98話 楽園は大騒ぎ
式が近くにつれ、楽園はそれ以上の飾りがつけられていた。大きくなったお腹を触りながら、最終の打ち合わせをズユと話し合っている最中。
「リアはもう出産してもいい時期だからあまり負担はかけたくないけれど、おでこにあるやつは完全に消してもらったんだよね?」
「消してもらったよ。ズユはこのままエルディ組として動くつもりなの?」
「本当はね、逃げ道作りたい気持ちはある。けど革命軍のみんなを守るにはリクのそばにいたほうがいいと思って」
「ルシャンダはどうするの?一応、招待状送ったんでしょ?」
ズユは苦笑いしながら、スマホを取り出してスマホを見せてくれた。ルシャンダと連絡とってるみたいで、ルシャンダが作ったスタンプが五回押されている。そのスタンプはお断りでありますスタンプだった。
「来てよって送ったらこのスタンプ送られてきちゃって、それきり連絡はしてない」
「ルシャンダ、私のほうでは泣きスタンプでしかもハートが割れたスタンプもきたよ」
えっと驚いていて見せてあげると、ズユは少し頬を染めてリクじゃなくて、もしかしてルシャンダが本命かもしれないと感じてしまう。
「式にルシャンダが現れて連れ去られたいとか思ってる?」
「そっそんなんじゃないよ。リアってば」
ズユは余計に赤くなってルシャンダ来なかったら、後悔するよって送っておかなくちゃ。
「打ち合わせ通りに行くかわからない。それでもこれがチャンスだと思うの。わゆはどうなっても構わない。リアは子供たちのところに帰るべきだよ」
「んっもう。ズユも自由になるために、私と協力してるんじゃなかったの?」
ぎくっとズユはなり、少し自信がなさげでいるような感じだった。私の場合は偽装披露宴だとしてもズユは本当の披露宴だから、緊張しているのは知っている。
「ズユが大切にしたいと思っている人たちのことを目を閉じて想像してみて。そこには誰がいるかな?」
ズユは目を閉じて革命軍の人たちを想像しているのかな。そして一番大切な人が浮かび上がるはずだよと思っていると、目を開けて私に教えてくれる。
「リクが浮かび上がると思ってたけど、わゆの隣にいるのはルシャンダ。やっぱり、わゆはまだ」
「ならちゃんと伝えてみたら?式の時、連れ去ってって。ルシャンダはそれにちゃんと答えてくれるよ」
そうかなと照れ隠しして、もうすぐパパに会えるよとお腹に触れていた。
◇
ズユに用事があってズユの部屋に入ろうとしたら、思わず二人の会話が聞こえてしまい中に入れなかった。俺様はずっとズユのそばにいたのに、ズユの大切な人が俺様じゃなくて、あんなへたれを選ぶなんてよ。
怒りが込み上げてきそうで、用事は後にしズユの部屋から離れ、エルディ組の基地へと帰る。怒りを放っているせいか部下たちは近寄らず、その一方クロウは平然と俺様に近づいた。
「どうした?」
「機嫌悪いことぐらいわかってんだろ?チェルを呼んでこい」
「ズユと何かあった」
「いいから呼んでこいって言ってんだろ?聞こえなかったのか?」
クロウの胸ぐらを掴みまあ落ち着けと言われても、龍の波動で周囲にあったものが壊れる。俺様はズユの笑顔があったからここまでやれてんのによ。ズユを失ったら俺は俺でなくなりそうだ。
そこにアイズが俺様の異変に気付いたのか来て、クロウから離れ自室へと入る。
「式前に何があった?」
「アイズ、式にルシャンダが来る。ルシャンダをバリアで閉じ込めておけ。邪魔はさせねえ」
「わかってる。ズユが一番仲良い友達、なんだろ?」
一番という言葉で部屋にひびが入り、アイズは悟ったようで悪いと謝った。そこにチェルが到着してアイズには一度出てってもらう。
「組長、呼んだ?」
「ズユに洗脳をかけろ」
「それは…」
「式の時だけでいい。ズユが大人しく俺様の言うことを聞けるようにしろ。わかったな?」
躊躇しながらもはいっと小さく言い、聞こえないと怒鳴るとはいっと大きな声を出す。チェルが立ち去り一応パトレア様に報告するしかなさそうだな。
うまくいってると思っていた俺様が間違いだった。ズユが俺様に従うようにしておけば、ルシャンダに目を向けなかったはずだ。
「荒れてるねえ」
「うるせえ。出ていけよ。姉貴」
「可愛い弟の披露宴がまじかというのに、そんな顔していたらズユだって逃げるはずだよ」
姉貴に抱きつかれ振り払おうとも離れようとはせず俺様の刺青に触れていた。
「姉貴、俺様はどこで間違ったと思う」
「リクは何も間違ってはない。ズユに問題があるんじゃない?ネットに囚われすぎている。だからネットから離れさせるべき」
情報を得るためにズユはパソコンから離れられないでいた。そこで知り合ったのがルシャンダ。そもそもアイズが現れた時から、ズユの様子がおかしくなり始めた。全てルシャンダが悪い。
「姉貴の力を借りたい」
「可愛い弟だもん。力になる。ルシャンダのことは任せなさい。たっぷり甘やかしてあげるから」
「頼む。それからそろそろ離れてくれないか?」
「なんでよ。昔は甘えん坊さんだったのに。お姉ちゃん寂しいな」
姉貴は胸がサリラレベルで男を何人も落としているからだ。
「これ見られたらズユちゃんに怒られちゃうね」
姉貴は離れふうっと一息つき、姉貴はほんわかしているも仕事になれば顔が一変する。組長と女の声がして姉貴は表情をキリッとし、何と低い声でやってくる組員に聞いた。
「あの組織が動いた模様です」
「そう、指示通りに動くよう組員に伝えなさい。それじゃあ、リク。披露宴で」
あぁと姉貴は女組員と行かれてしまい、俺様はスマホを取り出してズユに話したいことがあると伝え、返事が来るまで待つことに。
◇
行きたくないでありますとデスクに顔を突っ伏して、想像したくない映像が頭に浮かぶであります。まだ希望はあると思っていたでありますが、和吉は所詮、ズユのまぶたちでありますから、何も言えないでありますよ。
凹んでいるとピコンと鳴り、誰でありますかと確認したらズユからのメッセージだったであります。
披露宴の時、わゆを連れ去って!お願いスタンプつきで思わず姿勢を正したであります。はてなスタンプをつけるとわゆから返事きてプシューと溶ける間になりそうでありました。
部長と扇風機を回し、うちわで和吉の体温を下げてくれたであります。ありがとでありますとこれは脈ありと言うことでいいでありますかね。ミライに招待状燃やされてしまったでありますが、行くことになっているであります。
ズユからの返事はルシャンダが好きなのという返事だったでありました。和吉は顔真っ赤のスタンプを送るとズユも同じスタンプであります。
待っててくださいであります。必ずリクから連れ去るでありますよと元気を取り戻して、仕事に励んだでありました。
◇
披露宴当日となり、楽園は大騒ぎとなっていて私とズユは新婦控え室で待機をしている。私はお腹も大きいこともあり赤ちゃんに負担がかからないドレスで、ズユはリクが選んだ和風ドレスを着ている。
以前、ズユが提案したやつが通り、うまく行くと信じるしかない。そこにチェルと父様が入って来た。
「二人とも麗しい。リア、わたわと先に行きましょう」
「ズユは?」
「チェルが話がしたいと。二人で話させてあげるのですよ」
父様に言われたから、控え室を出てズユを待つことに。もうすぐだよと私は思わずお腹に触れていると父様は微笑みながら、お腹に触れるとお腹を蹴られてしまう。
きっと元気な子が生まれると父様と笑い合っていたらズユが出てきた。けれど様子がおかしいと気づき、ズユと声をかけようとしたら、行きましょうと父様に背中をポンっと叩かれバージンロードを歩く。
チェルの能力って確かとはっと思い出して、父様の顔を見るも、いつもの表情だった。右には私で左はズユ。そして中央に父様。扉が開きそこには懐かしい人たちが多くいながら、一礼をしてゆっくりと進む。
ワイズたちどこかなとゆっくり歩いていたら見つけるもルシャンダの姿が見れない。どうしようと思っても到着してしまってリクはズユを、ヨウミは私の手を握る。ここでルシャンダがズユを連れ去ってもらう予定になってるのに始まっちゃった。
◇
その頃、ルシャンダは……
駄目でありますと抵抗しようとも色気のある女性に捕まってしまい、披露宴が終わってしまうであります。しかもバリアが貼られていて、アイズ最低でありますよ。
「こらこら暴れない」
「暴れるであります!和吉はズユを連れ去るでありますから!」
「可愛い弟の邪魔しちゃ駄目だぞお。ほらお姉ちゃんが甘えさせてあげるよ」
アイズはどこでありますかと思っても、髪の毛に絡まれて思うように解けないであります。ズユは和吉に助けを求めているでありますよ。
「ズユを揺さぶって可愛い弟が困ってるの。もうこれ以上、関わらないでくれるかな?」
「嫌であります!ズユは今日、逃げるために動いていたでありますよ!」
「それくらいわかってる、はーむ」
耳を齧られぎゃあぁと変な声が出てしまうでありました。くすくす笑われなんとかゲートを出して、ズユを救出しなければならないであります。
◇
ルシャンダ、どうしたんだとすでに始まってるっつうのに。もしかしてやっぱり見れないとかかと、スマホを取り出し連絡しようとしたら抱っこしていたノゾミがスマホに触れる。次の瞬間、映像が出てなんだこれとルシャンダが誰かに捕まっている様子だった。
誓いのキスをと言う場面で、俺たちは合図を送り、本来ならばルシャンダがゲートを作ってリアを救出するつもりができない。俺は後ろにいるレッツォに合図を送り、俺はキアにノゾミを預けおいっと叫んだ。バージンロードをずかずか歩き、前にはエルディ組が出てくる。
「俺の妻を返してもらおうか!」
叫んでみるとフィカス王が出てきて、俺に発言する。
「リアはすでにヨウミの子を授かっている。お前はもう用済みなんだよ。地の人間を入れるべきではなかったようです。パトレア様。直ちに排除いたします」
「待ちなさい、フィカス」
そこでパトレアが立ち上がりリアの前に立ち、手にはナイフを持っていてリアはお腹に手を触れた。ヨウミの子をまさかと行こうとした時、リアはパトレアによってお腹を刺される。ヨウミはぼーっと立っており、戦争が始まった。
「リアはわたわを失望させた天罰です。リク、ズユを連れて行きなさい。ズユの顔も見たくはない。早く連れて行かなければルシャンダに奪われますよ。もしくはこの手で殺したほうがよろしいですか?」
「神様というより悪魔だな。ズユはいただく。取引成立だ」
待てよと思ってもリクはズユを連れ去り、とにかくリアのところに行かなければならない。
「ママ…ママ!」
「ミライ!危ないから、タングと一緒にいろ!」
ミライがママと言いながら泣き叫んだ時にエンディードが現れ、おっとりしているエンディードの目の光が変わった。おいおい、これってさすがに無理じゃないかと唖然としている暇はない。
「タング!ミライを頼む!」
「わかったっす!」
「サリラ!」
わかってるよとすでにパトレアの姿はなく、リアの手当てが先だと思っても邪魔が入った。目の前にいるのはヴェルディであって、ソラの父親だ。
「ヴェルディ」
「リア様は残念だ。諦めて地に帰れ」
「俺たちを招待したのは、リアの殺害かよ!」
「未来予知通りにはさせないためだ。悪いがリア様には消えてもらうしかなかった」
ヨウミはなんで突っ立ってんだよと炎魔を出すと、エリュウとレッツォが俺の前に立つ。
「リアのところに行け!」
「ここは俺たちに任せろ!」
すまんと二人がヴェルディを止めている間にリアを抱え、避難するもどこも戦っている状態だ。サリラがなんとか抜け出して近くにより治療をしてもらうも血が止まらない。
「なんで、なんでっ」
そこにノアが到着して一緒にカディヴィア病院へと連れてってもらった。状況を見た医師たちが着て、サリラが説明をしながら、手術室へと入っていく。
「ワイズ、ここは任せて俺たちは戻るぞ。ワイズ!」
動転してしまい立ち尽くしていたことでノアに肩を掴んで言われる。
「リアがこうなったのは想定外だ。だが未来はまだ終わってない。リアを信じなくてどうする?ヨウミはおそらく洗脳され動けなくなっているだけだ。とにかくティルはそれを見て、パトレアを追ったはずだ」
「あぁ、そうだな」
そこにキアがノゾミを抱っこし、ニディアがミライを連れて着てくれた。タングはヨウミのところに行ったんだ。ミライはひくひくしながら、まだ涙は止まっておらず、ぎゅっと抱きしめてミライに告げる。
「パパ、また天に行かなくちゃならない。キアとニディアを守れるか?」
「ひくっうん」
「キア、ニディア、ミライとノゾミを頼む」
任せてと二人からの返事をもらい、行くかと行こうとしたら、ご主人お待ちくださいと医師に引き止められる。
「間に合ってよかった。ご主人、奥様が呼んでいますよ」
どういうことだと医師について行き、消毒してエプロンをし中へ入ったら、リアは無事でしかも赤ん坊を抱いていた。これは夢かと、混乱しているとリアがその子に向かってパパが来たよと伝えている。
サリラは涙ぐみながら動画を撮っていて、ポカンとしてしまうも抱っこをした。
「リア、何がどうなってるんだ?ヨウミの子だろ?」
「話せば長くなるけど、やっと抱っこしてもらえた喜びが嬉しくて」
状況がよくわからずでも、リアが俺の子だって言うんだから俺の子だよな。すやすやと寝ていて、俺は何故かつうと涙が出てしまう。生まれてきてくれてありがとなと見ていたら、リアが言う。
「性別は男の子だからネガイだよ」
「呼びづらくないか?」
「ううん。ネガイにする。あだ名はネガでいいんじゃないかな?」
やっと俺の夢が叶ったよとネガイをすりすりしてしまった。
◇
今頃、ワイズは最愛な娘と会っている頃でしょうと空の海を眺め、空の海が荒れ始めているようだ。本来ならばリアとズユをここに置いて置きたかったのですが、ドゥシャーが現れた以上、地に戻す必要があった。
ヨウミは演技をしていたようで、わたわがティルに渡したようにワイズの遺伝子を手にしていたようだ。それによって見事わたわが気づいていないと思っていたようですが全てお見通し、ですが宿る命には罪がないので許してあげます。
そろそろドゥシャーがわたわのところに来るでしょうと眺めていたら、ピットがわたわの名を呼ぶ。
「なぜ」
「ピット、リアの子は無事です。あれは血塗りに過ぎません。ドゥシャーが来る前にウラデュエ都市内にいる民を避難させなさい。ドゥシャーがもう時期目を覚ます」
「パトレア様」
「わたわは無事です。さあ早く。新しい新天地へと向かいなさい。そこでわたわを待つのです」
「…かしこまりました。ご武運を」
ピットは寂しそうな瞳を一度浮かべながら翼を使って行ってもらい、一度わたわの寝室へと入り隠し部屋へと入った。大切な箱に資料を入れ、箱にキスをすると動き出す。
「リアの元へお行きなさい」
すると箱は翼をつけ羽ばたき、リア今まで縛りつけていたこと許してほしいとは言わない。わたわはリアを守りたくて楽園の中に居させただけのこと。
そしてヨウ姫が動き出したことで、ミライが奪われる。それを塞がなければこの世界は闇に包まれるのみ。いずれ会う時がくればじっくり話したいものだと、元の場所へ戻ったら、ティルが来た。
「待っていましたよ、ティル、いやドゥシャー」
「ティルに何度もやられてしまったけど、ようやくこの身体を取り戻せた。愛娘を殺す必要はなかったはず」
「ふふっわたわはエルラド族の血を穢した娘は、必要ないのです。ただの遊びにすぎません。ドゥシャー、わたわを殺せばどうなるか、わかるでしょう」
「エルラド族が一番偉いとは限らない。パトレア、いや光魔を持つリヒティル」
その名で呼ばれるのは久々ですねとわたわは本来の姿に切り替えました。フィカスがティルという名をつけたのも、わたわの後継者にさせるためだったのでしょう。
「わたわはまだ創造主としてやらなければならないことがあるにですが」
「それはできない。お前が描き続けたことは全て終わりを遂げ、新たな時代が来る」
ドゥシャーは影の剣をとり、わたわは光の剣を取り出す。やはりドゥシャーを葬る必要がありますね。フィカス、ティルの魂はまだ生きているようだ。シシアのこと頼みますねとわたわはドゥシャーに挑み、刃が交わる。
「影魔を出してもいいのですよ」
「そっちこそ、天魔ではなく、光魔を出したほうがいいんじゃない?」
光魔を出すには無防備になる。それだけは避けたいことだから、光の剣でドゥシャーに挑むしかありません。ミライのエンディードがまだ暴れているようですが、リアが生きていることで落ち着きを見せる頃。
皆が無事に逃げ切るまでは、わたわはこの部屋から出ない。本当は見届けていたかったですよ。おやおや、こんな時になんのようでしょうか。
「何の用ですか?見てればわかるでしょう。わたわは忙しいのです、ルヴ」
「手助けしなくていいの?」
「えぇ。ルヴ、例の件は頼みましたよ。あなたが頼りなのですから」
「わかってるの。チーシャの命を落とした人を絶対に見つけるの」
何ぶつぶつ言ってると距離を離され、わたわしか見えていないようだった。ルヴは姿を消し独り言ですと告げる。チーシャが三歳で命を落とすような子ではなかった。チーシャの能力は先ほど、リアに送った箱に保管してある。
なぜルヴがチーシャの身体を使って過ごしているのか、わかるでしょう。
これで仕留めますとドゥシャーにとどめを刺そうとした時、これは裏切り者が現れるとは思いもしませんでしたよ、グック。
「見てられないら。らいは裏切らせてもらうらよ。らいはファンズマなぞ入れたくなかったら。それなのにパトレア様は許した」
「わたわは死なないことご存知でしょう?」
「そうら。だからドゥシャー王子の闇の中で生きててもらうことにしたんら」
ドゥシャーの影が現れわたわはその中に吸い込まれていき、後悔しても知りませんよと闇夜の中へと入ったのでした。




