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『異世界転生してチートスキルLv999+になったけど、そもそもなんで俺が転生しなきゃなんねーんだよ』

作者: BagSensei
掲載日:2026/04/04

皆様、こんにちは。

実は最近、メインで進めているラブコメ原稿のアイデアが完全に尽きてしまいまして……。

頭が真っ白になった結果、「もう面倒なことは何も考えずに読めるギャグを書こう!」と、現実逃避の勢いだけで書き始めたのがこの作品です(笑)。

シリアスなドラマは一切なしのドタバタ異世界コメディ、どうか頭を空っぽにしてお楽しみください!

ヒミヤ・シイキは前途洋々な少年だった……布団の山に引きこもっていて先がまったく見えないという意味で。彼のルーティンは単細胞生物並みにシンプルだ。起きてゲーム、疲れたら寝る、起きてお菓子を食う、そしてまたゲーム。このループである。彼は己の怠惰さに誇りを持つプロのニートだ。頭を悩ませることなく、ただ日々を消化していくことこそが彼の最高哲学だった。

だが、今日は違った。なんとシイキが半年ぶりに家から一歩踏み出し、品薄の限定版ゲームを買いに行くことを決意した「記念すべき初日」なのだ。歴史的な外出ということで、彼はレッドカーペットでも歩くかのようにフル装備でキメていた。ロングコートにサングラス、そしてピカピカに磨き上げられた革靴。

シイキは深く息を吸い込み、眩しい太陽の光を浴びた。「さあ、外の世界よ、俺が来た——」

キキィィィッ! ドッカーーーン!!

言い終わる間もなく、どこからともなく突っ込んできた六輪トラックが彼を撥ね飛ばし、その体はぬいぐるみのように宙を舞った。そして、地面に叩きつけられそうになったその瞬間……

ガシャァァァン!!

四階のベランダから落ちてきた謎の植木鉢が、見事なまでに彼の頭にクリーンヒット。それだけではない。体がアスファルトに激突した瞬間……

ドッッッカァァァン!!!

雲一つない快晴だというのに、脳天に雷が直撃。トドメとばかりに体の下に光る魔法陣が浮かび上がり、彼を吸い込んで消え去った。いわゆる「死のコンボセット」である。小説の主人公を異世界へ送るお約束イベントのすべてが、ほんの一瞬の間に彼に襲い掛かったのだ!

……

シイキが再び目を覚ますと、そこは果てしなく続く真っ白な空間で、自分は椅子に座っていた。目の前には、古代ギリシャ風の衣装を身にまとい、背中に光り輝く羽を生やした美しい少女がいた。

「おめでとうございます。私の名は女神——」

「あー、俺、死んだんだな。最高じゃん」シイキは背伸びをしながら言葉を遮った。「やっと本当の意味で休めるぜ。女神様、さっさと俺を天国に送ってくれ。ふかふかのベッドとクーラー、あとゲーム機もよろしくな」

女神は少しフリーズした後、引きつった笑顔を見せた。「え、えっとですね、迷える魂よ。天国は……現在、満室なんです」

「はあ? 天国が満室? 神様のクラウドサーバーは容量不足なのか?」

「違いますっ!」女神は声を荒らげた。「異世界に送られた勇者たちのせいです! あいつら、死んでは生き返ってを繰り返して、死ぬたびに天国でちょっと休憩してから『世界を救うためにまた転生させてくれ』って言うんですよ! そのループのせいで天国の宿泊枠はパンパンなんです! 今や朝の満員電車よりすし詰め状態なんですから!」

「じゃあ俺はキャンセル待ちでいいや。部屋の隅っこで静かに寝て待つから——」

「ダメです! ルールはルール! そもそもあなたの魂は『異世界召喚パック』と一緒にここへすっ飛んできたんだから、ファンタジー世界に転生してもらいます!」

「ふざけんな! なんで俺が転生しなきゃなんねーんだよ! ファンタジー世界なんて面倒くさいだけだろ! 剣でモンスターと戦ったり、野宿したりするなんて真っ平ごめんだ! 俺はただ、天国でニートとして快適に一生を終えたいんだよ!」シイキは子供のように床に転がりながらギャーギャーと抗議した。

「うるさぁぁぁい! この怠け者め、さっさと転生しなさい!」

ついに堪忍袋の緒が切れた女神は、金の装飾が施されたサンダルを履いた足を振りかぶり、シイキの脇腹を思い切り蹴り上げた。彼の体は床に空いたブラックホールへと真っ逆さまに落ちていく。

「覚えてろよ、このクソ女神ィィィ——!」

シイキの声が遠ざかっていく中、女神は冷や汗を拭い、ハッと目を丸くした。「あっ、ヤバい……あいつのステータスバランスを調整するの忘れてた……」

……

ドスッ!

シイキはどこかの森の草むらに墜落した。彼はブツブツ文句を言いながら服の埃を払う。ゲーマーの直感で「ステータス」と呟いてみると、目の前にホログラムのウィンドウがポップアップした。

[名前:ヒミヤ・シイキ]

[職業:なし]

[レベル:999+ (ERROR)]

[HP:999,999,999+]

[MP:999,999,999+]

[スキル:無限の創造 (Lv.MAX)、完全不死 (Lv.MAX)、万物耐性 (Lv.MAX)]

シイキはパチパチと瞬きをして、メーターを振り切って「ERROR」とバグっている画面を凝視した。「なんだこれ……あの女神、仕事が雑すぎるだろ。俺のパラメータをリセットし忘れたのか? てか、なんだよこのスキル。チートにもほどがあるだろ」

彼は深いため息をついた。「まあいい。蹴り落とされた以上、静かにスローライフを送るためには、さっさとメインシナリオをクリアするしかないか。魔王はどこだ? サクッとボコって終わらせてやるか」

そんな浅はかな考えで、シイキは適当に魔王を探す旅に出た。ダンジョンに足を踏み入れ、小指一本でドラゴンを吹き飛ばし、冒険者ギルドで情報を聞き出すために王都へと向かった。

「魔王、ですか?」受付嬢はきょとんとした。「ああ、暗黒魔王のことなら、5年前に召喚された先代の勇者様がとっくに討伐しましたよ。次代の魔王は……予言によると、あと300年くらいは復活しない予定です」

シイキは石像のように固まった。「……どういう意味だ」

「つまり、今の世界は超絶平和ってことです! みんな暇を持て余してるくらいですよ、あはは!」

シイキは虚ろな目でギルドを後にした。「じゃあ俺の人生の目標は……先代勇者がゲームをクリア済みで、新ボスも未実装……俺はどうすりゃいいんだよ!?」

倒すべき魔王も、救うべき世界もない。シイキは決断した……よし、ニートに戻ろう。

彼は人里離れた森の奥深くへと向かった。家を建てるための木材を集めるのも面倒くさいので、スキル【無限の創造】を使って、自家発電機と魔法インターネット完備のモダンな豪邸を想像した。すると一瞬にして、地面から豪華な屋敷が生えてきた。

だが問題があった。彼は掃除も食料調達も面倒だったのだ。そこでシイキは適当に粘土をこね、「使い魔ゴーレム」に変えた。このゴーレムたちの任務は、掃除、洗濯、そして……飯の調達である。

「おいお前ら、極上の牛肉と甘いフルーツを持ってこい。もちろんタダでな。金払うの面倒だし」シイキは間抜けな顔をした石のゴーレムに命じた。

ゴーレムは頷き、猛ダッシュで街へと消えていった。貴族の館に押し入り、食糧庫をあさり、魔法のリンゴをかっさらい、目に付くものを手当たり次第に奪い去る。言うまでもなく、その行動は完全に「魔王」そのものだった! 騎士たちがゴーレムを斬ろうとしたが、剣はことごとく刃こぼれしてしまった。

ある日、ゴーレムがドタバタと屋敷に帰ってきた。その肩には、中でモゴモゴと動く大きな麻袋が担がれていた。

「おっ、イノシシでも捕まえてきたか。丸焼きにして——うぉっ!」

シイキが袋を開けると、中から出てきたのは豚ではなく、美しい銀色の長い髪と尖った耳を持つ、色白の少女だった。彼女はぶかぶかの大きな魔法使いのローブを羽織り、膝の上には分厚い魔導書を広げていた。

彼女の名はフィンヤレス。日々のんびり暮らしている、ただの平凡なエルフの少女だ。

フィンヤレスは本から顔を上げ、無表情でシイキを見つめた。岩のバケモノに誘拐されてきたばかりだというのに、焦る様子は微塵もない。

「あー……わりぃ。こいつ、リンゴとエルフを間違えたみたいだな……」シイキはポリポリと頭を掻きながら、罵倒される覚悟をした。

しかし、フィンヤレスは本のページをめくり、石のゴーレムを指さした。「非常に興味深いです。あなたのマナの構造は五芒星の術式を使わず、生の魔力を直接泥の塊に練り込んでいるのですか? これほど膨大な魔力……あなたはいったい、どのような生命体なのですか?」

「は? いや、単に『使用人が欲しいなー』って想像したら勝手に出てきただけだけど」

フィンヤレスは目を輝かせた(無表情のままだが)。「想像が現実を創る? 原初レベルの魔法ですか……。ここであなたの力を研究させてもらえませんか?」

「いいよ、好きにしろ。ただ、俺が寝てるときは邪魔するなよ」シイキは適当に返事をした。

こうして、奇妙なコンビの生活が始まった。フィンヤレスは変わったエルフだった。森を守るとかエルフの国を復興するとか、そんな壮大な目標は一切ない。ただ毎日、定年退職した老人のように、のんびりと本を読み、魔法の勉強をしたいだけだった。そしてシイキはといえば、極限のダラダラ生活を満喫していた。

ある日、シイキはふと気になって尋ねた。「フィンヤレス、俺って死ねると思うか?」

「理論上は、災害級の魔法をくらえば細胞レベルで消滅するはずですが」

「ふーん」シイキは裏山の崖に行き、自分に向けて特大の核爆発級魔法をぶっ放した。チュドーーーーン! 山が半分消し飛び、砂煙が舞い上がる。

「ゲホッゲホッ……服はボロボロになったけど、傷は0.001秒で完治したわ。超ウザい。やっぱり俺、不死身だわ」シイキがため息をつく傍らで、フィンヤレスは猛スピードでメモを取っていた。「素晴らしいです、神レベルの再生速度……少し皮膚の細胞を見せてくれませんか」

またある日、シイキは近くの人間の村が頻繁にモンスターに襲われているのを知った。寝ているときに騒ぎ声が聞こえるのが面倒だったので、外に出て軽く地面を一度踏みつけた。すると、高さ50メートルの石の壁が出現し、村をすっぽりと囲んでしまった。

朝起きて巨大な壁を見た村人たちは叫んだ。「魔王だ! 魔王が降臨したぞ! 俺たちは閉じ込められたんだ!」

叫び声がうるさくてイラついたシイキは、指を鳴らし、適当に広範囲の超回復魔法をかけた。すると、村の病人は完治し、老人は若返り、農作物は爆発的に成長して実をつけた。

村人たちは手のひらを返し、壁に向かって泣きながらひれ伏した。「おお! 神よ! 光の勇者様が我らを救ってくださった!」

魔法で具現化した携帯ゲーム機で遊んでいるシイキを見て、フィンヤレスは言った。「結局、あなたは恐怖を与える魔王になりたいのですか? それとも恩恵を与える勇者になりたいのですか?」

「俺はただ、うるさいのが嫌なだけだっつーの! 静かに寝かせろって言ってんだよ!」シイキはギャーギャー言いながら、ゲームのボタンを連打した。

時は流れ、シイキとフィンヤレスは相変わらず、毎日パンや肉を盗んでくるゴーレムたちに囲まれた豪邸で、その日暮らしを続けていた。隣には無表情で本を読むエルフの少女がいて、神レベルの力を持つ青年は、その力を『世界一柔らかい枕の創造』や『冷蔵庫まで歩かずに冷たい水を出すこと』にしか使っていなかった。

この世界にはまだ勇者は必要ないかもしれないし、魔王も復活する必要はないかもしれない。なぜなら今、世界最強の男は、異世界でテトリスのハイスコア更新に忙しいのだから。

「なあ、フィンヤレス」シイキは魔法のコーラをすすりながら、ふと口を開いた。

「はい?」

「異世界転生も、悪くないかもな……。こうして快適に寝ていられるうちは、だけどな」

フィンヤレスは本のページをめくり、静かに頷いた。「そうですね……。あっ、あなたのゴーレムがまた王様の王冠を盗んできたみたいです。騎士団がこっちに向かって大群で押し寄せてきてますよ」

「うおぉぉぉい! あのクソゴーレム、ピザ持ってこいって言っただろ! 騎士どもに『あとで金塊の山出して弁償するから、とっとと失せろ』って伝えてこい! 人の安眠を邪魔すんじゃねぇ!」

こうして、チートスキルLv999+を持つ男の、最高にハチャメチャで超絶ゆるいスローライフが始まった。この力を何に使うかって? もちろん、異世界での己のニート生活を全力でサポートするためさ!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

いかがだったでしょうか?

正直に白状しますと、本当にアイデアが枯渇して「もう無理!」となったノリだけで書きました(笑)。

でも、シイキみたいにチート能力を無駄遣いする超絶怠惰な主人公を書いていたら、なんだか原稿のストレスが良い感じに発散できました。シイキとフィンヤレスのゆる~い凸凹コンビを楽しんでいただけたなら嬉しいです。

さて……そろそろ現実に戻って、溜まっている原稿の続き(ページ作業)を片付けてきますね……。

それでは、また!

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