マイディーは二度消える
俺は立ち上がるとへらへら笑う薄気味悪い男に従うことにした
良い事なんて世の中にはほとんどない
九十九パーセントが悪いことだ
しかしそれを警察が取り締まることは不能である
人手不足もいいところだ
あいつが何を考えているか知らないが
ここのものではないはずだ
いやそれどころか自由に刑務所内を門兵も連れずに歩いている時点でおかしい
「おい、あんた」
前を歩く男に聞いてみた
「なんですか」わらいながら聞いてくる
パッと見若そうだがそのポーカーフェイスみたいな笑みが
年齢を分からなくする、、何考えてるんだか
基本物事なんて考えないサニーレイチェルと言う男はのんきに頭に腕を組みながら睨みつけてくる囚人に「へっ」と啖呵を切っている
いい気味だ
サニーは何かを考えない人物である
これからのことを全く考えていない
「これからなんですがどうします」
驚いたことを聞かれサニーはあわてる
(こいつ何も考えてなかったのか)
不意にサニーを恐ろしさが、サニーを支配する
俺何でついてきてしまったんだ
その直後だった
「動くな」
後ろで声がした
何週間も務所にいればそれがどんな警官の声かくらい判別がつく
最近入って来た新入りで
俺ら囚人ぐらいしかいびる相手のいない弱いクズだ
振り向きざまに蹴りをみぞおちに食らわせると
顔の横を銃弾が壁に食い込みながら飛んでいく、しかし
案の定弱い
蹴りを避けることも出来ず そのままうずくまっている
しかしここで予想外のことが起きた
後ろで何かが倒れる音
振り返るとあの男が泡を吹いて倒れていた
「は~~~ぁ」
俺は瞠目しながらそれを眺めていた
とりあえず置いて行こうかとも考えていたが
こいつからはただものではない匂いがする
刑務所の鍵を勝手に開けられるのだ
少なくともただの通りすがりではないだろう
サニーは若い警察官から拳銃を奪い逃走
面白いことにサニーの行く道、行く道の鍵が開き
二人が通り過ぎると閉まるのだ
サニーは肩に気絶しているマイディーを背負いながら
コンクリートの建物から何とか出ることに成功した
この後どうするかもわからぬまま
「おっ起きたか」
やっと背負ってきた男が目を覚ますが
サニーが何か向けているのを見て倒れる
ふとサニーも男が怯えた顔で見るそれを見た
こいつまさか
サニーは驚嘆の顔で自らが持っていう拳銃を見たのである。
非常に頑丈な外へ通ずる扉が自動で開く
そこに白い軽ワゴンは入ってくると
いきなり車の戸が開き
小柄な何かがニコニコ男を
その体格とは思えない体で背負うと中に入った
「っえ」
どうするこのままこの車に飛び込むか
いやいや飛び込まなければ確実に捕まる
、、、もしかしてこれは壮大なドッキリなのではないか
ふとそんな考えがサニーを襲う
そうでなけえば、刑務所の鍵が思いのままに
そうか、そういう事だったのか
「はははは」
サニーは笑いながら車に乗った
「いやはや私は騙されませんよ」
中にいる変人達を見てギョッとする
まずい所に来てしまったかもしれない
そうおもったのだった。




