表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】窓際編集とバカにされた俺が、双子JKと同居することになった  作者: 茨木野
第7章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/181

97話 札幌デート



 ホテルに到着した俺と菜々子。

 結局同じ部屋に泊まることになった。菜々子は終始顔を赤くしてあうあうと言っていたな。


 未成年と同じ部屋に泊まる。普通に事案だ。確かに合意のもととは言え一般的に許される間柄じゃないし、こんなところ誰かに見られたら普通に問題だろう。


 その時は、俺が泥をかぶる覚悟でいる。

 この子の未来を傷つけないことだけを考えよう。


 ホテルに荷物を置いた俺たちは、昼飯を食べるためいったんホテルを出る。


「……わわ、道路広いですっ」


 大通りを見ながら菜々子が感心したようにつぶやく。

 夏で、しかも帰省シーズンだからか道行く人の数も多いし、車もまたしかりだった。


「……あと、ひんやりですね、空気が」

「だな。東京とは全く違う空気感だな」

「……はい、ぺたぺたしないです。こう、さらさらというか」


 実家である長野ともまた違った肌感覚がする。

 あそこは勘違いする人が多いが、別に涼しいとこじゃないのだ。


 山の間にある盆地に、人里があるため、熱が逃げずに夏はめちゃくちゃ暑い。尋常じゃない。


 まあそれはさておき。


「昼何にしようか?」

「……せんせーの好きなもので」


 にこにこしながら菜々子が答える。


「主体性をもっていいんだぞ」

「……わたしは、せんせーがいいならそれがいいんです」


 妹のあかりとは本当に正反対の性格をしている。

 あの子は自分の中に、したいこと、したいものをきちんと持っている。


 どちらが悪いわけじゃない。好みはそれぞれだ。俺に決めてほしいというのも、主体性のなさからくるではなく、俺が喜ぶほうがいいという主張があるならまあいいか。


「ラーメンとかどうだろうか」

「……いいですねっ! ラーメン大好きです!」


 ばっ、と持っていたカバンからガイドブックを取りだす。


「……このお店と、ここと、ここと、ここがおすすめだそうです!」


 ガイドブックにはたくさんの付箋が挟まっていた。

 どうやら事前に調べておいたのだろう。


 ここもあかりとは正反対だ。したいことはあれど、あまり計画性をもたず、いいと思ったところへフィーリングへ行くからなあの子。


「調べてくれてありがとな」

「……いえ~♡」


 ほめられてうれしかったのだろう。ほわほわと笑う。幼さと賢さが同居している。それが菜々子という女の子なのだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ