145話 さよなら木曽川
【※読者の皆様へ】
今回のあとがきは、
「全ての読者様」にお読みいただきたいです!
1分も掛からないので、最後まで目を通してくだると幸いです。
木曽川は懲役90日の刑に処された。
投薬のせいで、彼は現実の1分を、90日に感じるようになった。
繰り返される拷問の日々。
終わらない悪夢。
それによって木曽川は、すっかり廃人と化していた。
90日の懲役を終えた彼は、街をふらふらと歩いていた。
完全に廃人となった彼は、あてもなく街をさまよい歩く。
誰も、彼が20代だとは思わないだろう。真っ白な髪に落ちくぼんだ目。
体はげっそりとやせ細っており、どう見ても老人にしか見えなかった。
「どう……して……」
どうして、と何度も木曽川は繰り返す。
どうしてこんなことになったんだろう。
どこで、道を踏み外してしまったのだろう。
自分は勝ち組だったはずだ。
イケメン、高身長、大企業に勤めて、女にも困らない。
順風満帆な人生だったはずだ。だが、気づけば彼は社会の最底辺にまで落ちぶれてしまった。
もう、取り返しがつかない。
ならもういっそ……。
「あぶない!」
「トラックが!」
キキーッ!
気づけば、木曽川は宙を舞っていた。そして、ぐしゃりと地面に落ちる。
腕が、足が、変な方向をむいている。
体からびっくりするほどの大量の血が漏れている。だというのに、まったく痛みを感じなかった。
「ああ……」
やっと、終われる。
死に際、彼は笑っていた。とても嬉しそうに。
全てを失った彼にとっては、死ぬことが唯一残された、最後の希望だったのだ。
「おれ……なにしてんだろ……」
彼は最後の最後に気づいた。
死ぬことが、たった一つの希望。そんな風になってしまったのは、すべて、自分のせいだった。
自分さえよければいいと思って行動した結果が、これだ。
結局、自分が悪かったのだ。
「おれ……ばかだったなぁ……ほん、と……」
最後の最後の最後に、彼は、自分の愚かさに気づいた。
もっと早くに気づけていれば、こんなみじめな最期を迎え無かったろうに。
馬鹿は死ななきゃ治らない、とはよく言ったものだと、彼は最後にそう思い、人生に幕を引いたのだった。
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