02懐かしの味?
三話ですよろしくお願いします
「ふぁ……。んーっ。ハァーっ。よく寝た………」
フィムロは背伸びをして
体をコキッと鳴らす
すると外からビッビッと音が聞こえた。
『そっか、仲間ができたんだ。とりあえずおはようを言わないとね…』
僕が外へ出るとクルトが素早い動きで爪で引っ掻く動作やバク転をしていた。
「おはよう、クルト。...あれ?クルト?」
クルトが僕の方を向いた。すると僕に向かって走ってきた。
ヒュン!!
「え...!?」
早すぎて見えなかった。頬がチクッとする。どうやら切れたみたいだ。クルトはそのまま体制を変えて両足で僕を蹴った。
「ぐ...!どうしたんだ...クルト!」
来るのはわかっていた...だが予想以上にクルトのスピードは早く、もう目の前にいる。
『まずい...!!このままじゃ...!!』
僕は目を瞑った。
しかし、何も起こらない。目を開けてみると爪は目の前で止まっていた。
「へへっ、どうだ、ビックリしたか?」
僕は口が空いたままになった。どうやら、殺す気ではなかったみたいだ。
「ビックリしたよ…!!」
「ごめんごめん、驚かせようとしたんだ」
クルトはそういうとフィムロの頬に回復魔法をかけて傷を直す。
グゥゥゥ〜
「お腹すいちゃったね、朝ごはん食べよっか」
「確かに、腹減ったなぁ」
フィムロ達は1度テントへ戻った。
「ごっはん~ごっはん~」
「君はいつもいつも元気だね……」
フィムロの前にはノリノリのクルトの姿があった。
「にしても。何作ってんだ~?」
「ヤクルって言う料理だよ」
鍋に様々な具材が入っており、白いスープのようになっていた。
「聞いたことの無い料理だな」
「僕が昔付けていた手帳にあったんだ」
そう言うとフィムロはクルトに懐から出した手帳を見せた。
「ふむふむ...ん〜わかんねぇなぁ」
(見たことない字だな....)
クルトは見たことのない文字を見て驚いていた。
「はい、完成したよ」
そう言ってフィムロは皿に盛り付け、クルトに渡す。
「おぉ〜美味そうだな!!んじゃいただき」
「あ、熱いから気をつけ..」
「あちゃぁぁぁ〜!!」
「遅かった...」
「ゆっくり……ね?」
「うう……情けねぇ」
見事、舌を火傷したクルト
「でも……驚いた……獣人の掟」
「ああ、仲間になったら一年間共に過ごさないといけない、アレね」
そう獣人には掟がある。
共に戦う為には仲間になり、共に一年間共に過ごさないといけない掟があるのだ。
「そういやお前、何処に向かってんだ?」
「時々夢に海が出てくるんだ………」
「海?」
フィムロはこくりと頷く
「……うん、そこにお母さんが居て、一緒に遊ぶ夢、そこ……目指す……」
「お前手掛かりの無い所目指してんのかよ?!」
「うん....そう、なるね」
「昔のこと何か思い出せないか?」
フィムロは黙り込んでしまった。しばらくして顔を上げるとフィムロの体がビクッとした。
......バタッ。
「お、おい、フィムロ?おい!フィムロ!!」
意識が薄くなっていく。声が遠くなっていく。
フィムロは気を失った。
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