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井上リカは憂鬱です  作者: ジャポニカダージリン
一章です。
6/78

みんなでボーリングに行きます。

足人にボーリングに誘われたリカ達。

皆で遊ぶ事にワクワクするリカだが、昨日あたりからどうも瀬古真美に元気がなく思えて気になってしまう。

(ふあー、昨日も結局1時頃まで起きてたな……)


「リカ!おはよ〜!」


「あ、リコおはよ!今日もラケット持ってきてるんだね!」


「今日も練習させてもらえるかもしれないからね!リカのラケットは日曜千葉に買いに行こ!私よく行くお店あるから」


「うん、お願い。あ、日曜日なんだけど」


「何?」


「昨日、加藤君が安堂君達と遊ばないかってLINEくれたんだけど、ラケット買った後私達合流出来ないかな?」


「えっ?行こ行こ!!瞳達も誘お!」


「うん」

(良かった、日曜日みんなで遊べそう)


「けどさ」


「なに?」


「たると、なんでリカに言ったんだろ?」

(どういう意味だろ?)


「昨日LINEで話してたからそのついでだと思うけど……?」


「そっか、そうだよね〜」


「オース、リカリココンビ!」


「あ、加藤君、おはよう」


「たるとでいいって」


「うん、たると君」

(加藤君と話してると元気湧いてくるな。誰とでもすぐ仲良くなれてサッカー部も春休みから上級生に混じって練習しててアニメに出てくる人みたい。なぎさが好きな藤村先輩ってこんな感じなのかも……)

クラスで人気者の足人と話しているとリカはなんだか誇らしい気持ちになってくる。

リコ繋がりでたるとやたるとの友人達と仲良く出来てる事は自分が特別選ばれた存在であるかのような気持ちになってくるのだ。


「ちょっとたると、昨日リカ遊びに誘ったらしいじゃん?」


「ああ、たまたまリカと話してて皆で遊ぼって話になったんだよ」


「ふーん、そうなんだ……」


「何?妬いてんのリコ?」


「はぁ?馬鹿じゃないの!?」


「ハハ、冗談だよ、で、日曜何時くらいから合流出来る?」


「そうね〜、リカ、ラケット買いに行くの朝からでも大丈夫?」


「あ、うん」


「だったら千葉に行くから昼までには終わるよ」


「そっか、じゃあランワン行こうぜ、夏樹と蘭とボーリング行こって話してるんだよ。リカはボウリング出来る?」


「あ、うん、あんまり上手じゃないけど……」


「全員たいした事ないから大丈夫だろ」


「そうなんだ」


「ちょっと!!なんでたるとが私のボーリング知ってんのよ?」


「えっ……リコめちゃめちゃ上手いの!!?」


「いや、別に……」


「なら、間違ってないじゃん!」


「うー」

(ふふ、リコも足人君も仲良いな。ボーリングか……優子に誘われてたまに行くけど優子いつも200くらいスコア出すからゲームにならないんだよね。足人君達とだったら楽しく出来そうだな)


「じゃ、俺チャリだから先行くわ!」


「はいはい、いってらっしゃい……はぁ足人と話してると疲れるわ」

(そんな事言ってリコ楽しそうだったけど、喧嘩するほど仲がいいって事なんだろうな)


「何笑ってんのリカ?」


「あ、いや足人君元気だなーって。日曜凄く楽しみだなーって」


「そだね!瞳達も後で誘お!」


「うん!」


「あ、瀬古さんだ」


「あ……ホントだ」

(あれ、リコなんだか嫌そう……?気のせいよね?)


「瀬古さんおはよー!」


「ああ、おはよ」


「そうだ、瀬古さん?」

(瀬古さんを日曜日誘わないとーー)


「ごめんリカ!私コンビニ寄ってきたいんだけど!!」


「えっ?いいけど」


「ありがとー、セコムも行く??」


「アタシはいいや」


「そっか、じゃあまた後で!!」


「はいよ」

(瀬古さん誘いそびれちゃったな。けどまた後で誘えばいっか)


「じゃ行こ!」


「うん」

リコはコンビニでシャープペンシルの芯とチョコレートのお菓子を買い、リカは好物のプリンを買って学校は向かった。

教室に入るといつものように瞳と友紀は机を挟んで話し合っている。しかし瀬古真美は今日は自分の机の上で小説を読んでいる。

(なんか瀬古さん気になるな……)


「おはよう瀬古さん」


「あ、おはよう!」


「何読んでるの?」


「銀河英雄伝説」

(やだ、瀬古さん、めちゃくちゃ渋い……銀雄伝知ってる女子高生が私以外にいるなんて……好きなキャラクターは誰だろ?やっぱりキルヒアイス?それともロイエンタール!?)


「あの、瀬古さん?」


「何??」


「そのーー」


「ちょっとリカ!こっちきて話そうよ!」


「えっ、でも……」

(今リコの方に行くと瀬古さんに失礼だと思うんだけど……)


「……行きなよ」


「えっ、じゃあ瀬古さんも一緒に」


「いいよ、アタシはこれ読みたいからさ……」


「あ、うん。じゃあまた後で」


「……」

(瀬古さんきっと銀雄伝読みたいんだ。いいな、瀬古さんみたいに堂々と好きな事出来るのって)


「リカ、セコムと何話してたの?」


「えっ?特に何も。瀬古さんの読んでる本について聞いただけだよ」


「あー、セコチンなんか難しそうなの読んでるよね。アタシ小説とか全然だわ」


「小説も面白いよ?文章から色々な事を想像して美しい情景や登場人物に想いをはせるの」


「さすがリカッち!アタシにお勧めの小説とか教えてよ」

(どうしよう、人に小説を進めた事ないからわからない。友紀ってどういうの好きなんだろ?私恋愛小説とかは読まないし……村上春樹とかだといいのかな?)


「えっとーー」


「は〜、やっぱ優等生は頭の出来が違うわ!」


「そんな事ないよ……」


「はは。瞳も本読まなくちゃね!!あ、そだ、瞳と友紀日曜空いてる」


「アタシは空いてるよ〜」


「ウチも」


「じゃあボーリング行こ!足人達が行くんだってさ!」


「お、いいね〜」


「じゃ、決まりね!」


「瀬古ちんは?」


「あ〜……セコムはどうだろ、ボーリングとかしなさそうじゃない?」


「確かに、セコちん昨日もあんま乗り気じゃなかったしね〜」


「でも、一応誘った方が……」


「……リカは優しいね!じゃあリカ誘ってね〜〜」


「あ、チャイムだ!」

(ほっ、良かった。好きじゃなくても誘われないとやっぱりいい気しないもんね。瀬古さんも来てくれたらいいんだけど……)

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