スイカティーの回
とりあえずさとねの家に来たかみゅ。さとねの家はただの一軒家と白猫が一匹。この猫、名前を猫山と言う。
かみゅは甘党なのにさとねにブラックコーヒーを出されて一瞬焦ったけど、我慢して飲んでいた。
「さとねちゃんは、家族いるの?」かみゅはさとねに聞いてみる。ちょっと気になっていた。かみゅは<神がかった神ノート>と言う人の情報が詰まった辞書を貰っているがつい最近シュレッダーに突っ込んだので見ることができないのだ。シュレッダーは壊れた。
「ハイ!今上にいますけど」かみゅは正直びっくり。理由は、さとねの家に来てから人間の気配がさとねしかしないからだ。
「へ…へぇー 会いたいなー? なんつって☆」
だめもとでかみゅは言ってみた。
「え?いいですよ!」まさかのオッケーかみゅびっくり!早速2階へさとねとlet's go!さとねがボソッと お姉ちゃん怒らないかな? と言ったのはかみゅには完全に聞こえていない。
2階への階段を2人で勢いよく上る。
階段を上ってすぐの半開きの扉の前にかみゅはぴたりと止まる。さとねが教えなくてもかみゅはわかった。なぜならその扉から本が溢れ出ているからだ。そしてその本の上にメモがある。「読書中です」と鉛筆で書き殴られている。
さとねはすぐ読めたがかみゅはなかなか読めない。「え?続…なにこれ?横線多くない?」完璧に読めないかみゅ。後ろからさとねの声がする。「読書中です ですね!」かみゅは感心、さとねはちょっとドヤ顔をしている。
早速ふたりでドアを開ける。「お姉ちゃん入るよ!」さとねが一言言う。ドアを開けて中に入ってみるふたり。
中は4面ある壁のうち一面が窓、もう一面が本棚。この中には本がぎっしり、しかも難しそうなものが多い。ベッドの上には、本と、最近発売したスイカティーのペットボトルと、うま煎餅エビ味が横たわっている。さとねはかみゅの後ろでよだれを垂らす。
床には謎のクッションベットが作られていて、さとねの姉と思われる人物が寝っ転がって本を読んでいる。「お姉ちゃん!」さとねは全然気づかない姉に少しキレている。かみゅは本棚に目が釘付け。さとねの姉はゆっくりこちら側を向く「えーと……」かみゅがいるのに驚く山城(姉)。
かみゅは本棚からさとねの姉に向き直る。「こんにちは!かみゅです」とりあえず挨拶するかみゅ。その時かみゅは思った「今日からこの人の名前は超読書女子!」
頭のメモに鉛筆で書き殴り、その隣にスイカティーと小さく書いた。