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ある街角の幻想譚  作者: 赤林檎
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ぜろ.




むかしむかし、あるところに妖怪たちの住む世界がありました。

妖怪なんていないって?

見えてないだけさ。ほら、すぐ近くに…

ごめんごめん、怖がらせる気はなかったんだ。

話がそれたね。

妖怪たちも、夢を見るんだ。

世界を征服したい、とかじゃなくてね、精神世界の話さ。

君も夢を見るだろう。

さあ、君の見てるものは現実か、夢か。

物語のはじまり、はじまり



___________________________________




息苦しさを感じて目が覚めた。



私は死んだ。



理由だなんて、たいそれたものはない。

ただきっと、私には合わなかった。

それだけのことだ。


ふと、手首を見やる

例えるならばそう、うねる大蛇のように、

幾度となく傷つけたであろう傷があった。

病んでるだなんて馬鹿馬鹿しい。

生きている証明が欲しかった

ああ、でもこれこそが病んでいるということなのだろうか。




肌に触れる風が冷たくて、私は身震いした。




それにしても、このままここにいては死ぬのではないだろうか。

いや、もう死んでるから良いのか?

しかし、この寒さは本当につらい。

ちらちらと雪も降り始める。




いやまて、冷静になれ私。

普通に考えて、死んだのにおかしい。

なぜ意識があるんだ。



そろりと視界を開けてみる…

と、あたりは一面真っ白だった。

どこだここは。



目の前にあるのは灯りのともった一軒の家。

誰かがいる気配はなさそうだが、不法侵入で捕まるのだろうか



しかし、ここにいて寒い中死ぬのもごめんだ。

わけのわからないところで二度目の死は迎えたくない。

なら、こたえはひとつだろう。




重厚感のある扉をゆっくりと、ゆっくりと開けた。

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