1# 拐われましたわ。リターン
とにかくディアーナを暴れさせたくて書いてます。
なので、本編から離しました。
私は今、捕らわれています。
また…ですね、ハイ、またです。
ディアーナは今、軍人達が慌ただしく動くキャンプ地に連れて来られている。
腕を後ろ手に縛られているので、保護されている訳ではないようだ。
軍人が一般人を拉致?どーゆーこと?
「国に帰るのに、いい手土産が出来たな!」
「周辺の町や村の若い娘を何人か手に入れたからな!」
ディアーナは「ケッ」と吐き捨てるように声を出す。
侵略者かよ、と。
ディアーナは後ろ手に縛られたまま、鍵付きの馬車に乗せられた。
中にはディアーナの他に三人の少女が居た。
その中に…
「おフッブィ…!」
ディアーナは噴き出した。ちょっと!これデジャ・ビュ!
オフィーリアいるじゃん!またですか!?
「あなた…見かけない顔だけど…旅人…?」
オフィーリアに話しかけられた。
声のトーンがレオンハルトのオフィーリアと全く違う。
よく見れば、オフィーリア似の美少女は紫の瞳をしており、金髪ではあるが色味が濃い。
よく似ているが、レオンハルトが化けやがったオフィーリアは翡翠の瞳だし、何よりこんな儚げではなかった。
オフィーリア(仮)に話しかけられたディアーナは、コクンと頷く。
「そう、とても大事な人と旅をしていたの…。」
ここに連れて来られる前
ディアーナはレオンハルトといた。
コトリが歌い、ちょーちょが飛ぶ、柔らかな草地の草原で
二人は抱き合い、キスを交わし、じゃれ合っていたのだ。
あははうふふと。
レオンハルトに背後から抱きすくめられ、押し倒されたディアーナは、嬉しそうに、そして恥じらうように言った。
「うふふ、やだわ、レオン苦しいから離してちょうだい?」
「ダメだ、離さない…か弱いディアーナには逃げられないだろう?」
レオンハルトはディアーナを抱き締める腕に力をこめる。
「ちょっと待って…ねぇ…レオン?」
ディアーナの声のトーンが下がる。
「……ねぇレオン……誰が弱いって?」
草原の空気が変わる。
コトリ逃げてく、ちょーちょが落ちる。
「い、いや、弱いなんて言ってないぞ?ま、待ちなさいディアーナ…落ち着こう!な!な!」
レオンハルトはディアーナを解放し、真っ青になりながらディアーナを落ち着かせるように、手のひらを見せる。
「いーや、言った!魔法も剣も使えないが、弱くなどないわ!お兄ちゃん!この際、誰が頂点か決めようか!」
ディアーナ覇王降臨。(香月パーセント高め)
レオンハルトに頭突きを食らわせ、レオンハルトの肩にかかと落としを決め、白目をむいて倒れたレオンハルトから離れた。
あまりにも腹が立ったので、お花畑で花を摘んでいた。
食べたら腹を下しそうな毒草を。
どうせ死にゃしないんだから。食わせようと。
絵面的には、お花畑に佇む美少女。
兵士達に見つかった時、ディアーナは注意されるのかと思った。
森の深い場所で、私みたいな美少女がお花を摘んでいたら、危ないから帰りなさいとか…。
だが、実際にはいきなり囲まれ、後ろ手に縛られ、無理矢理連れて来られたワケだ。
いや、実際には無理矢理ではない。
ディアーナは一切抵抗しなかった。
━━━私…レオンの居ない所で……こんな、どこの国だか分からない兵士たちに捕まって…どこにら連れて行かれるかも分からない…こんな…こんな…大変な事になるなんて…
どうしましょう…
ワクワクが止まりませんわ!!
私に何かあったら、光の速さで降臨なさる師匠…もとい、お父様が降臨なさりません!
これはもう、私を信じて「君の好きなようにしていいんだよ?」と思ってくれているに違いないわ!
いや、どっちかってゆーと「好きにしたらエーがな」か!?
他国を侵略し、無辜の民を戦利品扱い!
これはもう、ぶっ潰す!
レオンハルト的に言うと、プチする!プチプチ決定!
「わたくし、とても大事な人と旅をしていたのだけど、先にイベント片付けるわ」
ディアーナはオフィーリア(仮)に笑顔で答えた。