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117話 スーパー獣医《ドクター》



 俺はJK姉菜々子とともに、北海道にやってきてる。

 北海道の札幌市にある、北海道大学。そこの獣医学部のオープンキャンパスに、俺たちは参加する。


「お、おっきいですねぇ……北大」

「だな……ちょっと想像以上だったな」


 大学の敷地の中に入ったのだが……。

 ちょっとした自然公園みたいになっていた。


 緑豊かで、あちこちにデカすぎる池がある。


「……迷子になりそうです」

「だな。まあ、気をつけていこうか」


 ……10分後。


「迷子になりましたー!」

「……すまん、キャンパスがデカすぎて迷った」


 地図を持ってたんだが、集合場所である獣医学部の建物が、どこにあるのかさっぱりわからないでいた。


「どうしましょう……」


 と、そのときである。


「お嬢さんお兄さん、お困りですかい?」


 ひょろっとした、白衣を着た男が俺たちに声をかけてきた。

 菜々子はびっくりして、俺の後ろにかくれる。


 白衣の男は……30くらいだろうか。

 無精髭に眼鏡をかけてて……。


「「あれ?」」


 俺と、【彼】との声が重なる


「「なんでここに、あなたが?」」


「せ、せんせー? お知り合い?」


 後ろから尋ねてくる菜々子。

 俺はうなずいて言う。


「ああ。この人は……飯田いいだ哲朗てつろうさんだ」

「いいだ……てつろー?」

「聞いたことないか? 【スーパードクター】」


 菜々子は首かしげている。

 一部では有名なんだがな。


 飯田さんはニコッと笑って俺たちに挨拶をする。


「はじめまして。お嬢さん。おれは飯田哲朗。またの名を、スーパードクター! なんつってな」

「……ど、どうも。あ、あの、せんせーとはどういうご関係で?」


 そこを説明しとかないとな。


「今度王子が……白馬王子が、新作を出すんだ」

「せんせーが担当する、ラノベ作家の?」

「そう。王子は今度医療物の新作を出すことになったんだ。で、そのときに取材したのが、彼。スーパードクターの飯田さん」


 知り合いで当然だ。

 俺から彼に、取材を依頼したんだからな。


「その節はどうも。あ、そうだ。読みましたよ、【スーパードクターXX】。めっちゃいいっすねー! おもろかったです~」


 社交辞令だろうか、それでも担当作家の作品が褒めてもらえてうれしいものだ。

「ありがとうございます。先生のおかげで、すごい良い作品がかけました」

「そりゃあ重畳重畳。お役に立ててなにより。てか君らどうしてここに?」


 俺は菜々子が北大のオープンキャンパスに来ていることを説明。


「おー、そうなんだ。未来の後輩候補か~」

「後輩、ですか??」

「そ、おれここ出身なの。北大獣医」

「え、でも飯田先生は、人間のお医者さんでは……?」


 不思議がってる菜々子に、俺が補足説明を入れる。


「飯田先生は医師免許だけじゃなくて、獣医師の免許ももってるんだよ」

「へえー! す、すごいです……! 人間も動物も治せるなんて!」


 そういや、資料のなかに北大出身って、あったかもしれない。

 最近年取ってど忘れすることが多くなってきてる。歳かな……。


「どうもどうも~」


 ふと、俺は口にする。


「飯田先生。よければ集合場所、どこか教えてもらえないでしょうか? 俺たちちょっと迷子になってしまって」

「おー! おっけおっけ。じゃ案内するよ」


 よかった、偶然知り合いにあえて。


「せんせーのおかげです! オープンキャンパス、遅刻せずすみました!」

「いやいや偶然だよ」

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