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151話 愛

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窓際編集2巻、7/15発売です!


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挿絵(By みてみん)


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 俺は駅前の喫茶店へとやってきた。

 いつも打ち合わせに使ってる、【あるくま】という喫茶店だ。


 一花はスーツ姿だった。仕事中でも、彼女はすぐに来てくれる。

 本当に優しい人だ。……だからこそ。


 俺は一花にすべてを語った。

 木曽川たちの件は高原氏が処理したと。

 あかりを慰めるために、彼女を抱いたこと。


「すまん、一花」

「…………」


 俺は一花に、けじめを付けるとか、かっこいいことを言っていた。

 でも結局は、あかりを抱いてしまった。かなり最低なことをしてるのは自覚してる。


 だから……。


「俺と……」

「それは、だめ」

「一花……」


 一花はフルフルと首を振った。

 彼女がまっすぐ俺を見やる。彼女は微笑んでいた。


「大丈夫。あたし……岡谷……ううん、光彦くんのこと、わかってるから。大丈夫。怯えていたあかりちゃんを、慰めるために抱いてあげたんでしょ?」

「…………ああ」


「じゃあ、いいよ」

「よくないだろ。俺は……おまえと……」


 一花を選び、この先生きていこうと思った。でも、結局……。


「やってるのは、木曽川と同じだよ、俺は。大事な人がいるくせに、他の女を抱いてる」

「ううん、違うよ。全然違うよ。光彦君は、あの人と違う。怯えていた子を慰めるために、優しく抱いてあげたんじゃない。自分の欲望を満たすためだけに、女を抱いていたあいつとは……違うよ」


 ……一花。

 彼女は本当に、俺を責めようとしない。優しい人だ。だからこそ……。


「ありがとう。でも……やっぱりおまえは、もっと良い男のそばにいるべきだよ」


 こんな、優柔不断な、妻の浮気にも気づかないような、窓際編集より……。

 一花にはぴったりな人が居るって、絶対。


「じゃあ、それは君の隣だよ」

「一花……」

「大丈夫! 光彦君がどんな人でも、君が君なら、あたしは君を受け入れるから。君の、駄目なところも、全部含めて……」


 一花は俺の手を握って微笑む。


「あたしは、光彦君を愛してるよ」

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― 新着の感想 ―
[一言] まー一花の方から三行半叩きつけない限り、別れるってのはないわ。 法的にどうなるかはさておきハーレムも受け入れるっぽいしな。 てかあんまうじうじ言ってると、むしろ光彦がただ逃げたいだけとしか取…
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