁断の恋の燃料とされたことだけは無かったことにはなりません。

貸し一つ、ですわよ殿下。

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