とある少年の結末(笑)
某月某日、俺はトラックに轢かれた。
そして、目が覚めたらよく分からない真っ白空間にいた訳だ。
それからなんかよくわからんジジイがいるというテンプレ。
「誰がジジイじゃ!儂は神様じゃぞ!?」
さらに神様というテンプレっぷり。
「で、話とかあるんだろ?」
「そうじゃった。お主にはの転生してもらう」
「テンプレ乙」
「いちいち何か言わぬと気が済まぬのか。まあ、よい、こちらのミスで死なせてしもうたのじゃ」
「テンプレ乙」
「じゃから色々と能力やら何やら願いを叶えて異世界にいってもらおうと思うてな」
「テンプレ乙」
「で、何かないのかの?」
「旅立つ世界についてまず教えてくれ」
「剣と魔法の世界じゃ」
「テンプレ乙」
「それで願いは、そうじゃな……、5つじゃ」
「じゃあ不老不死とあらゆる魔法の知識と最強の肉体と記憶の持ち越しとあらゆる知識を」
「……分かった」
そしてジジイが何かを呟いたかと思うと俺の視界が真っ白になった。
確かに願いは全て叶った。
俺はそれはもう無双をした。
けれども不老不死という事で化け物扱いされ、脅威もはね除け続ける事で俺は世界の敵とみなされた。
そんな文明も生物も既に滅んでしまった。
この世界には俺一人。他にはもう何も存在しない。最強で不老不死だから世界が滅びるまでこのままだろう。だけど俺がいる限り滅びはしないのでは?
初めの頃は魔法で退屈しのぎをしていたが、生物を作れても所詮は仮初めだった。
俺が命令しない限り動かない傀儡。そして、進化もしなければ自立もしない。
だからみんな消した。
「もう……、殺してくれ」
俺は呟いた。
「お主は不老不死じゃから無理じゃ。それと世界はお主がいる限り滅びぬぞ」
そんな神様の声が聞こえた。
そして俺はしばらくして考えるのをやめた。
こうなるよね、普通。