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姫様らしからぬ!−病弱姫の成り上がり転生−  作者: たみー
病弱姫様の肉体改造!編
5/14

自国も最弱?

病弱姫の朝は早い。



朝日が昇る前に起きると、まずはストレッチから始める。

血流が良くなり、基礎代謝が上がるからだ。

更に交感神経が刺激されると、目が覚め脳が活発になる。

ストレッチをしっかりやり終えると、ロードは運動用に特注してもらった服に着替え、朝の散歩に向かった。







肉体改造を決めたその日から、ロードの1日は変わった。

朝から夜まで、とにかく身体を動かすことにした。

そのためできるだけ部屋にはこもらず、外にでてウォーキングから始めてみることにした。

初日は外にでて僅か30分で疲労困憊になった。

庭園をある程度歩けるようになったとはいえ、これまでキチンとした歩き方をしてこなかったせいだ。

ロードは背筋を伸ばし正しい姿勢でのウォーキングを心掛けた。

その為いつもより疲労が早いのだ。



私は今の肉体の余りの体力の無さに愕然とした。

前世ではウォーキングなど日常生活の一環に過ぎず、それが出来ない自身を恥じた。(恥じる必要はないのだが…)


健康な身体になるためには健康な行動をするしかないのだ!









「あの、ロード様、勉強されるときは椅子に座った方が…」



「これも修行の一環です」



「そ、そうですか…」




基本的は肉体改造から始めてから、早くも一月が経った。

私のお世話係というアザレアは酷く心配性だ。

私が肉体改造宣言をしたその日は嬉しそうにしていたのに、徐々に腹筋、背筋、腕立て伏せが出来るようになり、ダンベル代わりに飾ってあった花瓶を掲げた時は、慌てて花瓶を奪われた。


しかし、私の肉体改造は留まることを知らない。

アザレアとは別に新たに教育係りがつき、勉学を学ぶことになった。

今日はその勉強中にも出来ることとして考案した、立ちながら勉強をしていた。



しかし、それは止められることになる。




「ロード様、ながら勉強をするのはお辞め下さい」



そう諭してきたのは、新たにつけられた教育係りのカッシアだ。


このカッシオという男、中々の曲者で、無表情に淡々と私の肉体改造計画を邪魔してくる。


基本的にはカッシオが正論を言っているだけなのだが。






「ちゃんと授業も聞いている」



「何事も同時進行で行動しますと、どうしても遅れが生じます。

今は授業を全力でして頂き、お嬢様が言う、肉体改造というものは他の時間にしてください。

その方が授業時間を短縮できる可能性もあり、その分を鍛錬に充てれますよ。」



「む」




確かにその通りだ。

ここは一先ず引き下がろう。

元より、このカッシオに口で勝てる気がしない。



年は20代半ばぐらいか、まだ若いのに仕草と言い話し方と言い、妙に年寄り臭いやつだと思う。

貴族出身と聞いたが、それ以外は謎のままだ。

聞いても上手くはぐらかされてしまう。



私は勝手にコミュニケーションが苦手なコミュ障だと決めつけることにした。










さて、この世界では前世で言う魔法、魔術というものが存在しているらしい。

カッシオの授業を受けている時に、それは明らかになった。




宝珠ほうじゅ?」



「はい、我々がいる空間には多彩な宝珠と言われる神通力が散らばっております。

宝珠を操れる者のことを、宝術師ほうじゅつしと言います。

宝術師によって、歴史上我々人間は繁栄をもたらされたといっても良いでしょう。」



「例えば、どの様な宝珠があるの?」



「それは…」



一拍間を開けて、微妙な顔をしながら、カッシオは口を開いた。



「私も、未だ宝術師に会ったことはありません。」



「え」



「ですので文献上の知識ですが、かつては水の宝珠を操り雨を降らせたり、このディセンシア城も力の宝珠によって建設に至ったと聞いております。」



「という事は、ほぼお伽話の存在ってことね。」



期待して聞いていた分落胆も大きく、小さくため息をはいた。



「いえ、決してお伽話の存在ということではないです。

現在の各国の中枢には、少なからず宝術師がいる事は確認済みです。

ただその絶対数がかなり少なくなっただけです。」




誰でも操れる様な力では無いってことか。





「ちなみにこのディセンシア王国では何人くらいいるの?」



「0です。」




え?




「現在我が国では、100年間程、宝珠を操れる存在は確認できておりません。」







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