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千年の約束〜恋綴り風に舞う夢  作者: 愛龍
第5章 Breaking the Chains of Fate

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黒い狂犬の牙

夜霧が鬼の里を覆い尽くしていた。

石畳の上を靄が這い、月は厚い雲に隠れて青白い光だけが残る。

その静寂を破るように、重い靴音が三つ響いた。


霧の帳を割って現れたのは、黒いスーツを纏う三つの影。


同じ顔を持ちながら、纏う気配はまるで異なる。


ケルベロス三つ子――


裏社会の帝王たちの本体である。


先頭の男は、冷ややかな微笑みを浮かべた紳士。

完璧に整えられたスリーピース、その姿は社交界の貴公子のよう。

だが瞳には一片の情もなく、冷たい支配欲だけが光っていた。


隣に立つのは巨躯な男。

ノーネクタイでジャケットのようにスーツを纏う。

吐息ひとつで空気を震わせ、その存在は暴力そのものだった。


最後の一人は細身の若者。

逆立つ髪に月光が稲妻のように走り、瞳には狂気と激情が揺らめく。口元に浮かぶ笑みは、獲物を前にした獣のものだった。


三人が広場に並び立つと、霧は濃く渦を巻き、里の空気が凍りつく。


そして――紳士が冷徹に告げた。

「……鬼の番。殺してやる。」


その言葉は夜を切り裂く刃となり、鬼の里に決戦の幕を下ろした。


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