その2
イヤェイ! 早速2話目!
§§§ side∶鳴無雫 §§§
朝。それは眠気との戦いから始まる。
~6時00分~
鳴り響く目覚まし時計の音。
僕は起きない、起きれない。
起きないといけない。わかってるけど、布団から抜け出せない。
パパもママも起こしにこない。どれだけ起こそうと、努力しても無駄だからだ。
起きないと、いけ…な……
ぼくの意識は、二度寝の誘惑に屈した。
~6時23分~
「起きろー!」
無造作にドアを開け放ち、奴が入ってきた。
僕の天敵、桜井龍生だ。
僕は二度寝を始めると、本格的に起きれなくなる。本能が起きるという行為を否定するからだ。
「起きろ!」
来た!
ほっぺにペチペチ攻撃が始まる。
何か気持ちい~! じゃなくて、これくらいじゃ起きないぞ!
僕はたっちゃんのペチペチ攻撃に耐えながら、更に深い眠りへと、意識は沈んでいく。
「必殺……!」
お、あれがくるの? 今日こそ耐えて見せる!
たっちゃんの必殺技。布団返しは強力だ。
僕は掛け布団がないと眠れない、という特殊な体質の持ち主だ。例外として、たっちゃんが近くに居れば眠れるけど。
僕はそれを誰にも話していない。が、たっちゃんは掛け布団を奪うのだ。
これがたっちゃんが僕の天敵である所以だ。
「こちょこちょ攻撃!」
な!? まさかの新技!?
「んっ……ちょっ、やめ、たっ、ちゃん……!」
僕は今日も天敵の手によって起こされるのだった。
§§§§§§
アイツ、ほんとに男なのか?
肌が白くて、すべすべしてて、柔らかかったぞ?
こちょこちょした時のことを思い出し、気恥ずかしくなる。
実は女子なのでは? という考えが脳裏をよぎる。が、その考えを振り払うように、頭を振る。
十数年もの時を一緒に過ごしていれば、幼馴染みのあそこを見る機会だってある。雫のあそこは男のものだ。
「むぅ~~~!」
首だけ後ろに回すと、リスみたくほっぺを膨らませた雫が居た。
「なあ、そんなに拗ねるなよ。何か奢ってやるから」
起きてからずっと拗ねている雫に声をかける。
「むぅ、しょうがないなー。帰りに焼きまんじゅう一本で手を打ってあげるよ、たっちゃん」
その言葉を待っていた! とばかりに笑顔になり、頷く幼馴染み様。
どうやらこれが狙いだったらしい。
「わーったよ」
今日の放課後の予定が決まった。
ふと、近くにある公園内の時計を見て──
「ヤベッ! 急ぐぞ、雫!」
「うん! たっちゃん!」
駅までの道を俺たちは駆け出した。
寝てるのに意識のある雫ちゃん。特殊体質……?