表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/180

114話 緊張するあかり



 JK姉菜々子のつきそいで、北海道に来ている。

 嫉妬したあかりが妹のみどり湖、担当作家のるしあを連れて、北海道へとやってきた。


 開田かいだ高原こうげん氏の用意したスウィートルームに泊まっている俺たち。

 とつもなく豪華な食事をして、ひとっ風呂浴びた後。


「さ、おかりん♡ えっちしよーぜ♡」


 JK妹あかりが、そんなことを突然言う。

 ものすごい屈託のない笑顔だ。


 この子の情操教育に不安がつのる。


 俺はあかりの綺麗な金髪に、ちょん、とチョップする。


「何言ってんだおまえ」

「だってだってだって! るしあとも一花さんともやったんでしょ!」


 俺は複数人の女性と恋人関係を持っている。

 それは世間一般からすれば、異常なことだとは承知している。


 だが全員が納得してるし、俺自身も、彼女たちから元気や、癒やしをもらっていて、離れられないと思っている。

 駄目だとは思っていても、関係を拒むことはできなかった。が……。


「それとも、アタシとじゃ……や?」

「…………」


 俺はあかりの肩をつかむ。

 彼女がびくんっ、とこわばらせる。


「な、なに?」

「おまえ……こんなに緊張してるじゃないか」


 あかりが生娘のように、顔を真っ赤にして、体を震わせていた。


「き、緊張なんてし、して、ないし~?」


 目を泳がせるあかり。みどり湖があきれたようにため息をつく。


「いやめっちゃ、びびってんじゃん」

「び、びびってねーよ! あかりちゃんはほら、ひゃ、百戦錬磨だし!」


 そういや、この子は昔から強がりなとこあったからな。

 大丈夫だって口で入ってても、実は……ってことが、塾講師時代何度もあった。

「あかり」

「な、なに?」

「俺の目を見てみ?」


 俺はあかりの青い瞳をじっとのぞく。

 一秒もしないうちに、顔を真っ赤にして、さっと目をそらした。


「……緊張してるじゃないか」

「だ、だ、だって! だって……しょうがないじゃん……好きなんだもん、おかりんのこと、だいすきなんだもんっ! だから……失敗したくないって……だから……」


 あかりは消え入りそうな声音で、そういうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
緊張を隠して強がってるあかりんが可愛い!愛おしい! おかりんがうらやましすぎる~
[良い点] ギャルの見た目から実は一番乙女の可能性ありのあかりさん…他では百戦錬磨みたいな顔してるのも面白いw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ