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プロローグ 鬼の声
R15
転生
前世の記憶
現代ファンタジー
歴史
恋愛
誰も愛せない──そう思って生きてきた。
千年を生きて、幾度も失って、胸の奥はいつも空っぽだった。
あの日…怖がりのお前と出逢って気がついた。
お前も恐れていた。愛されることを、傷つくことを。
二人が出逢ったのがただ互いを傷つけるためだったなら——
それはあまりに悲しすぎる。
けれどそれでも、伝えたい。
偽りなんかいらない、本当の姿だけを見たいと。
不器用に笑う顔…俺はその悲しみを奪いたい。
出会うためだけに、生まれたのなら──変えられる。
過去も、運命も、枷も。俺が全部、切り裂いてやる。
心の底から、伝えたい。
傷つきすぎたお前に
心の底から、愛していると。
降りかかる痛みを、全部拭ってやりたい。
すべてを賭してでも——守るから
千年の物語の始まり