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木曜日

 あれから、彼は、ぼーっとすることが多くなった。声をかけても上の空で、近くへ行って体を揺さぶるまで、私の存在に気が付かないことがある。


 声をかけると、何でもないと答えるが、明らかにおかしい。思い返してみると、彼がこの家に戻ってきてから、一度もベッドで休んでいるところを見ていないのだ。


 彼が大きな事故にあった後なのに、私は幸せな時間に甘えていて、もしかしたら、彼の体や心に大きな負担をかけているのではないか? 私は、彼のことをきちんと気遣っていただろうか?


 そんな疑問が胸の中に生まれた。そして、それは次第に大きくなっていった。

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