表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/180

158話 実家へ



 あかりと菜々子は、るしあのお手伝いさん、三郎の運転するリムジンに乗っていた。


「しっかしあかりちゃんよぉ、いいのかい? 岡谷さんに黙って出て行ってさぁ」


 三郎が心配そうに聞いてくる。

 そう……あかりと菜々子は、決着を付けるため、あのまま東京を出立したのである。


「うん。これは、アタシとお姉だけで解決するべきこと……家族の問題だから」


 あかりたちが決着を付けるべき課題。

 家族の問題。


 二人はそもそも、家出してきていたのだった。

 あかりたちは最近が充実しすぎてて、それを忘れかけていた。


 否……目をそらしていた。

 けれど、結婚となると、やはり家族に何も言わないというわけにはいかない。


 自分たちは未成年なのだ。

 いくら法律が変わって、重婚OKになろうと、自分の立場が変わるわけではない。


 許可はもちろんもらえないだろうが、保護者に一言言っておかないといけない。

 筋は通しておかないと行けない。


 その役目を、岡谷に押しつけるわけにも……。


「…………」


 あかりの脳裏によぎるのは、最悪の母。

 そして……最悪の、父。


 どちらも顔を合わせたくない。でも……


「大丈夫、あかりちゃん」

「お姉……」


 隣に座る菜々子が、あかりの手を優しく、けれど、強く握る。


「乗り越えよう、二人で」


 姉の手が震えてるのがわかった。

 そうだ、男嫌いの姉にとって、父はもっとも苦手な相手。


 父の被害にあっていたのも、姉ではないか。

 自分以上に、姉は父に会いたくないに決まっている。

 それでも、付いてきたのだ。本気で、岡谷と結婚するために、覚悟を決めてきたのだ。


「…………うん。がんばろ、二人ならできるって、ね」


 いつもなら、あかりは明るく姉を励ましていた。

 でも今それはできない。不安の色の残る表情を浮かべたまま、彼女たちは実家へと向かうのだった。

【★大切なお知らせ】


好評につき、連載版をスタートしました!


『 【連載版】虐げられてた片田舎の治癒師、自由気ままに生きる〜辺境の村で奴隷のようにこき使われてた私、助けた聖獣とともに村を出る。私が居なくなって大変お困りのようですが、知りません』


広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!


リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n9600jj/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ