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【完結】窓際編集とバカにされた俺が、双子JKと同居することになった  作者: 茨木野
番外編

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189/193

【番外編】

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

  その後、俺は自分の荷物を整理しようと段ボールに手を伸ばした。

 だが、


「ああっ! 光彦様! いけません!」


 すかさず、年配の使用人さんが血相を変えて飛んできた。


「そのような雑事は我々の仕事です! どうかお座りになっていてください!」

「いや、でも、自分の荷物くらい自分で……」

「滅相もございません! 主人の手を煩わせたとあっては、使用人としての沽券に関わります!」


 使用人長さんに強引に段ボールを奪われ、俺は手持ち無沙汰に立ち尽くす。

 食事の準備も、風呂の用意も、何から何まで至れり尽くせり。

 自分でやろうとすると、逆に申し訳なさそうな顔をされてしまう。


「……はぁ」


 俺がまたため息をつこうとすると、るしあが静かに近づいてきた。

 俺の手を取り、優しく諭すように言う。


「仕事を取らないでやってくれ、おかや」

「るしあ」

「彼らはそれで飯を食っているのだ。お前が働けば働くほど、彼らの職務プライドを奪うことになる。……ここでは、『何もしない』のが主人の仕事なのだよ」

「……しかしな」


 理屈は分かる。

 分かるが、染み付いた庶民根性が「働かざる者食うべからず」と叫んでいるのだ。


「……戸惑わせてすまない」


 るしあが眉を下げ、申し訳なさそうに視線を落とした。


「私のワガママを聞いてもらって……ごめんな」

「いや、るしあが謝る必要なんてないが」

「うん……。でも、やっぱりおかやは、外で暮らした方が気楽でよかったかもしれん。お前は根っからの庶民だし、こんな窮屈な場所、息が詰まるだろう?」


 るしあは、窓の外で庭の手入れをしている庭師を見つめながら、ポツリと漏らす。


「じぃじには、孫が私しかいないのだ。口うるさいが、寂しがり屋でな。私が側にいないと、すぐに弱ってしまう」

「ああ……なんとなく分かるよ」

「だから、側にいてやりたいと思った。だが、それにおかやを巻き込んでしまった。……すまない」


 るしあの声が震えている。

 彼女なりに、ずっと気にしていたのだ。

 俺という人間を、この格式ばった開田の家に縛り付けてしまうことを。


 俺は、るしあの肩を抱き寄せた。


「そんなことないさ」


 俺は努めて明るく、そして力強く答える。


「俺は、ここでの生活に慣れてみせるよ。いや、慣れるどころか満喫してやる」

「おかや……?」

「だってそうだろ? 飯は美味いし、掃除も洗濯もやってもらえる。こんな王様みたいな生活、慣れちまえば楽で最高じゃないか」

「む……。お前、意外と図太いな」

「それに――」


 俺はるしあの瞳を真っ直ぐに見つめた。


「多少の窮屈さなんて、無理でもなんでもない。お前と一緒に暮らすための『必要経費』だ」

「必要、経費……?」

「ああ。愛する奥さんと、生まれてくる子供の側にいられるなら、これくらいの苦労、お釣りが来るくらい安いもんだよ」


 俺が笑って見せると、るしあは呆気にとられたように瞬きをし、やがて顔を真っ赤に染めた。

 瞳が潤み、トロンとした甘い色が宿る。


「……っ、馬鹿者。口だけは達者になりおって」

「本心だ」

「……おかや」


 るしあが背伸びをして、俺の首に腕を回してくる。


「愛しているぞ……」


 吐息のような囁きと共に、柔らかい唇が重なった。

 甘く、深い口付け。

 使用人たちの気配も、広すぎる部屋の居心地の悪さも、この瞬間だけは全て消え失せた。


「んっ……ちゅ……」


 何度も角度を変えて、唇を啄む。

 これから始まる新生活。

 色々と大変なことはあるだろうが、この愛おしい妻がいる限り、俺はどこでだって幸せになれる。

 そう確信した瞬間だった。

【お知らせ】

※2/5(木)


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