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魔女のお呪い  作者: しずく
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一話

薬の解説書を片手に香水のような甘い香りを漂わせる鍋。

私はその鍋をゆっくり丁寧にかき混ぜていた。

「回復のポーションはまだかい?アリッサ」

「回復のポーションに関しては時間がかかるんです。いい加減ご理解くださいよシルヴァンさん」

旅の仲間に急かされ私は少しスピードを上げて鍋をかき混ぜる。

私の名前はアリッサ。性はない。この広い世界を旅している旅人だ。

そこにいる淡いクリーム色の長髪の彼の名前はシルヴァン。彼も性がない。私と一緒に旅をしている仲間だ。

この世界は魔法はもちろん魔物や精霊、エルフなんかもいる。

そして…魔法とは別の「能力」というものがある。

当たり前だが私やシルヴァンさんにも能力がある。

私の能力は「魔女」だ。

魔女の能力は伝承でしか残っておらず私はこの能力にいい思い出はない。

ついでにシルヴァンさんの能力は鑑定の能力を持つものでさえもわからないという。

見えない誰かに私達のことを脳内で紹介しているといつの間にか回復のポーションが完成した。

「シルヴァンさん、ポーションができたので瓶詰め手伝ってもらってもいいですか?」

「おっけ〜。ちゃちゃっと終わらせよう!」

シルヴァンさんがこちらに駆け寄り机の上にある瓶が入ってある箱を取り出す。

そして私は2つあるうちの1つの柄杓を彼に渡した。

そして黙々と緑の色をした回復のポーションを瓶に詰める。

詰め終わったのは約30分後だ

「よし。詰め終わりましたね。今回は三分の一を売って残りは私達で使いましょう」

「おや?いつもなら四分の一だけど今回は数が多いね」

「シルヴァンさんは新聞を読んでないのですか?」

「…読んでないけど」

「はぁ…近々魔王が転生してまた魔族との戦争が始まるんですよ」

魔王の輪廻転生…この世界では1000年に一度、あるかどうかの出来事だ。

5000年前、この国は常に魔族との戦争が耐えなかった。

建物が崩れのは当たり前。魔族が人…得に女をさらってはまるで玩具のように扱い、人の悲鳴が聞こえるのは日常茶飯事…想像もしたくないほど悲惨な時代だ。

そんな時代を終わらせたのが勇者だ

勇者は魔王を討伐し、平和な世界を取り戻した…という。

けれど勇者は呪いをかけられ魔王は何千年後には転生するという…

「ほんと、面倒な時代になりましたね」

「なら、次は南の国に行くかい?そろそろ寒くなってきたし」

「シルヴァンさんにしては賢いことを言いますね」

「…僕はいつも賢いことを言ってるけど?」

「さて、市場へ売りにいきましょう。シルヴァンさん、荷物運び手伝ってください」

「無視は酷くない?」

「知りませんよ…ほら、さっさと行きますよ。」

「はーい…」

面倒くさそうに頷くシルヴァンさんを横目に私達はさっき詰めたポーションの三分の一を箱に詰め込み、そして馬車の荷台へと置いたのであった

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