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姫様らしからぬ!−病弱姫の成り上がり転生−  作者: たみー
病弱姫様の肉体改造!編
2/14

転生?

気付くと見知らぬ天井で目を覚ました。

病院にしては、恐ろしく豪華な室内に見える、まるで中世ヨーロッパの貴族の居室のような。

はて、私は交通事故で死んだのでは無いのか…?


記憶を手繰り寄せるが、事故以降の記憶が無い。


ゆっくり身体を起こしてみる、よし、何とか起き上がれた。

其れよりなんだこの筋肉痛の様な痛みは。


全身を、特に両足に感じるピリピリとした痛み、こんな痛みはまだ身体を鍛えあげていない幼少期に感じた以来だ。


そろそろと寝ていたベッドから抜け出そうとする、布団から足が見えた時点で、自身の異様な違和感に気付いた。



なんだこの枝のような細い足は…



幼い頃より共にしてきた、見慣れた足では無い、自身の両足は、もっとこう、程よい筋肉がついた太陽の光を浴びた健康的な足だった筈だ。


なのに今、自分の視線の先にはまるで一度も運動してきたことが無いような、華奢な足が写っている。



身体の変化に戸惑ってしまったせいで、自身に近づいてくる気配に気付けなかった。




「ロード様…?如何かなされましたか…?」



「え?」




突然聞こえてきた声に視線を移すと、目の前に心配そうな顔をした女性が立っていた。



「昨日は初めて、庭園を一周しましたからね、まだお疲れが残っているみたいですね」



女性の台詞は、自分に向けられたものなのだろう、その証拠に不安げに此方を伺い見ている。



「あの、庭園って…」


「フフ、ロード様ったら、寝ぼけてらっしゃるのですか?」



女性は私が言葉を発すると、安心した様に笑みをこぼし、次いで私が知らない昨日の記憶を話してくれた。



「昨日は、ロード様のお披露目会でしたね。

ローウェン王が、ロード様の誕生十周年を記念して、広場の庭園で盛大なパーティーを行いましたよ。


ロード様はお庭を一周した辺りで、疲れたご様子でしたので私と共に退場為されましたが…

その後ベッドに横になってからは、グッスリお眠りでした」



「お披露目会…」



自身の事をロードという違う名で呼ぶこの女性、どうも嘘をついているようには見えない。

私は一体、どうなってしまったのか。

混乱するが、きっと自分はもう知っている自分では無いのだろう。

先程からチラチラと視界に映る、細く白い手足が、それを物語っている。



まさか自分は…



「あの、すいませんが鏡を見たいのですが…」



「…珍しいですね、ロード様がご自身を見たいと仰るのは…少々お待ちくださいませ」



数分と経たぬうちに、女性は三面鏡を持参し、こちらに向けた。




これが…私…?




鏡に映るのは、銀色の髪と銀色の瞳を持つ、美しい少女だった。






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