表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
157/180

157話 過去と向き合う



《あかりSide》


 あかりは、みんなでハッピーエンドへ向かうことを決意した。

 あかりは涙を拭うと、スマホを取り出す。


「あかりちゃん……? 何してるの?」

「…………」


 姉が心配そうにこちらを見てくる。あかりは、意を決したように言う。


「【あいつ】に、話する」

「……!」


 姉はすぐにあかりが誰のことを言ってるのか、察しが付いたようだ。

 るしあは首をかしげながら尋ねる。


「あいつとは誰だ?」

「……あたしとお姉の、生みの親」


 母親、とは言いたくなかった。あかりも菜々子もあの親に散々苦労させられてきたのである。


「そういえば……おまえたちは家出してきていたのだったな。忘れてたぞ」

「そーね。半年も前のことだもの」


 今は冬。あかりたちが家出してきたのは夏。あれから半年しかたっていない。

 多分向こうの環境は、状況は半年たっても変わらないだろう。


 母親の電話番号も、まだ、変わってないはずだ。


「お姉。ケリ……つけなきゃ、だよね」


 あかりたちは前に進むと決めた。そのためには、過去との決別をすませなければいけない。

 過去、すなわち、生みの親たる母親との決着だ。


 これを終わらせない限り、岡谷かれとの明るい未来は訪れない。

 ……過去と、親と向き合うのは……怖い。でも……。


 スッ……と姉があかりの手を取って微笑む。

「あかりちゃん」

「お姉……」


「いこう。あの人のもとに。決着……つけに」

「うん!」


 こうして伊那いな姉妹は、岡谷との未来のために、己の過去と向き合うことにしたのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ