始まりの回
夏と春の間のある日
暑いけれどセミは鳴かない
風鈴の音もしない
いまだに長袖のワイシャツを着る学生がいる
でも女子高生のスカートは異様に短くなってる不思議な日
「あっれー?おかしいなー?」
そこには白いワンピースを着た頭をお団子にしている少女がぽつりと立っている。 少女は人ではなかった。
残念な事に神だった。この世はなんでもありなんだきっと。
少女が足元に置いている大きめのカバンには名札が付いていた。なぜか、名札には かみゅ と書いてある。きっと少女の名前だろう。かみゅって正直変な名前だと思う。
「どうしたんですか?道に迷いました?」
かみゅがぼーっとしてるうちに中学生くらいの少女がやって来た。異様にデカイ黄色のリュックをしょっている。中身は一体…。
かみゅはびっくりしている。多分コミュ障(おや禁句でした)だから何を話せばいいのか困っているのだ。
かみゅはそーっと深呼吸 「み…道に迷いました!」ちょっと大きな声で言った。少女は相当びっくりしている。
少女は脳内を頑張って正常に戻すと黄色のリュックから地図を出してきた。リュックから地図を出すときにチラッと航海図も見えたが気のせいだろう。市内の地図だった。
かみゅは「なんて良い子だろう!」と思い、頭の中の今後運気を上げる人のリストに赤ペンで記す。「あ、でも名前知らない…」と思ったかみゅは少女に聞く。
「親切な方ですね!名前はなんと言うのです?」しかし少女は少しも引かない。普通は「え、なんでこの人名前聞くの?やだ怖い」と思うはずだ。しかし少女は普通に答える。
「はい!私は山城さとねです!」かみゅは改めて頭の中の今後運気を上げる人のリストに赤ペンで記す。その下に蛍光ペンで線を何重もひく。
「で どこに行きたいのですか?」かみゅは忘れてたようだ。「あ!えっと…tnか…」
「え?なんですか?」かみゅは言いたいけど言えない。またかみゅは深呼吸「天界に!天界に行きたいです!」さとねはまたびっくりした。またまた脳内を頑張って正常に戻すと「あ、えーと とりあえずうちに来ます?」と言った。
かみゅはガチめに驚く。頭の中に将来誘拐されそうな人のリストを作成、一番上に山城さとねと赤ペンと蛍光ペンを使いまくって書く
書きまくってたら大変な事になった。あらら。
「はい!おじゃましますね」
かみゅはさとねの家に行く事になった。