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131話 冬のボーナス

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。



 あくる日、俺はSR文庫のオフィスで仕事をしていた。

 イラストレーターとの打ち合わせを終えて電話を切ると、ちょんちょん、と背中をつつかれる。


「や、岡谷君。頑張ってるね」

上松あげまつさん」


 眼鏡をかけた優しそうな男性職員が立っている。

 彼は上松あげまつ 庄司。


 このSR文庫の編集長であり、社長でもある。

 また神作家カミマツ先生のお父様でもあられる、そんな凄い人だ。


 けれど彼は前の会社の社長のように、決して偉ぶらない、俺たち社員ひとりひとりを大事にしてくれる。

 とてもいい人だ。


「年の瀬だってのに頑張るねえ」

「年の瀬って……まだまだ先じゃあないですか?」


「何を言ってるんだい、岡谷君。もう2週間もすれば年末だろう?」


 上松あげまつさんがカレンダーを指さす。

 ……ほんとだ。

 

 今は12月中旬。

 もうちょっとで年末だ。……その前に、来週はクリスマス……クリスマスか。


 うちはどうするべきだろうか……。


「岡谷君?」

「あ、すみません。で、何かご用でしょうか?」


「あ、うん。ボーナス受領のはんこもらえるかな」


 上松あげまつさんが回覧板を持ってくる。

 俺は受領のはんこを押す。


「はいこれ明細書ね」

「ありがとうございます。ちょうだいいたします」


 ……そうか、もう冬のボーナスの時期か。

 今年は色んなハプニングがありすぎて、すっかり忘れていたな。


 どれくらいもらえるのだろうか。

 前職のときは、大手出版社ってことでかなりの額がもらえていた。


 転職した今年は、果たしてどれくらい……。

 って、え!?


「どうしたの、岡谷君……?」


 ……明細書に書かれていた、ボーナスの支給額。

 タカナワに居た頃の……倍額だった。


「こ、こんなもらえないですよ!」


 思わず声を張り上げてしまう。

 タカナワの時でさえ、結構な額だった。それを超えるほどの金をもらえるなんて……。


 嬉しいという気持ち以上に、申し訳なかった。

 SRは始まったばかりの企業。


 一社員ごときに、こんなに金を払って良いわけがない。


「何言ってるの。君はそれくらいもらって当然の働きをしてるじゃあないか」

「いやそんなことないですよ」


「いやいや。君のおかげで、SRは好スタートを切ることができた。出した本すべて順調。しかも君は白馬先生とともに、XX(ダブルエックス)という傑作を作り上げた。今年こんなにも君は、この会社に貢献してくれてるじゃあないかい」


 SRは今年スタートして、ありがたいことに、全ての本の売り上げは順調だ。

 王子と作ったXX(ダブルエックス)は、あのカミマツ先生と比肩するほどの傑作に仕上がったと自負してるし、売り上げの数字も良い。


 確かに、色々やった。

 でもさすがにこの額はもらいすぎじゃ……。


「ぼくはね、頑張ったら、頑張った分人は報われるべきだと思ってるんだ」

上松あげまつさん……」


「岡谷君と佐久平さくだいら君、君ら二人がすごくすごく頑張ってくれたおかげで、SRはここまで成長できた。これはその頑張った分のお礼だよ。少ないくらいかな?」


 ……なんだか、泣きそうだった。

 タカナワにいたころは、頑張って当たり前で、その努力に対して、ほめられることなんて皆無だった。


 でもここでは違う。上松あげまつさんはちゃんと俺の努力を見てくれていた。

 頑張った分の報酬をくれた。……それがうれしくて、俺は何度も頭を下げる。


「ありがとうございます」

「感謝なんて必要ないよ! これは頑張った分のご褒美、君がもらって当然の報酬なんだから。むしろ、こっちこそありがとうだよ。君の頑張りのおかげで、素敵な本がたくさんできたからね」


 ほんと、この人について、前の職場を辞めて良かったって、そう思ったのだった。

【★☆読者の皆様へ 大切なお知らせです☆★】


新作の短編投稿しました!

タイトルは、


『大魔導士は田舎でのんびり人生を謳歌する~「おっさんは必要ねえんだよ」と勇者パーティをクビになった俺、実は仲間にレベルを奪われてただけだった。呪いが解けて弱体化したみたいだが俺にはもう関係ない』


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