フンコロガシの夜、探偵は二度死ぬ

猟奇殺人鬼『スカラベ』は、若い女性を殺害した後、遺体をひき肉にして丸めてしまうという異常者だ。
探偵事務所にて働く宍戸未來は、所長の伊乃木トオルと共に事件を追うことに。

『スカラベ』事件の最初の被害者は未來と同姓同名で、容姿もよく似ていたらしい。
彼女は伊乃木の恋人であり、被害者の中で唯一遺体の一部分しか発見されていない。
これこそが伊乃木が事件を追う理由。
そして、未來が密かに探し求めている『真実』へのカギだった。

やがて二人はとある廃村を訪れる。
その場所こそが、事件の核を炙り出すべく整えられた舞台だった。
────自身の抱える秘密と共に、今宵、探偵は二度目の死を迎える。