143話 元妻、逃亡を図るが、警察に捕まる
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
岡谷の元妻、ミサエ。
彼女は、開田高原の怒りに触れてしまった。
岡谷の依頼で、高原はミサエを始末することになった……。
「はぁ……! はぁ……! げほっげほっ!」
ミサエは現在、高架下で震えていた。
「ちくしょう……ちくしょおぉ……なんでこんなことに……」
ミサエと十二兼敏恵は、贄川三郎の運転するリムジンに乗せられた。
そして、いずこへと運ばれてる最中……。
ミサエは走行中のリムジンから飛び出して、そして逃走したのだ。
ドアから飛び出したのは、橋の上。
ミサエはそのまま川に飛び込んだ。
……そして、現在に至る。
「いってええ……ちくしょぉお……いたいよぉお……」
ミサエは全身ずぶ濡れ。
さらに、リムジンから飛び出した際に、腕と、そして肋骨を折ってしまっている。
ソンな状態で川にダイブしたのだ。
体へのダメージは深刻だった。
「とに……かく……にげないと……にげ……にげないとお……」
逃げるといわれても、帰る場所なんて
……自分にはない。
岡谷のもとをさってから、実家に気まずくて帰れず、ホームレス生活を送っていたから……。
いや。
「もう……プライドは捨てよう。お父さんたちに、頼ろう……」
ミサエはもう、親に頼るしか道は無かった。
……ここに至ってもまだ、他力本願なのは、さすがと言える。
ミサエは痛い体を引きずりながら、実家へと向かう。
そして……。
「なに……これ……」
ミサエは、愕然とした。
目の前にあるはずのものが、ないのだ。
「わ、私の家は……? なんで……更地になってるのぉ……?」
ミサエの実家が、消滅していたのだ。
比喩では無く、本当に。
長野家の実家が、消えていたのである。
「え、え? 意味わからない……なんで? お父さんとお母さん、家を売って引っ越したってことぉ?」
ぶつぶつとつぶやくミサエを、通行人達が不審者を見る目で見てくる。
ミサエは通行人の一人に近づいて尋ねる。
「ねええ! ここに家あったよね!? どうしちゃったの!? 引っ越したのぉ!?」
通行人はびびって、逃げようとする。
だが、その手を掴んで問い詰めまくる。
「し、知らねえよ! ついこないだまで家あったけど、気づいたら消えてた。解体業者が来て、あっという間にぶっ壊してったよ」
「そんな……じゃ、じゃあ! 住んでいた人たちは!? 長野家はどうなったの!?」
すると……。
「長野さん? そんな人……いたかな……?」
「……………………は?」
何を言ってるんだろう……。
長野家、つまり、親はここに住んでいたはず。
家が壊されたということは、彼らはどこか、別の場所にいるってこと。
「わ、私のお父さんとお母さんは……?」
「し、知りませんよ!」
そういって、通行人が去って行く。
親がいなくなった。
どこにいるのか、わからない。
携帯も、財布も、持っていない。
連絡が取りようがない。
「そんな……」
と、そのときだ。
「あー、君、ちょっと話しきかせてもらえないかい?」
コートを着た、サングラスの男が、話しかけてきた。
「な、なによぉあんたぁ?」
「ぼくは公安の刑事さんだよ」
ほら、と言って警察手帳を見せる。
【贄川 無一郎 公安局公安部刑事】
「ちょぉっとお話きかせてもらえるかな?」
警察……。
警察!
「助けてぇ! 私、悪い奴らにおわれてるのお!」
親が頼れない。ならもう、国家権力に、守ってもらうしかなかった。
「悪いやつって?」
「おー、いたいたぁ」
……そこへ、サングラスをかけた、巨漢があらわれる。
贄川三郎。
自分を、どこかへ拉致しようとした男だ。
「あ、あいつです! 私のこと、拉致しようとしてきたんです! あいつを捕まえて! 早くぅう!」
すると……。
「あれ、とーちゃん?」
「やぁ、三郎じゃ無いか」
なんということだ。
三郎と、この刑事が、朗らかに話してるでは無いか。
「どうしたんだい、三郎」
「そいつ探してて。高原様から、そいつ【処分】しろって言われてたの。逃げられちゃってさぁ」
「もー、だめだなぁ、三郎は」
がちゃんっ。
「………………え?」
刑事が、ミサエに腕に手錠を嵌めたのである。
「え?」
「はい、三郎」
「お、さんくすとーちゃん」
……意味が、わからない。
警察が、どうして、この男に味方する?
どうして……!?
「相手が悪かったね。開田高原は、警察にも干渉できる御仁なのだよ」
「!?!?!?!?!?」
なんだ……それは。
警察が……まさか、あの老人の……味方?
警察にまで影響力を持つ、権力者……ということなのか。
それを敵に回してしまったのか……。
「そんな……ただ、私は……ただ……浮気しただけ……なのに……どうして……こんな目に……」
すると三郎が一言。
「いや、浮気したからっしょ? 浮気はだめって、法律で書いてあるっしょ?」
……ぐうの音もでないほどの、正論だった。
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