表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/82

14# 心が揺らぐ聖女の御子。

ロージアにはディアーナの言う事が理解出来なかった。


理解出来ないゆえに、おかし過ぎて聞き流せず、ディアーナの話す変な話しを夢中で聞いてしまう。


「ディアーナって、頭おかしいよね!月の女神のくせに。」


「あんたこそ、顔以外はいい所無しでしょうよ!ディアナンネの御子のくせにな!病気持ちのフリどうした!?」


「病弱な美少年にアイアンクローをかます馬鹿に、フリなんか意味無いじゃん!」


「馬鹿だと?…ロージア、こっち来い。あんたの鼻の穴にブドウ詰めてやるわ。」




中庭で、逃げて走り回ったロージアは疲れきって教会に戻った。


「ロージア様…お帰りなさいませ。」


ロージアを出迎えた教皇が頭を下げると、疲れて玉座に座ったロージアに尋ねる。


「いつ、ディアナンネ様を完成させるのです?」


「……疲れて帰ってきた僕に、いきなり質問?偉くなったもんだね、教皇…。消されたいのかな。」


「し、失礼致しました…!さ、下がらせて戴きます。」


広い礼拝堂に一人きりになったロージアは、大きな玉座のような椅子の上で膝を抱えた。


「……ディアーナを…使ってディアナンネ様を…造れと言うのか…」


今までは━━━


娘達を拐ったり、拐った奴隷を売った金で見目麗しい少女を買ったりと、ディアナンネの素材を集め身体をばらして継ぎ剥ぎを繰り返し、ディアナンネらしい姿をしたモノを造ろうとしていた。


ロージアが魔力を注げばソレは動き出す。


「ディアーナを使えば継ぎ剥ぎの必要は無いし、僕の魔力を無理矢理注げば……今のディアーナの魂は消えて、僕だけの思い通りになるディアーナになる…」


唇が弧を描く。


「僕だけの…僕しか見ない…僕だけの…人形みたいに静かで優しいディアーナ……。」


弧を描いた唇が震える。


「僕を追いかけ回したり、アイアンクローなんかしないディアーナ……そんなの……ディアーナじゃない…。」


初めて知った感情に心が揺らぐ。その感情の名前をロージアは知らない。


「ディアーナが欲しい…今のままのディアーナが欲しい…兄上なんかに渡さない…僕を…好きになって…」


ロージアは、ユラリと立ち上がるとディアーナの元へ行く、転移魔法を使った。






王城から皇帝が消えて二日目の晩。


王城内では側近のヒューバートをはじめ、多くの者達が皇帝の行方について情報を集めようとし、話し合いが行われているが……。


一番高い可能性を、敢えて避けている。


誰もロージアの、大教会の関与を口に出来ない。


側近のヒューバートは、大教会に皇帝が捕らわれていると確信しているが、そこに立ち入る権限はない。


「…腑甲斐無い……申し訳ありません…陛下…」



城内が慌ただしくなっていても、全くどこ吹く風なディアーナは、早々にベッドに入って寝ていた。


客人としての扱いを受けたディアーナ達が与えられた部屋は、ディアーナが一人で一つ、リリー達が三人で一つの大きな部屋をあてがわれている。


「……想像以上だね…これは」


ベッドで寝ているディアーナの傍らに現れたロージアは声を潜めて苦笑する。


シーツは外れてベッドからずり落ち、大きなベッドで寝ているネグリジェ姿のディアーナは、うつ伏せ状態でがに股になっていた。


「ヨダレ垂れてるし…イビキかいてるし…月の女神って、残念な女神だよね…ディアーナ…」


そんな君が…僕は…欲しい…


ロージアはうつ伏せに寝ているディアーナの背に、覆い被さるように身体を重ねる。


「……レオン?」


寝ぼけたディアーナが口にした名前に、ロージアの心がざわつく。それが嫉妬だと、彼は知らずに。


「兄上には渡さないよ!ディアーナは僕のものだ!」


背後からディアーナを抱き締め、ネグリジェの上から肩口に唇を押し付ける。

ディアーナは、ジタバタと暴れて隙あらば後頭部での頭突きを狙う。


「は?兄上?アゴ?ロージア?ちょっ…!寝技は反則だわ!」


「どうして君は大人しくならないのさ!」


少女に抵抗された所で、男の力で組み敷く事は容易いが、何しろ相手がディアーナなので、ロージアはディアーナの身体が脱力するような魔法を使っている。

それが、効いていない。


━━━ヤバイわ!美しい私が、美しい生け贄に!なんたって美しい私が、美しいまま悪の手に堕ちてしまうわ!美しいだけに!……もう、師匠にヘルプかしらね?━━━━


ディアーナは、父である創造神に助けを求める事にした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ