121話 冬
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
俺の名前は岡谷 光彦。出版社で働く、しがないサラリーマンだった。
ある日、妻に浮気された夜、双子JKの伊那 あかりと伊那 菜々子姉妹と再会する。
それから色々あり、伊那姉妹、担当作家の開田 るしあ、大学時代の友人、贄川 一花果ては義妹のみどり湖とまで、仮の恋人という関係を持つようになっていた。
この状況が、異常であることはわかっている。
ここは日本だ。一夫多妻が通じるのは、ファンタジーの世界だけ。
それとわかっていても、俺はこの温かく……ともすれば生ぬるいと言われても仕方ない関係に、どっぷりつかって離れられないでいるのだった。
★
菜々子が獣医になると決意してから、季節は巡り、12月の初旬。
東京もかなり寒くなってきた。
実家の長野のような、肌の出てる部分全てが凍てつくような空気はない。
けれど、ビルの間から吹く風に身震いするような、そんな季節。
しかし俺の目覚めはいつだって、温かい。
すぐ目の前に、裸身の美女が横たわっているのだ。
「すぅ……すぅ……んぅ……」
彼女は、贄川一花。大学時代の同期であり、今では彼女(暫定)として同棲してる。
昨晩は彼女と激しく求め合い、それ以降の記憶が無い。
一花は始める前は照れて自分からはなにもしてこないが、一度始めると、歯止めがきかなくなる。
また、彼女の方が腕力が上なので、逃がしてくれないのだ。
「…………」
温かく、とてもいい匂いがする。
毎朝こうして気分良く目覚められるのは、一花をはじめとした、俺のカノジョたちがいるおかげだ。
「…………」
でも、それがいけないことくらい、わかってる。
結論をつけなければいけないのも。でも……俺の心は、倫理観や一般常識よりも、目の前にある快楽の波に、流されてしまう。
「ん……おかやくん?」
ぼーっとした表情で、一花が俺を見てくる。
寝起きで、化粧していない一花は、普段より幼く見えて可愛いと思う。
「朝ぁ……?」
「ああ」
「そっか……じゃあおきる……ぐー……」
そう言って眠る一花が可愛らしくて、俺は彼女の髪の毛をなでる。
女性の体は、本当にどこを触っても、心地よいなと思う。肌も髪の毛も、全て。
「おあついですなぁ~?」
「……あかり」
「よっす、あかりんでーす」
制服の上からエプロンを身につけた、この金髪のギャルは、伊那あかり。
俺が塾講師をしていたときの、教え子だ。今は色々あって俺と一緒に暮らしてる。
「昨日はおたのしみでしたね~♡」
このマンションの壁は防音がしっかりしてる。
壁やドアに耳を当てても声は聞こえない。ということは、からかってるっていうことだ。
「おはよう」
「ちぇー、おかりんつまんなーい。動揺しないんだもん」
「まあ」
みんな事情を知ってるやつらばかりだからな。