表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/82

36# 神聖な場所にオーデーンあらわる。

「師匠!それは私のです!大事に育てていたのに!」


「早い者勝ちでしょう?そんなのは。」


「ディアーナ、それは俺が育てていたがんもどきだ。」


……ガンモドキって……ナニ?


ロージアは聞いた事の無い言葉を聞きながら目を覚ます。


自分の中の最期の記憶は、焦土と化したバクスガハーツ帝国の上空でディアーナに身体を貫かれ、身体が砕け散った瞬間。


白い白い世界。

白すぎて床と壁の境目すら分からない。

そもそも壁があるかも分からない。

そんな場所に居る自分…。


そんな厳かで神聖っぽい感じの白い世界で、ディアーナと黒い男、兄を騙った偽物のレオンハルト皇帝が低いテーブルに寄せ集まって何かをしている。


「だから師匠!!そのタコの足は私が狙っていたと!!」


立ち上がったディアーナと、ロージアの目が合う。


「………ディアーナ……何してんの……?ここ、どこ…?」


ロージアの声に、ジャンセンとレオンハルトもロージアを見る。


二人とも口からナニかはみ出している……キモチワルイ。

何……何なの…?


「ここは創造神界、神の世界よ!ロージア、おはよう!気分どお?お腹空いてない?おでん食べる?」


おでん……?て……ナニ?


「僕……生きて…る?」


「生きてるとゆーか、死ねないからね!ロージアは。私達と一緒で。」


ディアーナはロージアの傍に行き、その手をとって土鍋の置かれたちゃぶ台に連れて来る。


「…あ、あの……僕……」


ニコニコと微笑む黒髪に黒目の男と、苛ついた顔で冷たい視線を投げ付けてくる金髪の男。


まるで針のむしろに座らされているかのようだとロージアは思った。


「ディアーナの事…!本当に好きで…っ…わ!」


「うんうん、可愛い妹分に愛してるとか言われて、おねぃさんも嬉しいわぁ!」


ディアーナは背後からロージアを抱き締めつつ、さりげにロージアの胸を触る。


糸こんにゃくをすすりながら、冷めた顔で見詰めるレオンハルトはぼそっと呟く。


「まさか僕っ娘とはな……つか、たまたま女の形なだけで性別自体は無いのだっけ?」


「そうですね、私も性別はありませんしね。男性の形なだけで。ロージアはリリーと同じく皇太后の形をとってますから女性型寄りですね。リリーより中性的ではありますが。」


おでんを肴に、日本酒らしきモノをチビチビやりながらジャンセンが言う。


「そんなのでディアーナを抱くとか、よく言えたな…つか、何となくソレっぽい事をしようとしたみたいだが、よく分かってなかったんだろうな…まぁ、あの様子じゃ…男型になった所で、もうディアーナをどうこうしようとは思わないかも知れないが。」


「……でしょうね………姫さん、ロージアが真っ赤になって震えてるから、やめたげなさい。変態。」


ディアーナに全身まさぐられたロージアは、ディアーナの腕の中でグッタリと脱力していた。


「な、な、何なの!これ!すごい恥ずかしいし!すごい疲れる!!やめて!!」


真っ赤になり涙目のロージアは、怯えるように自身の身体を抱き締め、ディアーナから距離を取ろうとする。


「ほう…羞恥心が芽生えたとな?これは更に、おねぃさんがエエ事を……」


怪しい笑みを浮かべ手指をワキワキとイヤらしく動かすディアーナに、怯えたロージアが後ずさる。


「だから、やめろと言っている。この、セクハラ変態女神。」


ディアーナの脳天にジャンセンのチョップが炸裂した。


「ぐふっ!」





白い白い神の世界。

そんな神聖な場所に在るはずが無いのに、なぜかある、土鍋が置かれたちゃぶ台。


それを囲むジャンセンとレオンハルト、そしてロージア。


ディアーナはジャンセンの後ろで正座で反省中である。


「もう、自分が何者かも生まれた理由も分かったよね?」


ジャンセンが微笑みながらロージアに尋ねれば、ロージアはコクリと頷く。


「君に課せられた宿命は重いけど、君が君を全うするために、私達は君を愛するし大事にしていくよ?」


「……どういう…意味?」


ロージアはジャンセンにからかわれた記憶しかなく、警戒して口数を減らす。


ジャンセンの背後からディアーナが飛び出すように身を乗り出すと、ロージアに満面の笑顔を向ける。


「つまり、魔王やってない時はダラダラ好きな事をやっていていいし、私達家族があなたを愛して見守っていてあげるって事ね。……可愛い妹だもの……ふふ…」


「俺はまだ、完全に許したってワケじゃないんだよな。キスだってなぁ、なんでロージアは良くて、オフィーリアは駄目なんだか納得いかねぇし…俺もオフィーリアの時に口移しでブドウ食わせて欲しい。」


ふて腐れたように言うレオンハルトに、冷めた口調でディアーナが言う。


「口移しでバナナ食わせてやるわよ。」


「唇、届かねーよ!届かせようとしたら、オエッてなるわ!」


アホな会話を神の世界で聞いているロージアは、何も無い白い空間をボンヤリ見ていた。


ディアーナはアホだ…。そんなディアーナを含む、神の家族になるのか…僕が…………


「なんだか疲れそう………。」


ロージアの言葉に、ウンウンと頷くジャンセンとレオンハルトを見て、ロージアはヘラリと力なく笑った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ