108話 じいさんパワー
【★☆★読者の皆様へのお知らせ★☆★】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
照れる菜々子を連れて、俺たちは札幌のホテルへと戻ってきた。
「ん?」
「どうしたんですか、せんせー?」
「いや、なんか妙に、ホテルに人がいなくないか……?」
札幌駅近くのほどほどに高いホテルに泊まっている俺たち。
最初にチェックインしたときは、ラウンジで待ってる人もいたし、観光客の姿もあった。
だが、今ホテルに帰ってきたんだが、入り口付近に人がいない。
受付嬢しかいなのだが……。
どうにも、みんな表情が硬いのだ。
「お、お帰りなさいませ岡谷さま!」
支配人らしき男が、俺の前までやっていて、何度も何度も頭を下げる。
いやにかしこまってるな。
「ご挨拶が遅れて大変申し訳ございません! 支配人の平田と申します!!!」
「は、はあ……」
「いつも高原様にはお世話になっておりまして、はい!」
高原……さま?
まさかるしあの祖父の高原さんのことだろうか。
前にるしあの実家に行ったときに出会ったことがある。
孫のことをとても大切にしてる、いいお爺さんだった気がするのだが……。
「岡谷様! 今からお部屋お代えいたしましょうか!」
「いいえ、別に変える必要ないんですが」
「そんなこと言わずに! このホテルで一番高いお部屋をご案内いたしますので! はい!」
なんでそんなことに?
別に今の部屋で十分だしな……。
だが平田さんは譲る気がないのか、何度も部屋を進めてくる。
「……いきなりどうしたのでしょうか?」
「わからん……」
とそのときだった。
「お、おかや! ぐ、偶然だなぁ」
「るしあ……それに、あかり、みどり湖まで……」
いつの間にか、俺の仮の恋人たちが、立っていたのだった。