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転生者の末路

作者: タマ

昔々、あるところにイケメンでお金持ちの少年貴族がいました。


彼の名は〇〇。


彼には親すらも知らない秘密がありました。


そう、彼は転生者だったのです。


生前の記憶の影響もあり神童とうたわれ、周りからもてはやされました。


彼は生前とは異なる輝かしい現世を謳歌し始めました。


順風満帆の生活を送っていた彼はふと思いました。


生前の知識を生かせばもっとモテモテでウハウハな生活を送れるのでは?と


そう、彼は頭に乗っていたのです。


早速行動に移しました。



この世界に無い道具を作ろうとしました。


しかしひきこもりでニートだった彼はまず大工ができません。

木を切り出すにもチェーンソーもノコギリすら無いため木一本切り出すにも手間取りました。


掠り傷一つしようものなら大げさに騒ぎ立てその日の作業を止めてしまう。


自分できないならと、他人に作業させようと図面を引いて見るも、わかりにくい部分を質問されると答えられずただの前衛的オブジェ(ガラクタ)が誕生しただけ。


結局生来の怠惰な性格が祟り、計画そのものが頓挫してしまう始末。


そう、彼は何もかもが中途半端だったのです。


ひきこもりでニートだった彼に学歴や武道の段位など皆無。


うろ覚えで出すエロ同人より薄い知識など何の役にも立たなかったのです。


突発的に始まる奇行に徐々に周りの目も冷たくなり、そこで彼もようやく身の程を理解しました。


考えた末、現状を保って安定思考に走る事にしました。


元より生活基盤が盤石なので余程の事が無ければ安泰なのです。


しかし、それは転生者にとって最大の禁忌だったのです。


変化の無い日常はやがて停滞を生み、それをみていた神さまはつまらない転生者を見放し、彼のいる世界そのものを消滅させてしまいました。


神さまは作業を終えると目の前に置かれた履歴書のような書類を眺めます。


……さて、次の転生者(オモチャ)はどれにするかな……?


神さまは薄く笑みを浮かべていました。



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