第二話 ~魔王城の場所と召喚~
どのぐらい経っただろうか。とりあえずガロアが行ったあと魔王城全体に色々な結界魔法をかけて守れるようにした。
“隠蔽” “魔法反射” “侵入者察知”
の3つだ。これがあれば十分だろう。そう考えていたが魔王になってから熱い寒い系の感覚を感じていない。もしかして極度に寒かったり熱かったりするのだろうか。そう思って念の為、
“温度管理” “湿度管理” “光量管理”
の3つも付け足した。もはや結界魔法ではないかもしれないがその流用だ。気にしたら負けということにしておこう。
あとはアイテムボックスに色々と便利なことに内装も含めた色々な物が入っていたので模様替えをした。前までの殺伐とした空間は優雅な空間へと変化していた。
とまぁ色々と内装を変えていたりしていた間にガロアは色々な仲間を集めていたようだがその苦労を魔王は知らない。
その間魔王城内部を見ていたのだが、至れり尽くせりの一言しか出てこない。そういえばマップとかって魔法で出てきたりするのだろうか?マップがあるとするならば無属性になるのか?普通にアイテムボックスに入っていたのでマップじゃ現在どこに居るのかなんて分からないしな。試しに唱えてみる。
「マップ」
そして数秒後、処理を終えたかのようにマップが出てきた。やはり暗黒平原は南東だった。それは良いんだ。それは。どうやら自分がいるところは青のマーカーで出るみたいなんだけど大陸の端に近いじゃないか。なにこの遠さは!最寄りの町から大陸の端まで30cmだとしたらここ22cmくらいだけど?!どんだけ掛かるんだよ!
そういうわけでまぁ、とりあえず東側は魔大陸みたいな感じだ。脅威となり得る魔物の上位種がうじゃうじゃ居るからか人間の町一つすらない。なんじゃこりゃ。というか魔大陸の形状がアイテムボックス入りのマップと違うのだが……
長い間立ち入られていないからかマップが更新されていないのだろうか。とにもかくにも西側はマップが更新されているようで形も町の位置も全部合っていた。
とりあえず魔王城最上階の魔王の椅子の後ろの壁にでも魔法のマップを貼り付けられないか試してみたいのだが……
何の魔法を使えば良いのか分からない。マジックペーストとかか?
そうだ。異世界で定番のあるあるっていったら魔石を使った魔法道具があるじゃないか。モンスターを倒せば手に入るだろう。魔王城を出てみよう。
問題があった。自分………あ、いやロールプレイをこれからはしていこう。我に怯えるのか魔物が全然いない。試しにマップで敵を見られないかとやってみたら案の定出来たが1kmくらい先にいるみたいだ。ただ面白いことに我を中心に半径1kmほどの敵の集まりが円になっていてまるで包囲されているみたいな感じだ。ただ近づくことはしてこないみたいだし大丈夫だろう。
でそういうわけだから、魔石を集める作戦は失敗した。じゃあ代行して貰えば良いのではないか?そう思ったので魔王城にあった魔法陣――――もっとも召喚用だったみたい――――を参考にして魔法陣を書こうと思ったが失敗した。ただの幾何学模様の円盤を書いただけであった。もしかして魔力を注がなければいけないのか?
と思って注いだがスライムが出てきただけだった。どちらかというと自然発生したような感じだ。召喚時の効果とは全く違った。
もう唱えれば良いんじゃないか?そう思って唱える。
「召喚――」
うん。成功した。でも意思がないみたいでいきなり襲いかかってきた。で、結界魔法が無意識についているみたいで弾かれました。流石。とりあえず苦しまないように、
「拘束」
もう少し。
「風爪」
よし。倒せた。これでもう大丈夫だろう。とにかくこれじゃどうしようもない。
というかよくよく見ると魔石が転がっている。ワンチャン召喚して倒すを繰り返せばザクザク魔石が手に入るのでは?とりあえず実験台だったと言うことで魔石と狼?の残骸をアイテムボックスに収納する。